仕事にバレーに忙しい黒尾は、帰ってくるなり今日もまたバタリとベッドに倒れ込んで、一瞬にして安らかな眠りに落ちる。俺はその寝顔をスマホに収めるのが日課。
それでも毎朝先に起きるのは黒尾の方で、準備してくれた和朝食を俺が幸せと共に噛み締めていると、黒尾のスマホがアラームを作動させ、画面に俺の寝顔が表示された。口開けっぴろげのだらしない寝顔。
「ひでえ!」
俺が消すように言うと「俺のやる気の源だから」とか言わてしまう。
くそぅ。俺も黒尾の一番だらしない顔を待ち受けにしてやる、とフォルダを漁ったが、悔しいかなどれも惚けて見入ってしまう程、そこにはイケメンしかいなかった。