Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    nume_numeri

    @nume_numeri

    ☆quiet follow
    POIPOI 14

    nume_numeri

    ☆quiet follow

    バラン×ハドラ―の習作
    キッスしてるだけ。

    触れるだけの「ハドラー、目を閉じろ」
     いくらかの不慣れな会話の後、バランはふいにこちらを見てそう言った。
     しばし意味がわからず佇むオレの前に、感情の読めない顔が近づいてくる。
     つい反射的に後ずさり、壁を背にしたところでバランは目元の飾りを外した。裸の顔立ちに見惚れる間もなく距離を詰められ、頬に手を添えられる。
    「……ふ」
     意味を悟り、笑みを作った唇に唇が重なる。少しかさついた、あたたかく、そして意外と柔らかい感触。舌を添えようか迷い、出方をうかがっているうちに、ただ触れるだけの淡さに慣れていった。
     かすかな動きで擦れる唇の肌目と、ゆっくり伝わる温度、ふわふわと触れる髭にもどかしい思いがかき立てられる。
     頬に添えられた手が肩に流れ、支えられる。そんな小さな動きについ感じた。思わずその腕にしがみついたが、唇の触れ方は変わらなかった。
     もっと、何か。
     何かが欲しいと訴えたかったが、口を塞がれていてはどうにもならない。
    「んっ……」
     深く閉じられた目元の、まつ毛の濃さをまじまじと見ていたら、ふと目蓋が開き、間近で目が合った。
     たちまち唇が離れ、冷えた空気にさらされる。
    「閉じろと言ったろう」
     とがめるようなバランの口ぶりがおかしくて、つい苦笑した。
    「こだわりか」
    「……いや」
     バランは視線を外すと、気まずそうに目元の飾りを付け直した。その瞳はさっきよりも少し潤んで見えたが、飾り越しではよくわからない。
    「感じてほしいだけだ」
    「それなら、もう十分」
    「……退屈させたか」
    「逆だ、次はもっと寄越せ」
     そう言い、ちろりと舌を出したところを指さして見せると、バランは息を呑んで背を向け、足早に立ち去った。
     かすかに紅潮した珍しい表情は、見逃さなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited

    recommended works

    ムーンストーン

    DONEメガンテを巡るポップとダイの攻防戦。(ダイは籠城戦です。外から友軍が来ないと敗ける…)R-18は念の為。
    ほぼ会話オンリーです。ダイが弱々で、アニメ58話冒頭の戦意喪失ダイにキュンとなって衝動的に(略)
    別の話になる予定だったので後で統合するかもしれません。
    魔法契約設定も含めて捏造だらけですが、ダイ大の「メガンテは魔法が使える人ならだれでも使用可能」設定だと契約なしで使えるかも?と妄想しました。
    The Point of No Return 回帰不能点〜ダイ酒場兼宿屋は夜になってもざわめきが消えない。
    人里離れたデルムリン島育ちのダイが人の気配の濃厚さに気疲れしているのを悟ったポップはダイに先に風呂へ入れと促した。
    カラスの行水ですぐ部屋に戻ったダイと入れ替わりにポップが一階の風呂に行くと、ダイは寝る前の準備として二人の荷物をすぐ持ち出せるようにそれぞれのベット上の足元に置いた。
    それは二人がデルムリン島から冒険の旅にでたときからの習慣だった。

    不思議なことに魔王軍に夜襲をかけられたことはほとんどないが、野生動物や凶暴化したモンスターに襲われたことは何度もある。

    ダイが相手を剣で切り払えば返り血で服や荷物が汚れるし、ポップがうっかり最近出力が上がり続けているメラを放とうものなら山火事になりかねない。
    5701