とくになし 肌触りの良すぎるバスタオルはなんだかこれからする行為に似合わず使うことが躊躇われた。しかしそんなものはソルの感傷でしかない、白い布は身体の上を滑らせるとすぐに水を吸って重くなっていく。
空っぽの腹が気持ち悪い。長い髪から垂れる水滴を拭いながら小さく呻いた。浴室のドアを開けそのまま寝室へ向かう。床に脱ぎ捨てたはずの服は何処かへ消えている。
カイはベッドの上で待っていた。ラフな格好に着替え髪は一つにまとめている。間接照明の明かりの下で見るその顔はどこか別人のように見えて、だがこちらを見つめる青い目は確かにカイのものだった。
「顔色が悪いように見えるが」
「…ケツの中に何度も水を突っ込めばこうもなるだろうが」
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