秘められた共犯「どうしてこのようなことになっているのでしょう」
街灯がポツポツと灯る人気のない道を、ヴィクターはガストと並んで歩きながら呟いた。もうじき日付も変わるかというこの時間帯は昼間とは違ってとても静かだ。隣を歩く不良生徒の「はぁ」という微かなため息を横で聞きながら、ため息をつきたいのはこちらの方だ、と言いたい気持ちを抑えてヴィクターは前を向いたまま歩き続ける。特に目的地なんかは共有していないが、おそらく駅に向かっているのだろうと推測した。
「……悪かったよ、でもこうでもしねぇと帰れそうになかったから」
申し訳なさそうにそう言いつつ、どこか納得いかないような態度でガストはヴィクターへと視線を向けることもなく歩き続ける。その足取りはどこか重たい。
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