カンタロウは保護観察官として務めようと恋愛感情を殺して接していた
同居が終わったらナギリが一人でもちゃんと自立できるよう指導してきた
それに気づいたナギリは、
「お前が俺を捕まえたのに、お前の為に生きようと思ったのに、お前に必要とされなくなったら、俺には…もうッ、生きる意味なんてない、」
そう言ってみっともなく泣く
この先も一緒に暮らしていくのだと思ったのに、お前と会話が合わない事に気づいて、俺は何の為に掃除や料理を覚えたり金の使い方を学んだ?
全部、お前の為だったのに
お前は違った事が腹立たしかった、悔しかった、悲しかった
バレ前に、俺の助けが必要だと信じていた丸には大切な家族がいた。
俺の助けなんて、最初からいらなかったと知った時、俺は何の為にここにいるんだと思って苦しかった
もう、俺に人は斬れないし、丸を助ける事もできないなら、お前に、最後に花を持たせてやろうと思ってバラしたのに、お前は俺を殺さなかった
俺を捕まえて、俺にもう一人にならなくて良いんだと教えた
毎日が騒がしくて、お前が絶対に隣にいて、俺に笑いかけて、
お前のせいで、もう、一人で生きる事なんて考えられないのに、
お前と生きる事しか、考えられないのに、
もう、立ってられなくて、しゃがみ込んで、泣いた
「お前と、一緒にいたいのに…ッ」
そうか細い声で言った俺に、お前が突然覆い被さってきて、抱きしめられて、ごめんなさい、ごめんなさいって言うから、また苦しくなって聞きたくなくて
お前の腕でもがいて、でも馬鹿力の腕からは抜け出せなくて
そしたらまたお前は力を強めて…馬鹿は加減ができないのか?骨が折れるかと思った
「ごめんなさい、貴方が、そんな風に考えてくれてたなんて…気づかなくて、本官も、俺も、貴方とずっと、生きたいです、俺と一緒に生きてくれますか?」
震えた声で言ったお前は顔をあげて、ぐしゃぐしゃの泣き顔で見つめてきて
俺もきっとぐしゃぐしゃの顔で、
「お前と、一緒がいい」
って答えて、顔を見られたくなくて抱きついて顔をうずめた