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    チマメさんが描かれる猫のニキとマヨイが大好きなので、許可をいただいて書かせていただきました。
    人間の視点から見た猫ちゃんな二人みたいなお話です。

    素敵なイラストをいつもありがとうございます😻

    #ニキマヨ
    ##ファンフィク

    チマメさんちのニキマヨ猫ちゃん 猫を拾った。
     正確には居付かれた。

     庭先の隅、紫陽花の青い葉の影の下で灰色と黒色の毛玉のような猫が二匹、丸まって寝ていたり戯れていたりすることに気がついたのは2日ほど前だった。
     子猫というには大人びていて、成猫と呼ぶには幼さが残る。
     二匹だけでじゃれるのに夢中で、人が近寄っても逃げる素振りもしない。
     まるで二人だけの世界で遊んでいるような様子に出来心が湧いて、縁側に餌を用意したのがいけなかった。

     家主には露ほども興味を示さなかったのに、食べ物の匂いには敏感に反応した灰色の猫はすぐに餌鉢に駆け寄ると、ガツガツと気持ち良い勢いで中身を平らげていく。
     灰色の猫の様子を伺いつつも、寄り添うように黒猫も近寄ると対照的にちびちびと餌を食べた。
     それから二匹はこの家の中もテリトリーと定めたようで、外で遊んだり家の中で遊んだり、好きにすることを決めたようだった。

     二匹はだいたい一緒にいて、灰色の方が黒い方にちょっかいをかけては逃げられたり、かと思えば黒い方が灰色の方にすり寄って尻尾を絡めたり、二色が混じって玉になっているような遊びをよくしている。
     晴れた日の暖かい日差しが射す窓際で、ふんわりと柔らかく温められた毛布の上で寄り添って額を付け合わせ、団子になっている時が一番幸せそうに見えた。

     家の中と外を自由にするのを見かねて、風呂にも入れてみたのだが、その時は大変だった。
     散々抵抗したあげく、灰色の方を湯船につけると黒い方も観念したらしい。
     しおらしい態度で捕まえられた。
     入ってしまえば、水に抵抗は無いらしく、二匹とも泡や水に興味深そうにしていた。
     ただ、身体を拭いた後に、いつもの匂いがしないのがいやだったらしく、お互いが何度も身体を寄せ合って、すりすりと匂いづけをしているのを見た。
     その様子があまりにも必死なので、しばらくはもう風呂はいいかなという気持ちになったのだった。

     ある日、夢を見た。
     二匹が服を着て、少年と青年の間のような年齢の、人のような姿で遊ぶ夢。
     すらりと伸びた手足に、毛色と同じ耳と尻尾が生えている。
     遠くで笑い声のような、歌うような声が、聞こえた気がした。
     ただ楽しそうに、月光の下、庭先の青い芝の上で踊るようにしてじゃれる夢。
     お互いの耳元で囁き合っては、楽しくてたまらないというように笑い合っている。
     何を話しているのか聞きたいと身を乗り出したく思ったところで、現実の身体が重たくて目が覚めた。
     よく見ると身体の上に二匹が乗っかって、丸くなって寝ている。
     こんなところまで侵入を許したのは初めてだ。

     二匹の襟首を掴むと、いつもの寝床まで連れていき、寝室の扉を閉めた。
     夢の続きを見ることは叶わず、目覚めると腹が減ったと催促する灰色の猫の声がする。
     足元をするりするりと二匹の猫が8の字を書くように歩いて、自分たちの都合のいいように誘導していく。
     それが現金で憎らしく苦笑すると同時に、与えられることが当然だと幸せを享受する二匹に目を細めた。

     寄りそうように並んだ二匹はにゃあと鳴くと、また好きに戯れあっていくのだった。
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