hrpt+弟達グライダーで一緒にパトロールをまわってて、帰りに「今度から僕一人で行くから」って言われてしまい何故だ、邪魔はしてない、ってめちゃめちゃに抗議していたら聞こえるか聞こえないかの声量で「だって……僕ばかり浮かれてて……バカみたいじゃないか」と反論されしばし言葉の意味を理解する事ができなかったハリー
だけどそれも仕方がない。なんてったってハリーと一緒にパトロールしている時のピーターは、途中ビルの合間合間で休憩しつつもこの計算だと、あれはこういう構造だから、とかそういう話しかしない。
「なぁ、ピーター。もう少し違う話題とか無いのか?」
「え? 違う話題……っていうと」
「俺達に必要な事さ」
「……ああ! さっきの僕達のコンビネーションの事とか? 次はもう少し君に合わせた方が良いかな。それとも……」
「違う、違うんだよピーター、そういうんじゃなくて」
「? ──あ、はりー行かないと! 今度は2ブロック向こうからだ!」
「──ちくしょう」
なんて事だから、パトロールをデートだと思っているのは自分だけだと考えてしまうのも無理ない話。
「……ハリー? 聞いているの?」
ぼんやりしていると名前を呼ばれてハッとするハリー。怪訝そうな雰囲気を出す赤いマスクの下ではその表情は見て取れないが、自分の発言に耳はスーツと同じ色をしているに違いない。
「なあ、ピーター」
「何?」
「これが終わったら、スーツ無しで出掛けよう」
「え、ハリー?」
「デートするぞ」
って話を三男、次男に話しちゃう長男
「ハリーさんも大変だなぁ」
「兄さんにそんな回りくどい言い方するのが悪い」
「ええ、ピート、それって僕が原因ってわけ?」
「いいや、兄さんはちっとも悪くないさ」
でも今度からは僕も行かないと行けないな、なんて思ってる次男
デートにもついていく気しかない(その時は三男もついてくる)