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    古代if カイロスの誤作動って立派な事故だからアーモロートで検査入院くらいしてるよねというお話。アゼムはひろしイメージで。アゼエメと言い張る。
    登場人物:アゼム、エメトセルク、名もなき衛兵(モブ)

    エメロロアルス院にて(古代if①)首都アーモロートへと向かう街道。あと少しの距離でそこへ到着するというところで、赤い仮面をつけた青年は街道を守護する衛兵に声をかけられた。

    「アゼム様ちょうどよかった。ラハブレア様より伝言が」
    「えーっ?」

    十四人委員会の議長の名を出され、青年――アゼムは渋い顔をした。首都へ戻らずに次の任務へ向かえという指示が頭をよぎったためだ。
    しかし内容を聞いてアゼムは血相を変えて転送魔法を詠唱し始める。伝言を伝えた衛兵がまだ何か言っているが、聞いてられない。

    『エメトセルク様と創造物管理局局長が事故に遭い、現在エメロロアルス院に入院していると……』

    あの2人が事故?
    どういうことだ? 何があったんだ?
    詠唱が完了し、アゼムは目的のエメロロアルス院に到着した。受付へ駆け込み、2人の場所を問う。

    「あの、エメトセルクとヒュトロ……創造物管理局局長のいる場所は――?」

    アゼムの勢いに押され、受付の人間は戸惑いながらも2人の場所を教えてくれた。アゼムはまず、エメトセルクがいる病室へ駆け出した。部屋に到着し、ノックもせずに勢いよくドアを開け叫ぶ。

    「エメトセルク! 大丈夫か!?」
    「……お前、ノックくらいしろ」

    アゼムが部屋を見渡すと、ベッドいる仮面を外したエメトセルクの姿を確認できた。彼は上半身を起こし、背中に大きなクッションを当て、手には書類がある。アゼムはベッドに近づいた。

    「事故に遭ったってラハブレアから聞いたけど」
    「事故? ああ、まあ事故といえば事故だが……」

    エメトセルクはアゼムから視線を外した。

    「何があったんだ? ヒュトロダエウスも無事なのか?」
    「ヒュトロダエウスも問題はない。ただ、その」
    「?」

    エメトセルクが言い淀んでいる様子に、アゼムは少し違和感を覚えた。エメトセルクは少しだけ考えて、手に持っていた書類をサイドテーブルの上に置き、アゼムに椅子を勧めた。アゼムは腰を掛け、エメトセルクに説明を促す。

    「少し前に公務でエルピスに行ったんだが」

    エルピス。もちろん知っているし、アゼムも行ったことはある。創造生物の実験場だ。

    「そこでカイロス……カイロスのことも知ってるな?」
    「もちろん。記憶改変機構のことだろ?」
    「そうだ。そのカイロスの誤作動に巻き込まれてな。エルピスでの数日間分の記憶が全て消え失せてしまって……」

    エメトセルクは自嘲気味に説明するが、アゼムは深刻な表情になった。

    「記憶が? あれは人に対して使われないように規制されているんじゃなかったか?」

     確かその辺の権限は厳しく制限されていて、エルピスの所長のみが使用できたはず。

    「……お前なら話してもいいか……ファダニエルの後継の話で、その所長のヘルメスに私が会いに行っていたんだ。ヒュトロダエウスはその付き添いで一緒に来てもらっていて……巻き込んでしまって」

    エメトセルクが声を落とす。何だかんだ言って友人思いの彼のことだ。ヒュトロダエウスも同じ事故に遭わせてしまったことについて、エルピスにともに行ったことを後悔しているのだろう。アゼムは立ち上がってエメトセルクに近づき、彼を抱き寄せる。一瞬、自分の腕の中で彼が身を硬くしたのが分かったが、すぐに彼は自分に身を預けてきた。
    アゼムはエメトセルクの頭を優しくなでながら、友人の気持ちを彼に伝える。

    「ヒュトロダエウスは巻き込まれたなんて思ってないよ、絶対に。一緒にいてよかったって思ってる」
    「そう……だろうか」
    「そうだとも。……記憶以外、他は大丈夫なのか?」
    「ああ。特に外傷はない。明後日には帰っていいとエメロロアルスに聞いたところだ」
    「それなら安心だ」
    「ただやはり、カイロスで失われた記憶を元に戻すことは出来ないとエメロロアルスは言っていた。ほんの数日のことだが、やはり気分が悪くてな……」

    だから最初言い淀んだのか、とアゼムは納得した。
    しばらく大人しくアゼムの腕の中にいたエメトセルクだったが、

    「アゼム……1つ頼みがある」

    アゼムから離れ、真っ直ぐ彼を見つめ言った。

    「エルピスで何があったのか、調べてもらえないか」
    「過去視をしろってことか?」
    「そうだ。どうやらエルピスでは、私とヒュトロダエウスはヴェーネスと一緒に行動をしていたらしいんだ」
    「師匠と? え、師匠いまエルピスにいるの?」

    思いもよらぬ人物の名がエメトセルクから出てきて、アゼムは困惑する。エメトセルクは首を横に振って詳しくは分からないと言う。

    「我々は事故の後、すぐにアーモロートに戻ってきてしまったので、彼女と話をすることができなかったんだ。頼む、アゼム。エルピスで何があったのか、調べてほしい」

    こんな風に己の弱い部分を見せるのは、自分ともう一人に対してだけだと分かっているが、アゼムはエメトセルクを安心させるようにもう一度抱きしめる。

    「いつもと逆だな」
    「何?」
    「いつもは俺の方がエメトセルクに『お願い』って言ってるのに」
    「……偶には私のお願いも聞いてもらおうか」
    「うん。分かった。調べてくるよ。任せておいて。久しぶりにお師匠様にも会いたいし」

    了承してアゼムはエメトセルクを解放した。エメトセルクは少し休むと言ってベッドに身を倒す。

    「じゃあ俺、ヒュトロダエウスの方も様子を見てくるから」
    「ああ」

    布団の中から片手を出してヒラヒラ手を振るエメトセルクに挨拶をして、アゼムはもう1人の友人の元へと向かった。
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    DONE穏やかな攻めと男前受けガチャというマキリオにぴったりなお題からいただきました。6.1復興中あたりで、お付き合い始めたころ時間軸で。

    『体を繋げる関係になったというのになかなか自分に手を出してこないマキシマ。痺れを切らしたリオルは自分から押し倒して腰に跨るも、「そんなことをされると抑えが効かなくなります」と赤い顔で呟かれ思わず可愛すぎる…と頭を抱えるリオル』
    無題(穏やかな攻めと男前受けガチャより) お互いに想いを伝えて、毎日ずっと一緒にいられる訳ではないが、自然とどちらかの家で一緒に過ごすようにもなり、身体を繋げる関係にもなったというのに。リオルは最近の出来事を思い返し、小さくため息を吐いた。脳裏に想うのは正真正銘、恋人であるマキシマの最近の言動だ。いわゆる夜の雰囲気になりそうになると、何気ない言葉や態度でそれを遮られる。しかも何度も。要するに最初の夜以降、全くのご無沙汰なのである。

    (なんだ一体……ワザとか?)

     最初は偶然かと思ったが、こうも続くと偶然とは思えない。確実にマキシマは狙ってそういう行動をとっている。リオルは原因を探ろうとするが、考えられる理由は1つしかない。

    (ヤってみて、嫌だったってことだよな)
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    DONEマキリオ。時間軸としては6.0終わった後くらいのガレマルド復興地。仕事が終わらず家に持ち帰ってきたマキシマさんにリオルは…みたいなお話。各自で自分の部屋は貰ってて、主にリオルがマキシマさんところに通っている体で。切りよく落ちたのでここまでで。
    無題(マキリオ) どうしても明日までに処理しなければならない案件があり、マキシマは帰宅して食事をとった後も自分の部屋に籠って仕事を続けていた。
     いつもだったら夕食の準備も片付けも自身で行うのだが、今日はたまたまリオルが夕食の準備をしていてくれて、事情を知った彼が片付けも請け負ってくれた。
     マキシマはリオルに申し訳ないという気持ちもあったが、それ以上に感謝の気持ちを持って、とにかく仕事を早く済まそうと書類に目を通して処理を進める。が、進めるにつれて思った以上に時間がかかりそうだとマキシマは悟った。日が変わるまでには終えたいところだが……。

    「よお、どうだ? 調子は」

     軽いノックの後、リオルがコップを2つ手に持って部屋に入ってきた。マキシマは苦笑を浮かべる。それだけで厄介な案件であることがリオルには伝わったようで、持っていたコップのうち1つをマキシマ座っている仕事机の上に置いた。
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    DONEマキリオ。時期的には6.0クリア後くらい(特に決めてないです)。ガレマルド復興の地にて。ナチュラルに同棲してるっぽいですが単純に酒盛り&ゴニョゴニョした翌朝の一コマ。

    お題こちら。「受けが紋々するガチャ」から。
    『具合が悪いのを隠そうとしたリオルだが、マキシマには一発で見抜かれた。バツが悪いけど嬉しくて、マキシマの小言はあまり耳に入ってこない』
    無題(受けが紋々するガチャより)「あー……っ、痛ぇ」

     目覚めて身体を起こした瞬間、覚えのある痛みをリオルは感じた。そのままもう一度ベッドに沈み込み、痛みをちょっとでも抑えるようにこめかみを抑える。
     これは完全な二日酔いだ。昨夜そんなに飲んだだろうか。いや、昔はあれくらい普通に飲んでも翌日に残ることなどありはしなかったのだが……年は取りたくないものだ。

    「今日は休みだってのに……あーーー」

     それもアイツと示し合わせて休みにした手前、調子が悪いからなどど言って一日を寝て過ごすのも憚られる。同じ家にいるにしても、もうちょっと有意義に過ごしたいと思う。

    (ま、これくらいは何とでも誤魔化せばいいか)

     痛みを堪えて、リオルは今度こそ起きるべくベッドから身体を起こす。少しでも負担がないようにゆっくりと。その時、すでに起床していたマキシマが部屋に入ってきた。
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