夏まつり雑誌の撮影というものは発売時期を考えられて撮影されるから、アイドル雑誌に載るグラビアというものは軒並み季節を先取りされていることが常だから、まだ肌寒い時期に『夏まつりにUNDEADとデート』なんて言う企画だった。
その時に着せてもらった浴衣を俺はこっそり零くんの分も買取をして、クローゼットにしまっていた。
ESあげてのお祭りとあってみんな浮足だった様子でそれぞれ仲のいい人とお祭りに出かける、何を食べたいだなんて色んなところから聞こえてきて微笑ましい限りだ。
当の俺はというと予定はない。
相棒はすまし顔で共同スペースのソファに座ってブラックコーヒーを飲んでいた。
こちらもこちらで興味ありません、なんて顔をしているけれど本当はお祭りに行きたくて仕方ない。
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