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    Shsyamo🐟

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    Shsyamo🐟

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    🟡💜で片想いを書きたかったのですが起承転結に失敗したのでボツネタ。
    途中までと簡単な結末を晒します。

    隣の約束「・・・。」
    サニーは教室から窓の外を眺めていた。
    グラウンドには2年の先輩が体育でサッカーをしている。
    楽しそうな声が教室まで届く。

    「おーい、ブリスコー、話を聞け」
    「いてっ」
    パコン、と先生が丸く折り曲げた教科書でサニーの頭を軽く叩く。
    教室には生徒の笑い声があがる。

    仕方なく視線を黒板に移して、つまらない授業に意識を戻した。


    「サニーまた外見てたの?」
    「まぁね。─いただきます。」
    昼休みになると同じクラスのアルバーンが自分の席の前に座り、持ってきていたパンをかじる。
    サニーは鞄からお弁当を取り出すと両手を揃える。

    「いっつも弁当持ってきてエラいよな」
    アルバーンが2つ目のパンの袋を開ける。
    「んー・・・作ってもらってるから。」
    「そーなんだ。いいなぁ、俺なんて全部自腹だわ」
    「はは、本当に、ありがたいよね。」
    弁当箱の蓋を開けると、色とりどりの野菜たち。
    自分の好きな焼きネギや、プチトマト、卵焼き。

    「アルバーン少し食べる?」
    ぺろりと自分のパンを食べ終えてしまったアルバーンにおかずでも分けてあげようかと声をかけるが、彼はあからさまに嫌な顔をした。
    「うぇ、野菜はいらない〜」
    「野菜もちゃんと食べないとダメだよ。」
    「僕ちょっと飲み物買ってくる」
    そそくさとその場から逃げてしまった彼を横目に、お弁当に箸をつけた。

    甘辛いタレのついた焼きネギ。
    甘さひかえめのだし巻き卵とよく合う。
    白米にはおかかのふりかけがかけられている。
    このちょっとした心遣いも嬉しくて口元が緩む。

    もくもくと食べ進めているとアルバーンが帰ってきた。
    もうひとり仲間を増やして。
    「ん、浮奇、どしたの?」
    「ふーふーちゃんが体操着貸してくれない」
    しょんぼりと眉を下げて離す、隣のクラスの浮奇。
    「・・・は?」
    サニーは彼の言葉が理解できずに思わず聞き返す。

    「浮奇が使用済みのファルガーの体操着借りようとしたらしいんだけど断られたんだって」
    ドンマイ、と浮奇の肩を叩きながらこちらに説明するアルバーン。
    「いや、それはそうだろ。」
    確かファルガーのクラスは午前中に体育の授業があったはず。
    流石に汗もかいているだろうし、それを人に貸し出すのは自分であっても嫌である。
    「ふーちゃんの匂いがついてるのがいいのに・・・」

    浮奇は同性であるファルガーへの想いを全くもって隠すことをしない。
    むしろあからさま過ぎて浮奇の周りにいる人はそれが日常として見慣れてしまった。
    そのファルガーは彼からの好意を受け取ってはいるが、良い交友関係として線引きしているように見えた。
    浮奇も彼の嫌がる程のラインは超えないようにしているようで、なんだかんだで相性はいいんだなと感じた。

    そしてそんな関係を近くで見ているサニーは、ひっそりと浮奇の姿を少し憧れとしているのであった。

    「それに浮奇のクラス今日体育ないんじゃなかったっけ・・・」
    「え、そうなの?!」
    アルバーンが目を見開いて驚く。
    「何に使おうとしてたんだよ・・・」
    「え〜、・・・まぁ、ねぇ。ふふ。」
    浮奇は妖艶に笑うと、サニーの弁当箱に手を伸ばす。

    「あ!」
    最後に残しておいたお気に入りの卵焼き。
    あーん、と摘まれたそれは浮奇の口へと包まれた。
    もぐもぐとしばらく咀嚼すると、何かに気づいたように首をかしげる。
    「サニー、これ自分でつくってるの?」
    「いや?作ってもらってる」
    「・・・誰に?」
    「え、あ・・・」
    浮奇の鋭い視線に戸惑っていると休憩終了のチャイムが鳴り響く。

    「あ、もう戻らないと。じゃあね〜」
    浮奇はひらひらと手を振って自分のクラスへと戻っていく。
    「俺たちも次移動教室だから急がないと!」
    「うん、そうだね。」
    サニーは空になった弁当箱を片付けて、教室を後にした。


    放課後。
    帰り道が反対のアルバーンとは校門でまた明日と手を降って別れた。
    一人で静かに帰路につく。

    玄関に靴は一足も並んでいない。
    「ただいま。」
    返事などかえってこない空間にも、律儀に挨拶を。
    ただ、癖になっているだけだが。

    綺麗に並べられたスリッパには足を通さず、靴下のままフローリングを歩く。
    一番にキッチンにたどり着くと鞄から弁当箱を取り出す。
    シンクに水を流して、スポンジに洗剤を含ませる。
    弁当箱につけた泡を洗い流すとプラスチックがキュッと音を鳴らした。

    「・・・よし。」
    水滴を綺麗に拭き取って、弁当箱を紙袋に入れる。
    一口水を飲もうと思って冷蔵庫に目をやると、扉に磁石でつけられたメモを見つけた。

    [おかえりなさい。冷蔵庫にケーキがあるので食べてください 母より]

    冷蔵庫の中を確認すると、そこには白い箱が冷やされていた。
    取り出して中を確認すると、モンブランがひとつ。
    そっと箱を閉じて、それも弁当箱と同じ紙袋の中にいれた。

    学校の鞄はそのまま床に置いたまま、紙袋を持って玄関に戻る。
    靴を履き、家の外へ出る。
    鍵をかけずにそのままサニーが向かった先は、隣の家だった。

    ピンポーン

    インターホンを押す。
    機械からの声は返ってこず、あれ、不在かな?と思ったその時、扉がカチャリと開いた。
    「サニー。おかえり。」

    扉の向こうで声をかけるのは、艷やかな黒紫色の髪の男性。
    その綺麗な顔立ちと少し長めの髪の毛が中性的に美しいが、引き締まった身体と筋肉質な二の腕が男らしさをも物語っていた。

    「シュウ先輩、こんばんは。」
    「その先輩って言うのいい加減やめてほしいんだけど。」
    んへへ、と笑う顔もまた可愛らしい。
    ちらりと見えるピンクの舌に、サニーの胸がドキリと高鳴った。

    「これ、今日もお弁当ありがとうございました。美味しかったです。」
    持っていた紙袋をシュウに差し出す。
    「洗わなくてそのままでいいのに、いつもありがとね。・・・あれ?なんかはいってる」
    シュウは紙袋の中に弁当箱以外の物が入っていることに気づく。

    「あ、先輩モンブラン食べられますか?」
    「え!うん!」
    ぱあぁ、とキラキラ瞳を輝かせるシュウ。
    どうやらモンブランは彼の好みだったようだ。

    「母が買ってきていたようで。よかったら食べてください。」
    「サニーは食べないの?」
    「あ、はい、大丈夫です。それにいつもお弁当作って頂いてるので・・・。」
    「んはは、僕が勝手にしてるだけなのに。まぁでもそしたらありがたく頂戴するね!」

    ニコリと笑うシュウを見て、またしても鼓動が速くなる、と共に、寂しさが募る。

    「先輩、まだ学校来ないんですか?」
    「あー・・・んー、まあね。」

    目の前にいるのは、隣の家に住んでいる、ひとつ年上の彼。
    名前は、闇ノシュウ。
    同じ学校に通っているはずなのだが、今は不登校でこうして家に籠もっている。


    シュウは学校の授業があまり好きではなく、自主勉強でしっかり成績を上げているものの出席はかなり少かった。
    サニーがそれを知ったのもたまたま職員室で先生が闇ノの出席が足りない、と話していたのを小耳に挟んだのがきっかけで。
    それを知った日に、晩御飯のお裾分けに隣の家を訪ねると、そこにシュウが迎えてくれたのだ。

    「先生が出席足りないって言ってましたよ。」
    シュウの進級に関わるかもしれない、と今日聞いた事実を本人に伝えると、彼はあはは、と声を出して笑った。

    「いいの、僕には学校はちょっと息が苦しい。とくに友達も居ないしね。」
    寂しそうに笑うシュウ。
    強制はしたくないが、学校に友達でもいればきっともっと楽しくなるだろうに。
    「・・・友達ができると、楽しいこともきっとありますよ」

    「じゃあ、サニーが友達になってよ。そして、僕の代わりにお弁当を持っていって。」

    こうしてサニーは、毎日シュウに弁当を作ってもらい、それを持っていくのだった。



    *ちからつきました*


    サニーはシュウに学校に行ってほしいと思いながら、自分だけが彼と接点があることに少し優越感を感じていた。それが無意識に恋心に変化する。
    浮奇は実はシュウの従兄弟で(母親が姉妹)、卵焼きの味付けが一緒だったので驚いた。

    サニーのおかげで学校に通うようになったシュウ。
    グラウンドを見るとシュウが楽しそうに体育の授業に参加している。
    「こら、話を聞け。」
    パコン、と教科書で頭を叩かれる。
    それでもサニーの視線が黒板に移ることはしばらくなかった。


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