ふたりの間シュウ、ミスタ、光ノ、リアスで一緒に住み始めて、もう数ヶ月が経とうとしていた。
大きなベッドで一緒に寝ようと言い出したのは誰だったか。
たしかシュウだったはず。
ミスタもリアスも、夜はふたりっきりで甘い時間を過ごしたいタイプで、光ノに関しては恥ずかしくてあまり乗り気ではなかったのだが。
みんなで寝たほうが楽しいよ、とかわいい笑顔でいうもんだからぐ、とのまれるミスタ。
光ノも、闇ノがそういうならと頷いた。
光ノが許すなら、とリアスも許可をした。
それが決まれば家の大掃除。
物置になっていた一部屋を綺麗にして4人の寝室へと姿を変えた。
ベッドを注文したのはミスタとリアス。
届いたのはキングサイズが2つ。
でっかいほうがいいだろ、と言う彼らに、流石に加減があるだろうとシュウと光ノはため息を付きながら笑った。
それに眠るのも慣れてきた頃。
今日は4人で遊園地に遊びに行った。
たまたま光ノが商店街の福引でペアチケットを2枚分貰ってきたのがきっかけだった。
みんなで遊びに行くなんて!とシュウと光ノはふたりで目を輝かせて笑っていた。
そして、帰ってきてミスタ、シュウ、光ノ、リアスの順に大きなベッドで眠っている深夜。
暗闇からぽつりと声がする。
「─闇ノ、起きてますか?」
「んふふ、うん、おきてる。」
隣にいるミスタとリアスは軽くイビキをかきながら眠っている。
彼らを起こさないように、ゆっくりと近づくシュウと光ノ。
「今日は、楽しかったですね。」
「うん、楽しかった!光ノともゆっくり遊ぶの久々だったもんね。」
「それにしても、ミスタと居るときの貴方は本当に幸せそうでしたよ。」
「何さ、光ノだってリアスと手繋いだりとかしてたじゃん。」
「見てたんですか・・・?」
「んへ、見えちゃっただけだよ。」
ふたりはおでこをくっつけるようにして距離を縮める。
そっと触れる指先にどちらからともなく軽く手を繋ぎあった。
「ミスタは、闇ノに本当に甘いんですね。」
「まあね、お願いしたら結構なんでも手伝ってくれるし。」
「アイスも、闇ノは何もいってないのに食べたいんだろうって気付いてました。」
「ほんと洞察力がすごいんだよミスタは。でもリアスだって本当は苦手なジェットコースター何回も付き合ってくれてたじゃん。」
「無理はしてほしくないんですけど・・・何回も途中で一人で乗りますと言ったのに、ダメだって最後まで付いてくるんです。」
「ははっ、せっかくのデートなのに光ノを一人にしたくなかったんでしょ。」
だんだんと更に小さくなるふたりの小声。
「・・・ほんとうに、たのしかったです」
「うん・・・また、いこうね、ひかりの」
「はい、やみのと、いっしょに・・・」
そのまま体を寄せ合いながらすやすやと夢に包まれるシュウと光ノ。
部屋にまた静寂がやってくる。
「─おい。」
「なんだよ声出すなよシュウが起きるだろ」
「お前も起きてたんだろ」
「クソッ、可愛すぎる。」
「はぁ・・・今すぐ抱きしめたい」
「俺だってそうしたいけど!」
「・・・こんな光ノの嬉しそうな姿久々に見た」
「お前不器用だもんな」
「バカ、コイツが素直じゃねーんだよ」
「まぁ、お互い様ってやつ?」
「でもこんなに喜んでくれるなら・・・また4人で遊んでやっても、いいかな」
「ふはっ、その言い方も素直じゃねぇな。」
「とりあえず明日は風呂が被らないように注意だ。」
「おーけー。」
暗闇で鋭い水色が交差して、ゆっくりと消えた。