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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    一度は書いてみたかった寿命ネタ。
    自分が死んだときになんて言い残すのか考える🦊と、その答えに納得いかない👹の話

    忘失「俺は忘れて欲しいけどなぁ」
    「は?」
    忘れて欲しいという言葉が出たのは、ヴォックスと2人並んで映画を見ている時だった。内容はよくある悲恋物語。異種族に恋した娘が彼を置いて死んでいくことを悲しんで、
    “私を忘れないで”
    と懇願して彼に一生解けない呪いをかけて死んでいくシーン。俺だったら何て言うかなってふと思ったんだ。ヴォックスは鬼だから、きっと俺より長く生きる。俺がヴォックスを置いていくことはあれど、ヴォックスが俺をおいていくことはない。なら俺は映画の中の彼女と同じ。なら俺はどんな呪いをかけて死のうか考えた時、出た結論は映画とは真逆の“忘れて欲しい”という言葉だった。
    「待て、ミスタ。その言葉は恐らく映画を受けての事だと思うが、お前は俺に忘れてもらいたいのか?」
    「うん、まぁ、そうかも」
    だってそうだろう。一生俺の事を忘れず、俺に捕らわれたままでいてくれなんて。そんな強欲な願いを、俺がしていいわけない。ヴォックスは魅力的だ。料理もできるし、思いやりもある。なにより愛情深い。きっと俺が死んだら悲しんでくれるだろう。でもずっとそのままでいて欲しくない。今は俺なんかに捕まってるけど、本来だったらもっといい人と付き合うべきなんだ。例えばおっぱいも尻もデカくて、配信にも理解があって、でもきちんとヴォックスと甘えたり甘えられたり出来るような綺麗な女の人。なのに俺が、俺を忘れないでなんて呪いをかけられるわけないじゃないか。
    「お前が何を考えているかは分からんが、俺はお前が死んでも忘れないぞ。忘れられるわけがないだろう」
    「は?」
    なんかとんでもないことを言い出したんだけど、こいつ。俺が言葉の意味を理解できていないことに気づいたのか、ヴォックスは深いため息をついた。
    「お前は自覚が足りないな。400年生きた鬼を、ここまで人たらしめたのだ。お前を好いている気持ちも、死んだときに後を追いたくなるような寂寥感も全てがお前が俺に植え付けたものだ。それなのに、簡単に忘れるなどというなよ。鬼の執着を舐めるな。天国だろうが、地獄だろうが、地の底まで追いかけて捕まえてやる。来世も俺に捕まえられる覚悟をしておけよ」
    “来世まで”
    俺が今世ですら不相応だと思っているに、こいつは俺の来世まで捕まえる気だったらしい。なんだが拍子抜けして、フッと笑いが込み上げてくる。
    「もし俺が逃げたらどうするの?嫌がったら?」
    「そうなれば、お前が“YES”というまで教え込むだけだな」
    しれっと恐ろしいことを言い放つ。どうやってYESと言わせるのかなんて、藪蛇をつつきそうで恐ろしくて言えない。クッションを抱え込み、ヴォックスから顔を隠すように丸くなる。そこまで愛されていたなんて思っても見なかったし、なんだか頬が緩んでいくような気がする。
    「なぜ顔を隠す。俺の真剣な言葉に対する返事はないのか?」
    クッションごとを俺を抱き上げ、膝の上に乗せるヴォックス。ちらと目線を上げれば、からかうような目をしていながら、その奥はお母さんから返事を待つ子供のようだった。すっかり人間らしくなった恋人の姿に、クッションを放り投げ首元に抱きつく。
    「俺が生まれ変わる間に浮気なんてしやがったら許さないからな。片時も俺の事忘れるなよ」
    “忘れて欲しい”なんて言ったことは、撤回しよう。俺の事を一生愛して、いない間も愛して、生まれ変わっても愛してくれなきゃだめだ。さっきと全く違うことを言い出した俺に、満面の笑みを浮かべたヴォックスは俺に囁いた。
    「もちろん。俺が死ぬまで片時も忘れず、お前を愛してやるさ」
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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