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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    👹🦊で死ネタというか寿命ネタ

    Special thanks SEEさん、黒猫さん

    呪いヴォックスはミスタと付き合い始めてから、無意識に俺はこいつと共に死にたいと願うようになっていた。自分の寿命はミスタが死んでもなお続くことは分かっていた。それでもミスタが自分の腕の中から消えることを想像するだけで、体の半分をえぐり取られるような痛みを感じる。400年生きた中で、ここまで心乱され魂を捕えて離さなかった人間はミスタしかいない。だからこそヴォックスはひっそりとミスタが死んだあと、自ら命を絶つことを決めた。彼の居ない世界に未練なんぞ、あるわけがない。

    「胃がんです。全身に転移しているので、余命は1年ほどかと」
    医者の言葉にヴォックスは視界が真っ白になった。なぜミスタなのか、もっと早くに気づくことが出来なかったのか。ぐるぐると頭の中で考えが回り続け、ヴォックスはろくに医者のその後の話を聞けていない。逆に1年という余命を宣告されたミスタはあっさりとした様子で分かりましたと言っていた。
    「ヴォックス、俺たちの家に帰ろう?」
    ミスタは黙ったまま立ち尽くすヴォックスの手を包み込むように握る。それにヴォックスはどうしてそんなに冷静なんだと言い返したかったが、結局ロクな言葉は出ずにハクハクと口を動かすだけだった。
    何とも言えない沈黙で満ちた帰りの車の中。右折のためのカチカチというウィンカーの音だけがやけにうるさく響く。
    「死ぬまでヴォックスと一緒にいたいな」
    そう静かに呟いたミスタ。ヴォックスはそうだなぁと呟いて、車はまた静寂に包まれた。

    ミスタに残された1年間、何をするにもヴォックスとミスタは一緒だった。その中でシュウやルカ、アイクの所にも遊びにも行った。アポイントを取らない2人の来訪に、3人は驚いたような顔をして出迎え、ミスタが彼らに会いたかった理由を知り悲しみに暮れた。
    「急にきてごめん。でも死ぬ前に皆に会いたかったんだ」
    そんないじらしい言葉を聞いた3人ともめいっぱいミスタの事を抱きしめた。そんな風にミスタが死ぬ前にやりたいことを一緒にやっていく中で、ヴォックスはミスタが死んだら自分も死ぬのだという気持ちがどんどんと強くなっていた。そしてヴォックスがひっそりと決めた決意を、聡いミスタは分かっていたらしい。

    「俺が死んでも、ヴォックスは生きて。俺と一緒に過ごした思い出を抱えて、俺がいたってことをずっと抱えながら生きてよ」
    彼の魂が死神によって刈り取られるその瞬間、ヴォックスの腕の中で、眩いほどの笑顔を浮かべながらミスタはヴォックスに“呪い”をかけた。
    それは愛する者を失う寸前のヴォックスにとっては、優しく、そして何よりも辛い言葉だった。ミスタの言葉は、ヴォックスを愛する者がいない世界に縛り付けるもの。ヴォックスはその満月のような瞳から一筋の涙を流しながら、首を横に振った。
    「そんなこと、出来ない…」
    「できるよ、だいじょうぶ」
    「嫌だ、いかないでくれ、ミスタ…!」
    駄々をこねる子供を見るような目でヴォックスを見たミスタは、震える手でヴォックスの涙を拭った。ミスタはわがままであることは分かっていたけれど、それでもヴォックスに彼の生を全うして欲しかった。自分の後を追うなんてことは、もってのほかだった。
    「おねがい…」
    そう消え入るような声で最後に願ってミスタは、あっさりと死んでいった。彼のビー玉のような蒼い美しい瞳から光が消えていく瞬間、ヴォックスは声にならない悲鳴を上げた。ぽたぽたとヴォックスの涙がミスタの頬を濡らしても、ミスタが反応することはない。ヴォックスは2人の寝室で、ミスタの体から体温がなくなるまでずっと抱きしめていた。

    とある冬の日、ある鬼が世界でひとりぼっちになった。

    ミスタがいなくなってからのヴォックスは魂の抜けた、ただのロボットのようであった。生きるための必要最低限の食事と睡眠だけをとる生活。ミスタが生きていたころのヴォックスを知る人物が今の彼を見たらさぞ驚くであろう。それくらい彼はやつれみすぼらしくなっていた。2人で暮らした家は埃が積もり、庭も雑草が伸び放題であった。2人で暮らしていたころの幸せで満ちていた空間からほど遠く、孤独と静寂に満ちていた。
    そんな彼を立ち直らせたのは、彼とミスタをよく知るLuxiemの3人だった。ミスタの葬式以降、メッセージにも電話にも出なくなったヴォックスを心配した3人はミスタとヴォックスの家に突撃することを決めた。家の扉には不用心にも鍵がかかっておらず、ヴォックスが死んでいるのではないかと心配した3人はバタバタと足音を立てて家の中に入った。そしてリビングで、抜け殻のようなヴォックスを見つけたのである。
    自分しかいないはずの家で物音がしたような気がして顔を上げた3人ヴォックスは、焦ったような顔でこちらを見る3人にきょとんとした顔になった。
    「どうして君たちがいるんだい?」
    何も分かっていないようなヴォックスに、アイクはつかつかと歩み寄った。そしてヴォックスの頬に綺麗な平手打ちをかました。
    「しっかりしなよヴォックス」
    「は?」
    「ミスタが死んでショックなのは分かる。それでもヴォックスは、生きなきゃいけないんだよ」
    「ミスタのいない世界に意味はない」
    どこか怒りをにじませたような声色でヴォックスを諭すアイク。それが今のヴォックスにとっては面倒で仕方が無かった。
    「ミスタは、ヴォックスに生きて欲しかったから最後にああ言い残したんでしょ。愛するミスタの願いを叶えてやらない訳?」

    実はアイクは生前ミスタから手紙を受け取っていた。その手紙にはどうかヴォックスを見守って、助けて欲しいと書いてあった。俺の後を死にそうだからアイクが叱ってやってよと癖のあるミスタの字で書かれた文章を読んだとき、アイクは頭を抱えた。これをどんな気持ちでミスタは書いたのだろうか。愛する人物を自分以外の誰かに託すことがどれだけ辛かったか、そして愛する者に置いていかれてもなお生きなければいけないヴォックスの悲しみと孤独はどれほどか考えるだけでアイクは頭が痛くなりそうだった。ヴォックスとミスタの友人として、どうするのが正解なのか。
    「全く、困ったことを言ってくれるよ…」
    “こんなことアイクにしか頼めないからさ。俺の最後のお願いきいてくれるって信じてるよ”
    こういう所は無駄に頭が回るのがミスタのいやらしいところだった。こんなことを書かれてアイクが断れるわけがない。はあとため息をついて頭を掻きむしったアイクの瞳には強い光が宿っていた。

    ズキズキと心に刺さる言葉を投げかけてくるアイクに、ヴォックスはただ首を振るしかなかった。
    「分かってる、分かっているさ…」
    「分かってるなら!」
    「だが!俺のこの孤独はどう埋めればいい?俺は何のために生きればいいんだ!」
    心の内を吠えたヴォックスにゆっくりと近づいてきたのはルカだった。
    「覚えておいてって言われたんでしょ。なら覚えてなきゃ。死んだやつを覚えていて、こんなやつがいたんだよって話せるのは生きている俺たちにしかできないんだから」
    「ルカ…」
    「なんのために生きるのかって?そんなの死んでいったやつを覚えて、彼らが生きていた証を残すためだよ」
    マフィアのボスとして多くの者を看取ってきたルカの言葉は、ささくれたヴォックスの心に染み渡った。
    「まずは泣こう。そして、生きるんだ」
    ルカの言葉はアイクよりもシンプルで、けれどさらに力を持っている。気づけばヴォックスがミスタが死んだ日以降流さなかった、涙を流した。3人はヴォックスが泣き出したことに気づくと、手のかかる子供を持つ母のように笑い、ぎゅっとヴォックスを抱きしめた。ヴォックスの寂しさを少しでも埋められるように。

    鬼は仲間たちのおかげで、1人じゃなかったことを思い出した。

    そうして3人のおかげで立ち直ったヴォックスは、それ以来ミスタが生きていた時と変わらない生活を送った。時折体をえぐり取られるような孤独を感じることがあっても、ミスタが残した呪いを、記憶を思い出して生きた。悲しみと寂しさを抱えながらの生活の中でヴォックスは、ミスタの配信を見ることにした。理由は声の記憶が一番最初に無くなることを知ったからである。配信を見ることで、ミスタの声の記憶を持ち続けようとしたのだ。デビュー配信から、コラボ配信、節目の記念配信など全てに目を通す。その中でそう言えばこんなことがあったなぁと一緒に過ごした楽しかった記憶が波のようにやってきて、ツキンとぽっかり穴の開いた心が痛む。その痛みは何度経験しても慣れるものではない。しかしミスタがいたから胸が痛むのだと考えれば、ヴォックスはまだ生きられるなと感じた。
    しかしそうやって忘れないようにしてもミスタがヴォックスにしか聞かせなかった、蕩けるような甘い声だけはどんどんと記憶から消えていく。配信じゃ聞けない、生のミスタからしか聞けないあの声。もうヴォックスの脳内にかすかになり響くだけになってしまった時、いつかこれも忘れるのだろうかとヴォックスは思った。久しぶりに酷く心が締め付けられる。
    「ミスタの居ないこの世界こそ、地獄だな」
    誰もいない部屋で、ひっそりとヴォックスは呟いた。パソコンからは、ミスタの声だけが響いていた。

    そうやってミスタが生きたことを抱えながら、何年生きたかも分からなくなるほどヴォックスは生きた。その長い旅路の中でヴォックスはルカも、シュウも、アイクも看取った。彼らは全員80を超えても元気で、こいつらは死なないんじゃないかと思えるほどだった。それでも皆ぽっくりと老衰で逝った。しわくちゃになった彼らの手をしわのないヴォックスの手が包む。その差がヴォックスに自分が人外であり、この先も生が続くことを予期させた。最後のアイクを看取った時には、ヴォックスはもういいのではないかと心の片隅で思った。
    「ダメだからね。僕たちがいなくなってもちゃんと生きて」
    聡いアイクから、改めて言われた時にはヴォックスは苦笑を浮かべて頷いた。どうやら彼らはヴォックスが自ら死ぬことを許してはくれないらしい。
    「分かっている。君たちがいたこともきちんと覚えて生きるさ」
    「ならいいよ。先に行ってミスタに会ってくるね」
    そう言ってアイクは穏やかな顔を浮かべて逝った。それを見届けた後ヴォックスは久しぶりに泣いた。

    そうして鬼は、本当に世界でひとりぼっちになった。

    遂に本当にひとりぼっちになったヴォックスは、その後も何百年も生きた。多くの人の子らの生き死にを見守りながら、ミスタとの思い出を抱えながら生き続ける。それは永く孤独な時間だった。
    そしてついにヴォックスにも終わりの時が来る。ヴォックスは自分が死ぬことを悟った時、やっと死ねると思った。ミスタの呪いは、愛しく、惨たらしいものだった。この呪いが無ければヴォックスは早々に命を絶って、ミスタとふたたび会えていただろうに。長い長い時の中で何度死のうと思ったか分からない。それでも踏みとどまり続けたのはミスタの呪いと、アイクやルカ、シュウの言葉のおかげである。それでも自分の死を待ち望んでいたから、ヴォックスは死ぬのが怖くなかった。死神が鎌を持ち上げたのが分かり、ヴォックスはゆっくりと目を閉じた。
    “やっとミスタに会える…”
    彼が目を閉じて死ぬその瞬間まで想っていたのは、ミスタのことだった。

    ヴォックスは気づくと、真っ白な世界にいた。初めて来る死後の世界とはこんなにつまらないものなんだなと思いながら、彼は真っ白な空間を歩き続ける。どこに向かっているのかは分からなかったが、何故かヴォックスの足は勝手に動いた。どれくらい歩いたかは分からなくなった時、目の前にずっと思い続けた存在が立っていた。
    「ヴォックス」
    声を聞いた瞬間ヴォックスは走り出して、目の前のミスタを力強く抱きしめた。久しぶりに嗅ぐ彼の匂いは、ヴォックスの無くなった記憶を容易に呼び戻す。
    「ごめんね。俺の自己満足でヴォックスを縛り付けて」
    「いい。今こうして会えたんだから」
    「ふふ。そっか。ありがとう」
    ミスタの忘れたくなかったのに忘れてしまった蕩けるような甘い声は、ヴォックスの涙腺を簡単に崩壊させた。
    「アイク達に怒られた」
    「俺もだよ。お揃いだね」

    ミスタはどれだけ白い空間にいるのか分からなくなるほど、1人でヴォックスを待ち続けた。寂しかったけれど自分の我がままでヴォックスを縛り付けたのだから、文句は言えないことも彼は分かっていた。だから膝を抱えながら待ち続けた。
    ある時シュウが白い空間にやってきた。ポンポンとミスタの肩を叩いたシュウは、ミスタの記憶の中と同じ笑みを浮かべていた。
    「久しぶり」
    「うん、久しぶり」
    2人で肩を並べて座っていると生きていたころと変わらないふわふわした気持ちにミスタはなった。
    「ミスタ、僕は君に怒ってるんだからね」
    そう言ってシュウは話し始めた。呪術師として鬼を呪った時の危険性は考えなかったのかとか、1人の友人としてヴォックスを置いて行ってそのままなのはいかがなものなのかとか諭すような口調でミスタは怒られる。怒鳴るのではなく諭すところがシュウらしいとミスタは思った。
    「ごめん、でも俺はヴォックスに死んでほしくなかったんだ」
    ミスタがそう言うと、シュウは深いため息をついた。
    「分かってるよ。ミスタがどんな気持ちでヴォックスに呪いをかけたかなんて。でもね呪いをかけるなら、もっとヴォックスと話し合うべきだったと思うよ」
    正論を言われてしまえばミスタは黙り込むしかない。そんなミスタを見てシュウは困ったように笑って、ミスタを抱きしめる。
    「まぁそれはヴォックスがここに来てから喋りなよ。君たち2人は言葉が足らなさすぎるから、話すことはいっぱいあるでしょ?」
    「うん‥‥」
    ミスタが返事をすれば、シュウはもうこの話はおしまいと言って立ち上がった。
    「シュウ?」
    「この後来るはずのアイク君とルカ君にも怒られるんだよ。僕は先に行ってるから」
    いかないでという言葉がミスタの喉までやってきたけれど、堪えるようにミスタは頷いた。それを確認してシュウはうふふと笑って、歩いてどこかに行ってしまった。
    シュウがいなくなった後、ルカとアイクもやってきてはミスタを叱った。優しい彼らは、ヴォックスとミスタの事を想ってミスタを叱ったのだ。叱った後シュウと同じように彼らもまた笑って、歩いて行ってしまった。また1人になるのは寂しかったが、それでもミスタはヴォックスをずっと待っていた。

    だからこうしてヴォックスの腕の中に閉じ込められて1人じゃないんだと実感しても、ミスタは寂しかったと愚痴をこぼさずにはいられなかった。その言葉に、ヴォックスは俺の方がと言いたかった。だがしかしこの真っ白な何もないところでいつ来るかも分からないヴォックスを待ち続ける時間のはてしなさを考えると、ヴォックスは何も言えない。何も言えない代わりに、これからは1人じゃないんだぞと伝わるようにミスタのことをめいっぱい抱きしめる。
    ぎゅうぎゅうと抱きしめ合いながら、2人はずっと話をした。会えていなかった数百年の思い出話をした。何もない白い空間だけれど、ミスタがいるというだけでヴォックスにとっては天国に思える。そうして2人でずっと話したあとは、手を繋いで歩いた。歩いた先に何があるのかは2人とも分からなかったけれど、ヴォックスもミスタも2人なら大丈夫そう思っていた。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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    hichiko

    DOODLE
    まんが1について
    設定画等に特にヒスイの人が革製品を使っているとは書いていないですが、キャプテンや集落の人の手袋や鞄は革らしく見えることと、サブウェイマスターのあの靴は革だろうな……という想像から、革の話になっています。でもサブウェイマスターの靴はもっと特殊な素材かもしれないな……二次創作はかもしれない運転だ……。かもしれないけどこういうのもありでしょう運転だ………。
    皮革を生活に使ってるよねという想像は、どうやらシンジュやコンゴウの人たちの暮らしは世界各地の色々な北方民族の暮らしをモデルにしてるのかな?と思ったところから出てきました。フードつきの服を着ていたり、テント風の家に住んでいたり、国立民族学博物館を訪ねた時にモンゴル展示で見たストーブとほぼ同じものが家の中にあったりするので。ポケモンや他の動物(そもそもポケモン以外の動物いるのかもよく知らないですが)を家畜として集落周辺で飼っている気配はないので、狩猟に出たり植物を採集してきたりして暮らしてるんだろうな、罠仕掛けてるみたいだし。突如そういう生活を送ることになったノボリさんは知らないことだらけで生きていこうとするだけでも周りのいろんな人から学ぶことがたくさんあったのでしょうね。
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