Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 54

    Lei

    ☆quiet follow

    家/入/レ/オさんの曲をテーマに書いた👹🦊

    未完成「ごめん」
    伝えたい相手がいない部屋に向かって、1人呟く。しんと静まった空間に俺の言葉だけが響いて、それが妙に哀しさを呼び寄せた。
    “俺がこう思う資格なんて無いのにな”
    センチメンタルになっている自分に乾いた笑いが出る。このままこの部屋にいたらせっかくついた決心も揺らぎそうだと思い、振り切るように荷物を持って部屋を出た。
    「俺のことは忘れて、生きて」
    それが俺のたった1つの望みだから。

    ヴォックスから離れようと思ったのは、自分の中に到底抱いてはいけない所有欲と独占欲があることに気づいたからだ。物や人に対しての欲求は弱い方だと思っていたのに。
    「ミスタ」
    俺のことを呼ぶヴォックスの声が好きだ。
    「好きだ」
    愛を伝えてくる時の、蕩けるような黄金の瞳が好きだ。
    「いい子だ」
    褒めてくれる時の優しく頭を撫でる手が好きだ。
    それが自分以外の誰かに向けられている時、自分の中で激しく燃え上がる激情に気づいた。俺は俺が怖くなった。
    ”このままじゃ自分を抑えられなくなる“
    ヴォックスを縛り付けることも、他の誰かを傷つけることもしたくはない。
    「いっそ俺の存在ごと、世界から消えられたらいいのに」
    でもそんな事はできないから。だから俺は、ヴォックスの前から消えることを決めた。

    必要最低限の荷物だけを持って、家の鍵とヴォックスが贈ってくれた揃いの指輪と手紙を置いて、俺はヴォックスの元から去る。愛する人との別れなんて辛いことのはずなのに、涙は1滴も出ない。ヴォックスは泣いてくれるかな。
    「愛してるよ」
    愛してるからこそ、俺はお前を捨てるべきなんだ。
    “何処にいても、俺はお前を愛してる”

    ***

    帰宅した時、家にいるはずの恋人の出迎える声が聞こえないことに何故だか異様に焦りを覚えた。急いで扉を開けてリビングに向かうと、机の上に何かが置いてあるのが目に入った。そっと机に近づけば、自身の左の薬指にはまっているものと揃いの指輪と鍵、1通の手紙が置いてあった。震える手で、手紙をひらけば癖のある見覚えのある字が並んでいた。

    ヴォックスへ

    ごめんね。何も言わずに消えて。
    誤解のないように言いたいんだけど、お前が悪いわけじゃないんだ。
    俺が弱いから、俺が誰かを傷つける前に、お前を縛り付けてしまう前に。
    俺はお前の前から消えなくちゃいけないんだ。
    ずっと一緒だよって言ったのにね。嘘つきって怒ってもいいよ。
    俺のことをもう思い出さなくてもいい。むしろ忘れて欲しい。
    俺の願いはお前が幸せになることだから。
    傷つけることしかできない俺が、お前を愛しちゃってごめんね。
    もう自由だから、もっといいやつと付き合ってよ。

    ミスタ

    「馬鹿だ。ミスタ、お前は特大の馬鹿だ」
    ポタポタとこぼれ落ちる涙が手紙に落ちて、文字が滲んでいく。それを見つめながら自分の目の前から消えた恋人に対して、恨みごとを呟かずにはいられなかった。忘れることなんて出来るわけないのに。お前と共にいられたことで、長年の寂しさを埋めることが出来たのに。
    「馬鹿なのは俺もか」
    愛する恋人が悩んでいることにも気づけなかった。ミスタに不安定なところがあるのも、自己肯定感が極端に低いことも知っていたのに。
    「俺がお前を追い込んだ」
    愛してごめんは自分が言うべき言葉だ。楽しかったから浮かれていた。ミスタと過ごす日々は眩しいくらいの楽しさに満ちていたから。
    「無責任に愛してごめん」
    謝罪はミスタに届かない。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏💕💕💕😭🙏🇱😭😭😭😭😭👏👏👏👏🙏🙏🙏😭😭💖😭🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
    1088

    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

    recommended works