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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    POIPOI 54

    Lei

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    前に書いたセンチネルバースの続きです
    ちゃんと恋人になる👹🦊
    前回(https://poipiku.com/4864956/6570862.html

    ○○になる「それで?最近の調子はどうなの」
    心配そうにこちらを見つめるのは、アイク。数日前にヴォックスとボンドになったのを、彼はまだ知らない。
    「実は、ちょっと前にヴォックスとボンドになったんだ…」
    「そうなの!?よかったね」
    ホッとしたように笑って祝福してくれるアイクに、良い仲間を持ったなあと実感する。それと同時に気恥ずかしくもあって、顔が真っ赤になる。
    「可愛いなぁ。そっか、だから毛並みが良くなってるんだね」
    俺のスピリットアニマルは艶々になっており、金色の宝石の付いた黒色の首輪をつけていた。頭を撫でてやれば、気持ちよさそうに目を細める。ボンドになって、今まで感じたことのないような幸福感をいつも感じる。
    「ヴォックスのガイディングはどうなの?」
    「優しいよ。俺に合わせてくれて、凄い安心する」
    そうヴォックスは優しい。優しすぎるほどに。何もかも俺に合わせてくれて、ちゃんとしたガイディングを受けられるようになってもまだ恐怖心の残る俺を守ってくれる。だけど、それはどこか物足りなさを感じてしまうんだ。
    「ボンドになったってことは、付き合い始めたんでしょ?よかったじゃない」
    そう。それなのだ。ボンドになっても、俺とヴォックスの関係が変わらなかった。一般的にボンドになるのは恋愛的な意味でもパートナーである。しかし、自分たちはどうなのだろう。好きと言い合ったわけでもなく、キスやその先の行為をするわけでもない。
    「もしかしてヴォックス、俺のことが心配だからボンドになってくれたのかも‥‥」
    「ちょっと待ってどういうこと!」
    とたんに表情を険しくしらアイク。誤魔化そうと思ったけれど、それはとても難しいことだった…

    “いい?ちゃんとヴォックスと話すんだよ”
    俺の話を聞いて頭を抱えたアイクは、ヴォックスと話をするように命じてきた。一体全体何を話せばいいんだかと思いつつ、土産のケーキを手に家に帰る。ボンドになったのをきっかけにヴォックスとは同棲を始めていた。
    「ただいま」
    「お帰り、ミスタ。アイクは元気だったかい?」
    夕飯を作ってくれていたらしく、エプロン姿のヴォックスが出迎えてくれる。ケーキを渡せば、デザートにいただこうじゃないかと喜んでくれた。その姿に心がふわっと浮上する。コート置いてくるねと言えば、もうすぐ出来るからすぐにおいでと頭を撫でられる。今でも十分幸せなのに、これ以上を望むのは贅沢なんだろう。

    「それで?アイクと何を話したんだい?」
    今日もヴォックスの食事は美味しい。頬が落ちてしまいそうだなとか思っていたら、ヴォックスの方から急に切り出されて俺はむせてしまった。ゴホゴホとせき込んでいれば、水の入ったグラスを差し出される。それを一息に飲み干す。冷たい水が喉に染み渡っていくのを感じる。
    「急に何?」
    「アイクの方からミスタとちゃんと話し合ってねとメッセージが来てな。一体何を話したのか、知りたくなってもおかしくないだろ?」
    それは確かにそうだけど。でもこれで恋人にはなれないなんて言われたらどうしよう?そしたら俺間違いなくゾーンアウトしてしまう。
    「言いたくないなら別に無理に言わなくてもいいんだ。でもな、俺はお前の事を知りたいんだよ」
    そっと手を握られる。ヴォックスのあたたかい手は、それだけで俺の心を包んでくれる。
    “大丈夫。悪いようにはならないはずだよ”
    アイクの言葉を思い出す。ほんのちょびっと勇気を出してみてもいいかな。大丈夫かな。怖いけど、でもここで黙ってもきっと俺の望んでることは実現しない。
    「あのさ、俺たちの関係って何?」
    「ボンドだろう?」
    「そうだけど、そうじゃなくて」
    分かっていなそうな顔をするヴォックス。ああもう直球で言うしかないのか。ええい、男は度胸!ミスタ・リアス行くぞ!!!
    「俺はお前のことが好きなんだけど!お前はどうなの!?俺たちってボンドだけど、恋人なの?」
    ハーハーと叫んだせいで荒くなった息。ヴォックスの方をキッと見れば、ぽかんとした顔をしていた。
    「恋人じゃなかったのか?」
    「は?まってどういうこと」

    慌てて聞き出せば、ヴォックスはボンドになった時に恋人にもなったつもりだったらしい。だけど俺がそんなかんじゃなかったから、手を出すに出せなかったらしい。
    「言葉が足りなかったな。すまない」
    申し訳なさそうな顔をするヴォックス。俺はぽかんと開いた口が塞がらない状態だった。
    恋人だと思ってたの?じゃあ、俺が1人でこんがらがって不安になってだけ?それってめっちゃ恥ずかしくない?
    「ああああああああああ!!もうこの話は、おしまい!!!俺寝る!おやすみ!」
    もうこの場から一刻も早く立ち去りたくて、慌てて席を立とうとするけどヴォックスが手を握って離さない。
    「ああ、照れてるところも可愛いな。しかし逃げないでくれ。せっかくお前の気持ちを聞けたというのに」
    手をムニムニと握られて、顔をのぞきこまれてその黄金の瞳に見つめられればたちまち動けなくなってしまう。
    「みないでよぉ」
    「嫌だ。全部見せてくれ」
    「うぅぅうううう~~~~~~」
    唸り声を上げれば、ケタケタと笑ったヴォックスがこちらに近づいてハグしてくれる。
    「言葉にしなきゃ通じないからな。ちゃんと聞いてくれ」
    ヴォックスのセクシーな唇が耳元に近づいてくる。言われることは分かってるけど、バクバクと心臓が鳴りやまない。
    「好きだ、ミスタ」
    大好きなヴォックスの匂いに包まれて、好きという一言で天にも昇る気持ちになる。
    「俺も」
    短い同意に、ヴォックスは幸せそうな顔をする。無駄にすれ違ってしまったけれど、これからはきっと大丈夫。そう確信した。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996