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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    センチネルバースな👹🦊
    ガイドの👹とセンチネルな🦊(本当に若干🦁🖊要素あり)

    センチネルとは、視角・嗅覚・聴覚・味覚・触覚のどれか1つが異常に発達しているものである。稀に五感全てが発達しているセンチネルも存在しているが、センチネルそもそもが稀少である。発達した能力を使いすぎると、感覚が暴走状態に陥りゾーンアウトと呼ばれる昏睡状態になってしまう。またゾーンアウトにならずとも、過度な能力の使用は使用者に苦しみをもたらす。そんなセンチネルを救うことが出来るのは、ガイドの能力を持った者だけだ。ガイドは、センチネルの能力を制限したりメンタルをケアすることが出来る。エンパスとテレパスを持ち、ゾーンに陥ってしまったセンチネルを救うのである。これはとあるセンチネルが、あるガイドと出会いボンドとなるまでの話。

    ミスタは嗅覚が異常に発達したセンチネルである。その能力は探偵としての仕事に存分に生かされている。落とし物や人探しもわずかな匂いを辿って、探し出すことが可能なのだ。しかしミスタには致命的に足りていないことがあった。彼は他のセンチネルにはいるガイドを付けていない。元々他人を頼ることを不得意としている彼は、いわば自身の内側を曝け出すガイディングに拒否感を覚えていた。そのため、能力のコントロールができなかった覚醒直後はガイディングが上手くいかずゾーンアウト一歩手前まで行ってしまうことがよくあった。ガイドがシールドの中に入ろうとしても、拒否してしまうのだ。今はタワーで能力の制御方法と自身でシールドを構成する方法を学んだので、あの時のようなことは起こっていない。ただ今も専属の医師からはガイドを見つけるように言われている。自分を曝け出してもいいような相手なんて見つかるはずがない。そう思いながら自身のスピリットアニマルである狐の頭をそっと撫でた。

    「お前、ガイドはいないのか?」
    そう訊ねてきたのは、未来にやってきた後同僚となった鬼だった。ミスタの同僚は味覚が発達したセンチネルのアイク、ただのミュートのシュウ、そしてガイドのルカとヴォックスだった。アイクはどうやらルカと相性がいいらしく、彼にケアをしてもらっているのだとアイクが言っていた。その証拠にアイクのスピリットアニマルであるシャム猫の毛並みは大変艶々としていた。ルカは優しいやつだから俺のガイドも申し出てくれたのだが、やはり俺のシールドに拒否され申し訳なさそうに謝ってきた。大型犬がしょんぼりとしているようで、申し訳なさがいつもの倍以上だ。
    「俺はガイドいなくても生きていけるし!ゾーンアウトしたことがないから大丈夫だよ!」
    そう落ち込んでしまったルカを励ますように言った俺の言葉に反応したのは、それまで黙って見守っていたヴォックスだった。
    「いなくてもとはどういう事だ?」
    「そのまんまの意味だよ。過去にいた時も俺は、ガイドを受けたことないんだ。シールドが拒否しちゃってね」
    そういつもの事だ。毛並みの荒れた俺のスピリットアニマルを見て、心配してくれたガイドがいなかった訳じゃない。でも、そんな人たちにも俺は身をゆだねることができなかったのだ。ならもう、俺は1人で生きてくしかない。そのためにタワーで必死に制御の方法を学んだんだ。
    「ふむ。なら俺が試してもいいか?」
    「ヴォックスが?無理だと思うけど、試すだけならいいよ」
    そっと近づいてきたヴォックスが、俺の手をそっと握る。俺よりも大きいその手は温かい。
    「俺の声に集中していろ」
    そう言い、彼はガイディングを開始した。

    結果として、ガイディングは成功した。俺が自分で作ったシールドの修正だけであったが、それでも初めての事である。俺の精神世界にやってきた彼は、無理にシールドの内側に入ることはなかった。外側からそっと俺に話しかけてきた。それに答えるように俺はシールド近くに向かう。
    「聞こえるか?」
    「うん。入らなくてもいいの?」
    「無理に入らなくても、お前がシールドを修復する手伝いくらいは出来るさ」
    彼の言うとおりに、無理をしてぼろぼろのシールドを修復していく。シールドの中に無理に入ろうとしない彼のガイディングは、内側を曝け出すのを恐れる俺にとってはたまらないものだった。
    「これでひとまずは大丈夫だな」
    その言葉をきっかけに、現実に戻ってくる。慢性的に感じていた体のダルさが心なしか軽くなったように感じ、横にいるスピリットアニマルに目をやれば今まで1番の毛並みの良さだった。
    「上手くいったみたいで良かった」
    安心した様子で俺たちを見守ってくれていたアイクが、ホッと息をつく。アイクの横に立つルカも、うんうんと満面の笑みでうなずいている。
    「お前がいいなら、これからも定期的にガイディングするがどうだ?」
    ヴォックスの言葉に、もう1度自分の状態を確認する。能力の制御が今までよりも緻密に出来る気がするし、倦怠感も拒否感もない。相当ヴォックスは腕の立つガイドなのだろう。彼のガイディングであれば、もう1度受けるのも大丈夫そうだ。
    「ヴォックスが良ければお願いしたいかも」
    「ああ。ならばこれからはガイドとしてもよろしく頼む、ミスタ」
    そっと手を差し出してきた彼の手に、俺も手を差し出す。単なる握手だけど、なんだか特別な事のように感じた。

    それからヴォックスは1ヶ月に1回くらいの頻度でガイディングを施してくれた。俺がそろそろ怠くなってきたなって感じる頃に、彼は家にやってくる。ベッドの上で、手をつなぎながら行われるガイディング。きっとガイディングの中では簡易的で気休めレベル。でもそれですら拒否してきた俺にとっては、ヴォックスがもたらしてくれるガイディングは救いなんだ。

    ふっと意識が浮上する。軽くなった体に、ああ今回も無事にガイディングを受けることが出来たと安心する。ヴォックスのガイディングを受けてから調子の良さそうなスピリットアニマルの狐は、俺の横ですやすやと寝ている。
    「体の調子は大丈夫か?」
    「うん。ヴォックスのおかげで軽くなったよ」
    「本来ならシールドを1から作り直した方が良いのだが、それも難しそうだからな」
    そう。本当ならガイドともに一緒にシールドを構築した方がより強固に、能力の制御も緻密になる。でも、怖いのだ。ヴォックスを信頼していない訳じゃない。ガイドとしてだけじゃなく、彼の人となりはこの数か月で良く知っている。きっと俺の酷い内側を見ても、軽蔑なんてしないだろう。でも、もし、仮に軽蔑されて見放されてしまったら?想像だけで、怖い。そしたらきっと俺は、ゾーンアウトしてしまうかもしれないなんて思ってしまう程既にヴォックスのことを俺は好きになってしまったのだ。ガイドとしてだけじゃなく、1個人として。黙り込んでしまった俺の頭をそっと撫でてくるヴォックス。
    「無理にとは言わないさ。今のままでも、お前はちゃんと能力の制御が出来ているからな」
    気を使わせてしまっているのは分かる。でも今の俺じゃどうしようもなくて、ごめんと謝ることしか出来なかった。

    そんな淡い平穏が壊れたのは、あっという間だった。そろそろガイディングを受けなきゃと思っている時に、俺は見てしまったのだ。子供が殴られている光景。恐らく虐待を受けているのだろう。身をギュッと縮こませ、大人の気が済むのを待つしかない子供。殴られても泣かず小さくうめき声をあげて、痛みに耐えているその子供は、昔の俺だった。当時の記憶が一気に脳内に流れ出す。そのせいで制御していたはずの能力のリミットが外れてしまう。途端に鼻に突き抜ける様々な臭い。汗や香水、人それぞれの体臭。洗剤や柔軟剤の匂い。町中を走る車の排気ガスや、家から漂う食事の匂い。木や花、植物の匂い。捨てられているごみ。全てがまざり一気に押し寄せる。ハーハーと息が上がる。制御しなければと思うのに、頭は押し寄せた臭いで圧倒され使えない。手で鼻をつまんでも気休めにもならない。まともに口呼吸できないのに鼻をふさいだせいか、どんどんと意識が黒に染まっていく。これはマズいと思って、最後の力を振り絞りヴォックスに電話をかける。
    「やぁミスタ。お前から電話とは珍しいな。どうしたんだ?」
    電話に出たヴォックスに、返事をする気力もない。助けて欲しいなんて思いながら、俺はその場に倒れこんだ。
    ハーハーという荒い息だけが通話先から聞こえてくる。あまりかかってこないミスタからの電話。珍しいなと思いながら出れば、返事はなく荒れた息だけが聞こえてくる状態に非常事態であることだけが分かる。急いで身支度を整え、外に出る。物音から彼が外にいることだけは分かるが、一体全体どこにいるのだ。彼の行動範囲はだいたいは知っている。今日は依頼はないと言っていたから、彼の自宅の近くであろう。はやる気持ちを抑え、車を走らせる。彼の家に着くも、やはり家には彼はいない。付近を走りまわって探せば、家からほど近い裏路地に彼は倒れていた。荒い息をしているのに鼻を抑える彼を見て、彼がゾーンに陥っていることが分かる。本来ならもっと段階を踏みたかったが仕方ない。拒否されるかもしれないが、シールドの中に入ったガイディングをするしかない。倒れている彼をそっと抱きかかえる。頼り方を知らない彼の必死のSOS。助けを求められたのなら、俺は応えるのみ。強い意志をもって、ヴォックスはミスタのガイディングを開始した。

    ゾーンに陥った彼の精神世界は酷かった。彼が嫌う真っ暗闇で、どこからかすすり泣く子供の声が聞こえる。いつも彼に近づくこと阻むシールドは壊れきっていて、それだけ彼の状態が酷いことが分かる。ゾーンアウトしてしまう前に彼を救い出さなければと思い、ミスタと彼の名前を呼ぶ。しかし応答はない。真っ暗闇を手当たり次第に歩き回れば、子供の彼が膝を抱えてうずくまっていた。彼のスピリットアニマルから、彼の精神が子供のままなのは分かっていた。精神状態に応じて成長するはずのスピリットアニマル。ミスタのそれは、まだ幼い子狐であった。
    「痛いよ、殴らないで。いい子で居るから。お願いだよ」
    自分を守るようにギュッと自身を抱きしめている子供は、泣きながらそう言った。ミスタが自分の幼少期をあまり語りたがらないのは分かっていた。その理由が虐待であることは想像の範囲内であるが、違ったらよかったのにと思う。そっと彼に近づけば、彼は更に怯えたように身を震わせる。
    「俺はお前を殴らない。お前を助けに来たんだ」
    彼には触れず、話しかける。俺の言葉に顔を上げたミスタは、怯え切った表情をしていた。
    「本当に?」
    「ああ。ここにはお前を殴る奴なんていないさ」
    安心させるように微笑んでやっても、彼の怯えはなくならない。
    「僕、変なんだ。だから母さんは僕を殴る」
    「変じゃない。お前のそれは、誇るべき能力だよ」
    「こんな僕を見たらきっと皆幻滅する」
    「幻滅なんてしないさ。私を筆頭に皆、お前のことを好いているよ」
    「嫌われたくないから、知られたくなかったのに」
    「お前のことを知ることが出来て嬉しいけどな」
    自身を嘆き、非難する彼の言葉を優しく訂正する。大丈夫お前は愛されているんだ。俺の言葉に、声を上げて泣き出したミスタにそっと近づく。今度は怯えも拒否もされない。そっと抱きしめてやれば、泣く声が更に大きくなる。頭を撫でてやれば、ぐりぐりと顔を胸に押し付けてくる。ミスタが安心して落ち着くまで、俺は彼を抱きしめ頭を撫でてやった。

    ピーピー鼻を鳴らしてはいるものの、落ち着いた彼に俺はそっと話しかける。
    「お前を守るためにも、一緒にシールドを作りたい」
    俺の目をじっと見つめたミスタは、覚悟を決めた顔でうなずいた。彼の手を強く握って、シールドが作れるように導いていく。真っ暗闇だった精神世界に、あたたかな光が差し込んでくる。ゆっくりとシールドが構築され、子供だったミスタが段々と大人になっていく。シールドが出来上がるころには、見知った姿のミスタがそこにいた。
    「上手にできたな。いい子だ」
    「……俺のこと知って幻滅した?」
    怖がるような表情でこちらを見てくるミスタ。全く自己評価が低すぎるのも考え物だな。ムニっと彼の頬をつまむ。
    「幻滅なんてしていたら、ゾーンになったお前を助けには来ない。シールドも一緒に作らない。違うか?」
    顔を俯かせた彼だが、耳が赤く染まっている。恥ずかしいだけなのだろう。ここまでやったのだから、いつか彼に言おうと思っていたことを告げてしまおう。
    「なぁ、ボンドにならないか?」
    ボンド、それは精神の契り、魂同士の結合を意味する。ボンドになればより深くガイディングをしてやることも、能力の制御を手伝ってやることもできる。ガイディングしていく中で、1人の人間のミスタを愛していることに気づいた時からいつか申し出ようと思っていた。ゆっくりと時間をかけ、彼がシールドの内側まで入れてくれるようになったら言おうと思っていた。予定とは変わってしまったが、ゾーンから救い出すガイディングを受け入れ一緒にシールドの構築まで許されたのだ。ミスタに、内側に入ることを許されたのだと思いたい。
    黙り込んでしまったミスタの顔をそっと、手であげれば綺麗な涙を流していた。
    「俺でいいの?」
    「ああ、お前が良いんだ」
    「俺も、俺もね、ヴォックスとボンドになりたいって思ってたよ」
    ミスタの言葉に、喜びが体を走り抜ける。抱きしめる力を強くすれば、ミスタの方も背中に手を回してくる。2人だけの世界。このままずっといられたらいいのになんて、自分らしくもないことを思いながら、ミスタの匂いを感じていた。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
    1088

    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996