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    nagikazehikaru

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    nagikazehikaru

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    ダンとトーイが訓練するだけ

    かかっ、ぱす、ぱす
    役目を終える煌球がその姿を地平に落としていく空に、軽い音が微かに響く。
    街灯の灯りに照らされる少し開けた場所で、普段その身を打たれる人形を観客に、二人の男性が忙しなく動く。
    程よく鍛えられた恵まれた体格の男性。男性よりも少し若い比べれば小柄な少年。
    男性は殺傷能力を殺した弾を使用したハンドガンで少年の動線を潰しつつ、これも殺傷能力のない木製のナイフを構え誘導した空間へ向かう。
    少年はそれをいなしつつ敢えてそこへ。そして一瞬姿勢を極力低く身を踊らせた。
    男性はその姿を見失い、殆ど無意識に近い反応後ろへと跳ぶ。
    一瞬前まで身体のあった部分が風に切られた。
    しまった!
    男性は判断を誤ったと内心舌打ちをした。
    少年はナイフを振り切った腕の勢いで半身を翻し、逆の手に握ったハンドガンでナイフで狙った場所へ撃つ。
    上体を反らしながら跳んだ身体では発射された弾を避けることは無理に近かった。
    やった!少年は撃った弾が確実に男性に当たる、と思った。
    それなら。と男性は考えた。
    そして、そのまま重力に従い地面と倒れ込み、受け身を取るとそのまま左へ転がる。そしてすかさずハンドガンをうった。
    「あいたっ!」
    少年は下肢を押さえながら転がった。
    「最後気ぃ抜いたな?」
    にやりと男性、ダンは笑いながら土汚れを払った。
    「…そういうダンさんも、誘導成功してると思ってましたよね?」
    「ああーなんだ、確かにあれじゃ逃げ場所まだあったな…」
    ダンは頭をがしがしと搔きながら、タバコを取り出し火を着けそれによって生み出される煙を少し吸い込み吐き出す。
    少年…トーイも土汚れを払い立ち上がり、その様子を見ながら少し開けたシャツの襟元を糺した。
    「ダンさんは体格が良いから、僕に近づければ組伏せられると思ったんでしょう。でもそんなことしてたらほかの襲撃者の的になっちゃいますよ?」
    「……その通りだからなんも言えねぇや」
    取り落としたナイフとハンドガンを拾いながらトーイは続ける。
    「多分相手を無傷で無力化をするにはその通りなんでしょうけど…」
    「分かってるし慣れてきたつもり、だったんだけどな…意識だけじゃあ癖は中々抜けるもんじゃねぇな」
    ダンは地面に脚を投げ出して座りながら咥えた煙草の煙を吸い、そのままもわっと吐き出した。
    「でも襲撃が有ったときのダンさんの指示は良いと思います」
    トーイはダンに習って座り込みながら。
    「基礎や知識が有るからだと思います。後は経験をすればまた基礎が生きるんだと僕は思います。」
    一瞬きょとんとしたのち、ダンはくすぐったいような悔しいようなんとも言えない表情を浮かべて。
    「経験に勝るもんはねぇな、ちくしょう」
    煙草を地面で揉み消しトーイを捕まえ頭に拳をグリグリと押し当てた。
    こうなってしまうともうトーイが抜け出すのは困難になってしまう。
    「あだだだだ!卑怯です!反則だー!」
    「まだどっちも降参宣言してねぇからな!油断する方がわりぃんだよ!うらうら」
    「っ!わかった!わかりましたから!降参ですこーうーさーんー!」
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