かかっ、ぱす、ぱす
役目を終える煌球がその姿を地平に落としていく空に、軽い音が微かに響く。
街灯の灯りに照らされる少し開けた場所で、普段その身を打たれる人形を観客に、二人の男性が忙しなく動く。
程よく鍛えられた恵まれた体格の男性。男性よりも少し若い比べれば小柄な少年。
男性は殺傷能力を殺した弾を使用したハンドガンで少年の動線を潰しつつ、これも殺傷能力のない木製のナイフを構え誘導した空間へ向かう。
少年はそれをいなしつつ敢えてそこへ。そして一瞬姿勢を極力低く身を踊らせた。
男性はその姿を見失い、殆ど無意識に近い反応後ろへと跳ぶ。
一瞬前まで身体のあった部分が風に切られた。
しまった!
男性は判断を誤ったと内心舌打ちをした。
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