タイトル:3回叩いて、ワンと言う(仮)Dom subの桜森の作文書いてます。近いうちにちゃんと修正してから全部あげます。
ベロチューじゃないのを書いてみたかった次第。
(めっちゃ途中から始まります)
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シンラは、自分がいかに浅はかな事をしようとしていたか思い知った。同時にみじめで恥ずかしくて、この場から消え失せてしまいたい気分になる。
頭上からハァ…とため息が聞こえてきて、シンラは目を閉じた。
もうダメだ。終わった。
出会い系のアプリでDomを漁るような奴はウチにはいらん と第八を追い出される未来が頭の中に渦巻く。せっかく安心して笑い合える仲間を見つけたのに。また居場所を失うなんてーーーーでも自業自得だ。
絶望にのまれ心臓が嫌な感じに跳ねる。どくどくと耳元で血が逆流するような音がする。あ...まずいかも。はっはっはっと荒くなってくる呼吸音が何処か他人事のように聞こえてくる。
酸素を取り込めば取り込むほどに苦しくなってくるのは分かっているのに、肺が、脳が「息を吸え」という命令を止めてくれない。苦しい、苦しい、死ぬ、しぬ。じわぁと暗く狭まる視界にシンラは自分の意識がパニックの沼に沈んでいくのを感じた。
「な⁈シンラ、大丈夫か?過呼吸か?」
桜備の問いに答えるのは無理なので必死に首を縦に振る。
桜備は一瞬だけ驚いた様子を見せたが、すぐに部屋に袋がないか探しだした。過呼吸の原因は酸素を吸い過ぎることにある。だから口に袋をあてて、二酸化炭素の多い、自分で吐いた息をそのまま吸えば落ち着いてくるのだ。しかしホテルの部屋に都合よく紙袋なんてなかった。
桜備は床にうずくまるシンラの側に戻ってきてしゃがみ込む。そして、短くコマンドを口にした。
「シンラ、Look」
「...ひゅっ....ッ!」
シンラの息が詰まる。しかしまたすぐにひゅっ、ひゅっと空気を吸い込み始めてしまった。
「ダメか...」
もはや姿勢を保ってられず、床にうずくまり始めたシンラに桜備は弱ったように顔をしかめた。うーんどうしようかな、と唸りながらシンラを柔らかいベッドの上に抱き上げる。
「荒っぽいけど、ごめんな」
桜備が口を大きく開けて、しんらの口を丸ごとぱくりと咥えた。
「ぅぇぐっ?!う゛ーーーーーー」
苦しい!苦しい苦しい、離してくれ!口で口を封じられ鼻からしか息が出来なくて、必然的に呼吸は制限された。逃れようとあがく腕は難なく押さえられている。
初めは苦しくてたまらなかったが、そのまま抑え込まれていると徐々にバグってた脳が現状を正しく理解しだしたようだった。痙攣したように空気を取り込んでいた肺も落ち着いてくる。と、急にくっついている口と口に意識が向いた。
もう大丈夫ですと伝えたくて胸をトントントンと3回叩く。すると、ふっと桜備が喉で笑ったような気配がして、直ぐに口が解放された。
「あ、シンラ。Lookのコマンドはまだ続いてるぞ」
離れ側、目を逸らそうとした瞬間そう言われた。仕方なしに言われたまま桜備を大人しく見つめていると唇が再び近づいてきた。
「…ん」
先程の激しさとは打って変わって、柔らかく唇が押し付けられる。目は閉じれないまま、至近距離で見つめ合う。見えないけど、くっついている唇のカタチで桜備が微笑んでいるのが分かる。数秒間そのままじっとした後、感触を楽しむように唇が横にスライドされた。合間に笑いを含んだ吐息が顔にかかって、大型犬にじゃれつかれているみたいでくすぐったい。構えていたのに、舌は口内には入ってこないまま。ふにふにと遊ばれ続けたシンラの唇は、赤くふっくらとしてきてしまった。
桜備は一度顔をあげて、シンラ顔をまじまじと見た。それから「美味そう」と感嘆をセットで独り言として漏らすと、舌でシンラの唇の縁を辿り始めるた。下唇が終わると上唇。お前の唇のフチはココだよとでもいうようにゆっくりと。
「!!!」
こんなキス知らない。シンラは赤面した。
今までシンラが知ってた大人のキスは、同級生から聞いた「なー知ってるか?キスってベロを相手の口に入れるらしいぜ」「マジで?エロいな」とかそんなレベルのものだった。つつつーっと口の端まで舐め上げたあと、頬から耳に羽でくすぐるような口付けが落とされていく。
「ぁ…」
無意識に声が漏れ出てしまう。シンラは何となく察した。今受けているのは、シンラの知るキスの範疇を軽く超えた、セックスに持ち込む為の本物の大人の愛撫だ。
みたいなジェットコースター系Dom subです。またしてもDom sub活かしたエロにはならなさそう。