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    hbnho210

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    DB 展示c【ヒロルク。とルクアロ】※ルクアロ版ワンドロワンライ様よりお題をお借りして投稿したものの再掲。

    お題:「噛み癖」「ぬいぐるみ」3/27 真夜中にフと、目が覚めて気がついた。ルークが、抱きしめて眠っている仔犬のぬいぐるみの耳をかじっていることを。たらん、とたれた大きなまあるい耳の先を噛んで、ときどきもぐもぐと口を動かしている。おなかがすいているのだろうかと思ったのだけれど夕食はたっぷりと二人ともおかわりをしてたくさん食べたはず。そう思ってヒーローは自分のおなかの具合を確認してみたけれど、やはり、空腹感はない。ルークはたりなかったのだろうか、それともぬいぐるみの耳がおいしいのだろうか。ヒーローは仔犬のぬいぐるみのもう片方の耳の端を噛んでみた。ぬいぐるみの毛を構成する繊維を噛む歯がきしきしとするだけで特にあまくもおいしくもない。ヒーローはすぐに口をはなした。それからしばらく、ぬいぐるみの耳をもぐもぐしながら傍らで眠るルークを凝、とみつめながらいつのまにかうとうとと、眠ってしまった。

     次の日の夜。ルークがいつも眠るときに抱きしめている仔犬のぬいぐるみをこっそりと、つやつやの毛並みが美しいクロネコのぬいぐるみと取替てみた。ルークの寝息がすう、と深くなったところでそっとぬいぐるみを交換する。ごめんね、そう、小さな声であやまりながらルークの顔をのぞきこむとルークの髪の毛からお陽さまの匂いがして、ヒーローは鼻をすん、と鳴らした。クロネコのぬいぐるみを抱きしめて眠るルークのとなりでヒーロは何度もくっついてしまいそうになるまぶたと格闘していた。ルークの寝息がヒーローの睫毛をゆらす。くすぐったいけれど何だか心地がよく、ヒーローはうっとりとその寝息を聴きながらルークのおでこにそっ、とじぶんのおでこをくっつけた。突然、がぶり、とルークがクロネコの顔に噛みつく。もぐもぐと、クロネコの顔を噛んでいる。クロネコも噛むのか。ヒーローはまじまじとルークの様子をながめながら、どうやら仔犬のぬいぐるみ以外も噛むらしい。ぬいぐるみなら何でもいいのだろうか。色は、カタチは、匂いは。大きさはどうだろう。もぐもぐするだけで食べているわけではないから、噛みごごち?ぬいぐるみの噛みごごちとは。ヒーローは、うーんと唸ってあれやこれやと考えながら、思いだしたようにあわてて、ルークがちょっと口をはなした隙にクロネコのぬいぐるみと仔犬のぬいぐるみをすり替えた。そして先ほどまでルークがかじっていたクロネコのぬいぐるみを抱きかかえてふたたび、うーんうーんと、何かとても重要なことを考えているみたいに真剣な顔で唸った。

     結局、昨日は答えを見つけるまえに眠ってしまったので今夜はこの問題を解決するまでは寝ないぞと意気込み、ヒーローは夕食のスープをスプーンですくいながらヒヨコ豆のころがる銀の小さなスプーンを見た。ぬいぐるみ以外も噛むのだろうか。そんな興味がヒーローの頭のなかをよぎる。
    「こら、だめよ、スプーンを噛んでは」
     ヒーローはびっくりして握っていたスプーンをがちゃん、とスープ皿の上に置いた。注意をされていたのは後ろのテーブルの年少の子だった。
    「噛み癖がついてしまって困ったわね、歯がだめになってしまうわ」
     噛み癖。歯がだめになってしまう。
    「…ヒーロー、どうしたの、」
     ルークは、先ほどからくるくるといろいろな顔をしているヒーローのとなりでパンにバタをぬりながら、ヒーローはどんな顔をしていても見ているだけで楽しくなっちゃうなあ、そう思ってヒーローの顔を覗き込む。ヒーローはルークに何かを言いかけて、そして、あけた口をそのままとじて首をぶんぶん横に振りながら、何でもない、そう言うと、スープ皿に残ったヒヨコ豆をいっきにすくって口のなかへ放り込んだ。

     どうしよう。このままだとルークの歯がだめになってしまう。ヒーローは夕食の時間に聞いたことを思いだしていた。今日もルークは仔犬のぬいぐるみを抱きしめながら気持ちよさそうにくうくうと寝息をたてている。ルークが身じろぎして仔犬のぬいぐるみをぎゅうと抱きしめると、小さな口がわずかにひらいて仔犬の鼻にかじりついた。仔犬のぬいぐるみはとてもやわらかいのだけれど、鼻の部分だけが少しかたくなっていた。ヒーローは咄嗟に仔犬のぬいぐるみをルークからはなした。かちん、と歯と歯がぶつかる音がする。歯と歯がこすれあい、小さな鼻の頭にほんのちょっとシワをよせてむずがるルークを見て、ヒーローは思わず、自分のひとさし指をルークの唇のあいだへ入れた。小鳥が餌を啄むようにルークの唇がヒーローの指先を吸う。僕の指も食べられちゃうのかな、ヒーローは少しどきどきしてぎゅ、と唇を噛んだ。ルークがヒーローの指を咥えて吸いはじめた。いつかのあたたかい春に仔猫をみつけたことがある。ミルクを指にのせてそっと口へ近づけると仔猫は指をちゅう、と吸った。あのときの仔猫みたいだなあと思いながらルークの舌が指を舐めるたびにくすぐったくて、ヒーローはもぞもぞとしながら、でもルークを起こしてしまわないようにそっと、身を捩る。ルークの小さい歯がヒーローの指を噛んだ。小さな歯はそのまま二、三度かるく噛むと、歯と歯のあいだに咥えた指をそのまま咀嚼するようにしゃぶりはじめた。一瞬、痛みを感じたけれど、痛みよりも、なんだか変なかんじがする、くすぐったいような、何か、とっても、変なかんじ。ヒーローは自分の指をいつまでもはなさずに舐めているルークのとなりで、動くことも出来ず、どうしたらいいのかもわからず、身体は何だかふわふわとして、ちょっと熱い。この熱は指を咥えているルークのなかからつたわってくるルークの熱なのか、自分のものなのか、自分の身体はどうなっているのだろう、ヒーローはよくわからないまま、眠れずに、くしゃくしゃになったシーツのうえで夜が深くなってゆく音を聴いていた。


    「…と、云う記憶を思いだしたんだ」
    「…クソどうでもいい記憶だな」
    「そんなことないぞ?!君との大切な想いでのひとつだ、まあ、もっとも君は憶えていないだろうけれど」
    「人が寝ているあいだにそんなことしてやがったのかてめぇは」
     呆れているアーロンの冷ややかな目に、当時の自分がいかに真剣に幼いアーロンの歯のことを心配して守ろうとしたかをルークは必死に説明した。少し、なんだか変な気持ちになってしまったあのあまくてせつない記憶は黙っていることにして。そして何故、毎晩そっと起きだしては“ルーク”の寝顔を見ていたのかと云うことも。もちろん「ぬいぐるみをかみかみ」していることも気になったけれど、月が煌々と鳴くある真夜中に偶然にも見てしまった“ルーク”の寝顔があまりにも可愛くてたまらなくて、ずっと見ていたいと思ってしまったからだなんて、絶対に言えない。そして今もときどき真夜中に、月灯りのなかで眠る君の寝顔をこっそりとみつめていると云うことも。言ったら君はどう云う顔をするだろう。やっぱり怒るだろうか。思案顔をしたりにやにやと笑ったりしているルークを横目に、相変わらずの百面相だな、アーロンは遠い記憶の彼方の少年の顔を思いだしていた。 
    「歯が痒かったんじゃねえか、歯が生えかわるとき子供はそのへんにあるもん適当によく噛むんだよ、マリーが机の脚に齧りついたときは慌てたけどな」
    「さすがワイルドだな…。でも、それだけじゃないような気がするなあ、だってアーロン、今もよく噛みつくじゃないか」
    「…誰がイツ、噛みついたってんだよ」
    「気がついていないのか?セックスしてるとき僕の首とか肩とかによく噛みついてくるぞ、」
     そう、言い終わらないうちにクッションがクッションとは思えぬ威力でルークの顔面にとんできたため、ルークはあえなくソファに、撃沈した。




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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題:「バカップル」「たばこ」お借りしました!闇バもでてくる。ルクアロだけどBOND諸君がみんなで仲良く?しています。
    お題:「バカップル」「たばこ」7/16「キスしたときにたばこの味がすると、オトナのキスだな、て感じがするってむかし同級生の女の子が言っていたんだけど」
    「……女とそういう話するのか、意外だな」
    「ハイスクールのときだよ。隣の席の子が付き合いはじめたばかりの年上の彼氏の話をはじめると止まらなくて……それでさ、アーロンはどんな味がした」
    「何」
    「僕とキスをしたとき」
     午后の気怠さのなか、どうでもいい話をしながら、なんとなく唇がふれあって、舌先でつつくように唇を舐めたり、歯で唇をかるく喰んだり、唇と唇をすり合わせて、まるで小鳥が花の蜜を吸うように戯れていた二人は、だんだんとじれったくなってどちらからともなくそのまま深く口吻けをした。そうして白昼堂々、リビングのソファで長い々キスをして、ようやく唇を離したが、離れがたいとばかりに追いかける唇と、舌をのばしてその唇をむかえようとする唇は、いつ果てるともわからぬ情動のまま口吻けをくりかえした。このままではキスだけではすまなくなると思った二人はようやく唇を解いて呼吸を整えた。身体の疼きがおさまってきたそのとき、ルークが意味不明な問答を仕掛けてきた。アーロンは、まだ冷めやらぬ肉体の熱を無理矢理に抑込みながら寝起きでも元気に庭を走りまわる犬のような顔をしたルークの顔をまじまじと見た。
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