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    ルクアロ版ワンドロワンライ様よりお題「犬」「ひざまくら」お借りしました!シバコです。公式の”愛犬の日”があまりにもかわいくてですね……シバコは何でも知ってるんですよ。

    #ルクアロ
    rquaro.

    お題:「犬」「ひざまくら」5/21 こうやって、だれかのおひざのうえでねるのはきもちがいい。あんまりきもちがよくてスグねむたくなっちゃうけれど、ほんとうは、あたまをなでてくれるてとか、ほっぺたをむにむにしてくれるゆびとか、やさしいめとか、もっとかんじていたい。でもやっぱりがまんができなくて、あくびがでちゃう。
     いろいろなひとのおひざのうえでねむったことがあるけれど、どのおひざも、みんなきもちがいい。やさしくて、いいにおいのするいちばんだいすきなこずえさんのおひざ。そのおひざのうえでねむっていると、いろいろなひとがやってくる。みんなもこずえさんがだいすきなんだ。
     たまに、だれもいないときに、あたまをなでてくれるてがあった。そのひとは、とおくの、ずっととおくのおそらのむこうをぼんやりとながめるようなめで、だまって、あたまをなでてくれた。そう、そのひとはこの“そらいろのしゅりけん”をくれたひとだ。でも、さいきんもうずっと、なでてもらってない。どうしたのかなあ。またいつか、あのおっきなてでなでてほしいな。
     まわりがとってもにぎやかになって、しらないひとたちがいっぱいやってきた。そう、そして、あのひとにあったんだ。はじめてあったのに、なんだかずっとまえからしっているような、なつかしくて、あたたかくて、おかあさんをおもいだす。もしかして、きょうだいなんじゃないかしら。そうおもったけど、でも、ちょっとちがう。ちがうけど、いまいちばんおきにいりなのは、このひとのおひざ。だから、このだいすきなだいすきなおひざを、きょうもひとりじめ!

    「……アーロン、なんでさっきからシバコのこと睨んでるんだ」
     釣りあがった眉の下の眼光は新月の夜に獲物を狙うが如く爛々として、揺籠のなかで微睡む無垢の犬をその光で射抜かんばかりに睨めつけていた。
    「ああ、そうか、……はい」
     ルークは、自分の膝の上ですやすやと眠るシバコが目を覚ましてしまわないように、そっ、と両腕をアーロンに向かって伸ばした。
    「何、」
    「いま、僕の膝の上はシバコの場所だから君にあげることはできないけれど、腕のなかはあいてるよ。だから、ここにおいで」
    「……意味がわからねえ」
    「だって君、すねているんだろう。僕の膝の上をシバコにとられちゃったから。ほんとうにあまえんぼうだなあ。ひざまくらはしてあげられないけれど、抱っこしてあげるよ」
    「何でそうなるんだよてめえは! 誰がこんな、犬に、……」
     アーロンが少し声を荒げたところでまったく起きる様子のないシバコはルークの膝の上にそのやわらかな腹も、ふわふわの尻尾も、小さな頭もすっかりと預けて、この世は太平ばかり也と鼻をぷうぷうと鳴らして眠っていた。そうしてもう一時間ばかりシバコはルークの膝の上で眠っている。ルークはシバコの頭を撫で、時折、楽しそうに微笑って飽くことなくその寝顔を眺めていた。そしてアーロンも、そんなルークをかれこれ一時間くらいずっと眺めていた。
     夕食の後、シバコはルークのまわりをぐるぐるとまわりながら鼻をぐい、と押しつけて、はやく遊ぼうと言わんばかりにまあるい黒い瞳をきらきらとさせていた。シバコに急かされて立ち上がったルークは早々に食事を終えていたアーロンに声を掛けて、まだ食事の途中のチェズレイと、既に徳利を一本空にして二本目に手をだそうとしているモクマをのこして部屋を後にした。満たされた腹を抱えた二人は、広い屋敷の廊下を自由気ままに歩いてゆくシバコのあとを、緋色とすみれ色の混じりあうまだ仄かに明るい空をぼんやりとながめながらついて行く。昏い緑の葉のあいだから白い小さな花がほろり、とこぼれて縁側の隅にひとつ、ふたつ、落ちる。いつの間にか二人と一匹は、静かで、人もあまり来ないような屋敷の奥へと入込んでしまい、ルークがシバコに戻ろうと声をかけてもシバコは構わず歩いて行く。どうやらシバコにとっては馴染みの場所らしい。アーロンが大きな欠伸をひとつ、ルークは戸惑いながら、シバコはそんな二人を先導して意気揚々と歩いて行く。程なくして辿り着いた部屋はシバコの隠れ処であるらしく、シバコは、秘密基地へようこそ !さあ! 遊びましょう! と言うように一声、鳴いた。
     そうしてたっぷりと遊んだあと、満足したのかシバコはルークの膝の上を占領してそのまま眠り込んでしまった。それから一時間ほど経過した今、シバコは豪快な欠伸と共にようやく目を覚まし、鼻を舌で舐めながらルークと目が合うと、嬉しそうに鳴いた。
    「ワン公、起きたんなら退け」
     ルークとシバコの前に仁王立ちしているアーロンが一人と一匹の上に重い視線を落とし、部屋ごと圧し潰さんばかりの圧力をかけてきたが、シバコは素知らぬ顔でふたたびルークの膝のあいだに顔を埋めた。アーロンの手が、シバコに伸びる。アーロンはシバコを抱きかかえて持ち上げようとしたが、シバコは一向に動こうとしない。鼻の頭にしわをよせて、低く唸りながらルークの膝にしがみついている。
    「すごい力で踏んばっとる!」
     ルークの膝のうえをずっと占領したいシバコと、しびれを切らし強行手段にでたアーロンとの攻防が始まった。
    「もう一時間もその場所貸してやったんだ、そろそろ退け」
    「がう! ぐるるるるる……ばうばう! ばう!」
     闘いは熾烈を極め、両者どちらも譲らない。
    「アーロンもシバコもそんなに僕のことを好いてくれているなんてとっても嬉しいけれど、喧嘩をするのはやめてくれ!」
    「てめえはひっこんでろ。これは縄張りをかけた闘いだ。ジャマすんじゃねえ」
    「ばう!」
    「縄張り?! 僕の奪い合いじゃなくて縄張り争いなのか?!」
     耳に聴こえるは花の落ちる音ばかりの静かであった部屋は天下分け目の合戦場と化し、その膝の陣にどちらの旗を立てるか、目には雷光、逆立つ毛は燃ゆる炎、牙は三日月、天地を揺るがす睨み合いは続く。
    「わりぃなワン公、このドギーの何処も彼処も、何もかも、ぜんぶ、ぜんぶ俺のもんなんだよ」
    「ぐるるるるるるるっるる……」
    「アーロン?! た……確かに僕のどこもかしこも何もかもぜんぶアーロンのものだけれどでも君、いま自分が何を言ったのか解ってるのか? 君からそんなこと言われたら僕、めちゃくちゃよろこんじゃうぞ!!」
     突然の流れ弾に心臓を射抜かれて、ひとり天上へと逝ってしまいそうになっているルークなどお構いなしに、鳴く、猫。吠える、犬。両雄、睨み合ったまま一歩も退く気はない。
     ……アーロン、僕のことドギーなんて呼んでいるけれど、君は、まるで、あまえんぼうでやきもちやきの、大きな大きな、猫みたいだ。可愛い可愛い、僕のキティ。
    「アーロン、おちついて」
     ルークは興奮して逆立った毛を慰撫するように、アーロンの髪を撫で、そして、牙を剥いて鳴く、その口に口吻けをした。
    「わう! わう! わう……くぅ」
    「シバコ、そんな声で鳴かないで。シバコのことももちろん大好きだよ」
     ルークはシバコのいい匂いのするふわふわの頭頂部に顔を埋めた。シバコが鼻を鳴らしてルークの頬を舐める。
    「……ワン公、マーキングのつもりか」
    「マ、マーキング?! シバコはあまえてるだけだよ。ほら、アーロンも好きなだけあまえていいぞ。そうだよな、今日は忙しくてなかなか二人きりになれなかったもんな。やっと二人きりになれたのにずっと放っておいてご免。さあ、いちゃいちゃしよう!」
    「わう!」
     ルークに飛びかかるシバコの横で、見えない鉤爪を出す音がする。
    「アーロン! その爪をしまってくれ、いや鉤爪は出ていないけれども。シバコも唸らないで! ああもう、ふたりとも、仲良くしてくれ!!」
     十六夜の月が煌々と啼く雲ひとつない空に、”ドギー”の咆哮が遠く々、轟いた。
      
      
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題:「バカップル」「たばこ」お借りしました!闇バもでてくる。ルクアロだけどBOND諸君がみんなで仲良く?しています。
    お題:「バカップル」「たばこ」7/16「キスしたときにたばこの味がすると、オトナのキスだな、て感じがするってむかし同級生の女の子が言っていたんだけど」
    「……女とそういう話するのか、意外だな」
    「ハイスクールのときだよ。隣の席の子が付き合いはじめたばかりの年上の彼氏の話をはじめると止まらなくて……それでさ、アーロンはどんな味がした」
    「何」
    「僕とキスをしたとき」
     午后の気怠さのなか、どうでもいい話をしながら、なんとなく唇がふれあって、舌先でつつくように唇を舐めたり、歯で唇をかるく喰んだり、唇と唇をすり合わせて、まるで小鳥が花の蜜を吸うように戯れていた二人は、だんだんとじれったくなってどちらからともなくそのまま深く口吻けをした。そうして白昼堂々、リビングのソファで長い々キスをして、ようやく唇を離したが、離れがたいとばかりに追いかける唇と、舌をのばしてその唇をむかえようとする唇は、いつ果てるともわからぬ情動のまま口吻けをくりかえした。このままではキスだけではすまなくなると思った二人はようやく唇を解いて呼吸を整えた。身体の疼きがおさまってきたそのとき、ルークが意味不明な問答を仕掛けてきた。アーロンは、まだ冷めやらぬ肉体の熱を無理矢理に抑込みながら寝起きでも元気に庭を走りまわる犬のような顔をしたルークの顔をまじまじと見た。
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