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    Kona_Sousaku

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    Kona_Sousaku

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    神成と猩々旦那のお話です⚡️🌿
    ノリに全てを任せて書いてしまった、許してください

    神成という男"雷神"神成、別名"トラブル神"バカんなり。
    これは彼がまだ依影商店街に来る前に神同士の中で付けられたあだ名だ。あだ名と言えば可愛いが、ほぼ侮蔑の意味を持って付けられたこの言葉。
    無論、それで黙る神成ではない。殴り合いをしたり傍若無人に振舞ったりした末に、自ら上の世界を降りた。これが神成の生い立ちだ。

    ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

    「おーいクソ客め、もう閉店時間だ!出てけ出てけー!」
    「あぁ〜ん??クソうるせぇ店主が来たぞー!あははははー!!」
    「黙れっ!!金置いて家に帰りやがれバカ!」
    「はいはーいぃ…おだいちんこ~ww」
    「ふっ…ヒヒッ、早く帰りやがれー!!!」

    閉店時間までごねてた客を追い出して戸を閉める。深い溜息をつき、腰エプロンを外せばもうオフモードの神成だ。

    「つっかれた〜〜~」

    甘味処&休憩所として経営している雷鼓だが、はた迷惑な客の噂によってプロレス開催場と成り果てているこの状況はマズイものがある。この悩みが彼を疲れさせているのは言うまでもないだろう。
    レディーファイト?いやいやここは和菓子屋だ、レディーイットしてろダボが。この言葉はここ最近の彼の名言とかした。
    こうした客と神成の掛け合いは非常に人気があり、悩みを増幅させる原因になっていることに彼は気づいていない。

    「…こーいうときに誰かいてくれりゃあなぁ、寂しいったらありゃしないぜ」
    「突然ですが問題です、僕はだーれだ」
    「うわぁぁぁ!?!?!?」

    椅子と共に大声を上げて倒れた神成、声の主はそんな姿を見てケタケタと笑っているようだ。

    「いっ、いきなり現れんなよ!旦那!」
    「いや〜?戸は閉まっているのに窓は開けっ放しなんて、もう入ってくださいって言ってるようなものだろう?
    不用心だねぇ、神成は」
    「ア、アンタなぁ…??」

    植物柄の新緑な羽織、同様に身体にもそれが刻まれている謎多き我らが会長、猩々は軽快に歩いた後に席に着く。
    平気でカウンターにも座る男だ、掃除した後なんて気にしないヤツだろう。呆れたように頬を掻く神成など置いて、猩々は作り置きしておいた柏餅を頬張っている。

    まったく、この男は遠慮を知らない。

    「勝手に食うなや、言えば作ってやったのに」
    「そうなのかい!?じゃあ作って♪」
    「もう冷蔵庫漁ったのでダメでーす、効果範囲外でーす」
    「えぇー!酷いなぁもう」

    楽しんだかと思えば悲しそうする猩々の変わり具合に笑いが漏れる。

    猩々は常に掴めない男だ。
    上の世界を追われた神成を商店街に誘ってくれたのが猩々だ。神成にとって彼は恩人とも呼べる素晴らしき友なのだ。
    長いことこの商店街の元で共に過ごしていたが、彼のことは何一つとして分からない______否、知られないようにしているようだ。
    素顔すら明かさない猩々、不信感を抱かれても仕方がない。が、正直彼に対して敵対心を抱く者はこの商店街にはいないと思う。
    謎の男だが人柄が良い、対話も長けている_____それならもう、良いじゃないか。

    (旦那なら大丈夫、そう思っちまうんだよな)

    今菓子を強請る猩々も、あの時路頭に迷っていた神成に声をかけてくれた猩々も、すべて彼なのだ。
    そう思えるだけで神成はこの商店街にいる喜びを見いだせる。

    「…神成、聞いてるかい?」
    「んっ!?あ、あぁ、すまん。何も聞いてなかった」
    「君の素直なところ、嫌いじゃないよ。
    …ははっ、神成も変わったねぇ」
    「あーん?何だ何だいきなり、次の言葉次第じゃ追い出すことになっちまうぜ」
    「ん〜?だってさ、昔の神成なら謝るなんてしなかっただろう?それなのに今じゃサラッと謝って……うっう、成長に泣いてしまいそうだよ!おーいおいおい…」
    「アンタ顔見えねぇから泣いてるか分からねぇって…
    んー、まあ丸くはなったのかもな。上にいる時に比べたら」

    神とは傲慢なものであり、讃えられる存在である。
    謝ることよりも謝られることの方が多い神という存在に加え、超がつくほど生意気であった神成は礼儀を知らなかった。
    そんな無礼でどうしようもなかった神成、それを正したのは他でもない猩々なのだ。

    「たしかにアンタは成長を喜んでもいい立場だな……なんか恥ずかしいからやめろ」
    「おや?照れてるのかい?可愛いねぇ」
    「可愛くねぇ!」

    思えば神成は猩々に助けられてばかりだ。
    もし、もしも彼が困った時に自分が助けられれば…

    (いや、旦那は誰にも頼ることはしなさそうだな。自分のことになったら尚更)

    「…?神成、またまたどうしたんだい?」
    「あーあ、新作の和菓子でも作ろうかな。しかし困った、味は確かでも意見が聞きたい。
    …んー?良いところにいるじゃないか旦那。どうだ?神成お手製の新作和菓子、試していかないか?」
    「……これまたどういう風の吹き回しかな?脈絡がないねぇ」
    「思い立ったが吉日って言うだろ。すぐ行動はオレの取り柄だ」
    「ははっ、まったく君は本当に面白いね。
    じゃあ神成店主、新作和菓子を振舞ってはくれないかい?」
    「おうよ!」


    頼られないかもしれないならば、せめてオレの出来ることでコイツを喜ばせてあげれば良い。
    それでも悪くねぇだろ、旦那?
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