閻魔様と補佐官「そんじゃあ蛇と愉快な仲間達んとこ行ってくるね」
「お待ち下さい」
「本日分の書類業務が完了しておりません」
「へーきへーき明日やるから」
「昨日もそのように仰っていたではありませんか」
「あれ〜そうだったっけ」
「…はい」
「本日中に済ませなければならない物が数点ございますので今日こそは必ずや「じゃあお前やっといてよ」
「…」
「だめじゃあサイアク暇してるお仕え狐らにやらせれば
大丈夫だって」
ふぅ
「駄目に決まっているでしょう」お前のその行動が最悪なんだよ
「いやんひっじょーにキビシー」仕事中のお前ほんとこわ〜い
「ねえねえ今日はどーしても行きたいんだけど」
「出会った記念日☆だから」
「どうでもいいでしょうそんな事」
「よくないよぉこーいうの大事なんだよ」
「女の子とか結構気にしてるとこあるし…あお前彼女いないから分かんないか」
「黙れ」
「こわ〜www」
「…妖怪は悠久の時を生きる存在です」
「日付なぞの微細な事を気に留める必要性は皆無でしょうに…」
「え〜俺の予定一日単位で管理されてんのに」
「閻魔様は特別ですから」
「じゃ特別な俺のオネガイ聞いてよ」
「どうしてそうなるんですか馬鹿」
「ひっど〜い」
「…こういう、絶対会いに行くって日決めてなかったらさ…次会えば良い、次会えば良いってやってる内に会えなくなっちゃいそうじゃん」
「だから…今日くらい、許してよ」
「閻魔様…」
「昨日も行った癖に何言ってるんですか」
仕事から逃れたいだけだろお前
「やっだぁバレちゃった
しんみりした感じで押せばイけると思ったのに」
「…」
「でも今日行きたいのは本当なの」
「書類業務なんていつでもできるでしょ」
「記念日は今日逃したら次来るの一年後だよ俺そんな待てない」
「いや一年くらいどうという事もないでしょう」
「そんな事ないもん一年長いもん」
「とにかく今日は行くぜぇったい行くから」
「…何故貴方はそこまで彼らに固執するのですか」
「貴方が隙を見ては地上の連中を弄り回して遊んでいる事は無論存じ上げておりますが」
「なははっ」
「蛇神らの所には正体すら明かし入り浸っている」
「一体、何が貴方をそうさせるのですか」
「んー…」
「だって話の当事者視点って一番楽しいじゃん」
「は…」
「じゃね〜」
「ちょっと待っ…」
忽然…
「くそッ…こうなったが最後、今日はもう帰って来ないんだよなぁ…」
「先方にお詫びに伺わなければ…っ」
「いっそ仕え狐らに補佐官代わってもらいたい…」
心底暇が欲しい
「…へえそうなの?」
「っ、閻魔様…!」
「俺って地獄耳だからねぇそういうのばっちり聞こえちゃうのよ」
「…そこで…お前に言いたい事がある」
「…はい」
すうっ
「『 駄目に決まっているでしょう』キリッ」
「…」
「ふざけている暇があるのなら業務を「ばいば〜い」「クソ野郎が」「聞こえてるってば」「まあ仕事はやんないけど」「明日はきっとちゃんとやるからさ」「どうしてもっていうならお前が」
「ああもううっとうしい行くならさっさと行けぇっ」
「やりぃ〜じゃあいってきまーす」
「…っしまった…!」
「ああ…もうどうにでもなりやがれ…」