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    まめたろう

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    まめたろう

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    きつねちゃんパラレル1異能を使える者は人間だけではない。
    人間より精度が劣るものの、動物・植物に至るまで生物には一部の能力に特化した者、気象や事象に干渉できる個体が少なからず存在している。
    そんな異能持ちの動物が一匹、信玄より幸村へ贈られる事となった。
    信玄からの手紙によれば、雄の狐で闇を操る事ができて変化も可能。とても賢く従順で、人間のように一兵として戦へ連れ出すのも容易い。との事であった。
    それを読み、幸村は手紙を受け取ったその日から、こちらへ配属となる今日を胸を高鳴らせて待っていた。お館様のお墨付きなのだ、きっと虎のように大きく、人の姿になれば堂々とした益荒雄になるのだろう。想像しては居ても立ってもいられずに屋敷を飛び出し、門へ向かって駆け出した。


    一体どのような者……もしくは狐が来るのかと、門番と話しをしながら待つこと四半刻ほど経ったとき、道の向こうから、こちらへと歩みを進める人影が一つ。それは身の丈四尺程の男児のようであったが、幸村は……隣で会話をしていた門番でさえも目を疑った。こちらへ向かっているのはただの男児ではなかったのだ。
    よくよく見れば肘から手に・膝から足先にむかって獣のような体毛に覆われていて、なにより頭には狐のような大きな耳が、尻のあたりからはふさふさとした尻尾のようなものまで見える。
    「幸村様……信玄公の元より来る狐というのは……」
    「……いや、この者は伝令やも……」
    お館様の元から来るのだ、木の枝を振り回しながら野を駆け回る姿が似合いそうな小さな男児でも、中途半端な変化をするような未熟な狐でもないはずだ。屈強な益荒雄か、猪を一撃で仕留めるような狐のはずなのだ!
    そう想いを巡らせている幸村の目の前で男児が立ち止まり、不本意な雰囲気を滲ませながら適当に軽く頭を下げた後、口を開いた。
    「あんたが真田の旦那でしょ?信玄公の命により馳せ参じました。佐助です。どーぞ、よろしく」
    「なっ?!おま……おまえ……っ!お館様ぁぁぁ?!!!」
    態度も口調も言葉選びも『従順』ですらなかった新しい従者に、幸村は頭をかかえるしかなかった。
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