愛されたい、愛されたい、愛……違法マイクによる見た目と話し方、思考回路の若返り(主に幼児化、10年ほど戻る)
精神面が不安定(現在と1番不安定だった時期、愛に飢えていた時期がごちゃごちゃ)
1️⃣:弟を愛したい(特にTDD期)、大人に愛してほしい(幼児期)
🐴:妹を母を、大事な人を愛したい(守りたい)(幼児期)
🍭:「自分」が愛されたい、愛を知りたい
💉:愛を与えたい
🎋:大事な人を愛したい、みんなに愛されることが無理だと知っていても愛されたい
📿:正しい愛を知りたい
2️⃣:一郎と三郎が愛されてほしい(自分はどうでもいい)(幼児期、小学生、現在)
🐰:誰でもいいからもう一度自分を愛してほしい(本当は両親がいい)
📚:愛(兄貴、ポッセ)を奪われたくない
🥂:みんなに愛されたいけど愛されたくない、唯一が欲しい
👨🏫:不器用にでも幼い子供に愛を伝えたい
🌙:普通に大事にされたい、普通に愛されたい
3️⃣:家族に愛されたい、家族を愛したい
🐦:小さな愛を積み重ねながら与えたい
🎲:本物の愛が知りたい、欲しい
👔:愛されなくてもいい、ただ1人に愛されたい
0️⃣:愛した人を取り戻したい、子供たちを愛したい
⚖:愛した人(兄貴)を失いたくない
♍️:愛は要らない、情けなど捨ててしまえ
👠:愛を与えてくれる人(妹)はもういない
💤:愛(兄貴)を忘れている、愛(母、兄)にそばにいてほしい
2️⃣愛されたい、愛されたい、愛してほしい
「じ、二郎ぉぉぉ!?」
とある土曜日の7:30、萬屋ヤマダからイケブクロ中に響き渡ったのは山田一郎の声。
「いち兄!どうしましたか!!?」
それに負けない大きな声を出して階段を駆け下りてきたのは山田三郎。
一郎が叫んだ原因はリビングの床に、座っていた。
「…じ、じろう?」
恐る恐る問いかける三郎
「うん!おれはやまだじろーだよ!」
そう原因はこの『幼児化した山田二郎』である。
「と、とりあえず、寂雷さんに連絡!」
「僕は二郎に合いそうな服探してきます!」
「んぁ…なぁに朝っぱらから騒いでんだぁ…?」
一郎と三郎が慌ただしく動き始めた中、伸びをしながら起きてきたのは天谷奴零、改め山田零。
「親父!とりあえず二郎見ててくれ!」
「あぁ?二郎はそんな歳じゃねえだろ」
「いいから見てて!」
「…これか?」
「それだと思うならそれ!!」
「おいおい…マジかよ…」
「おじちゃん、おなかすいた…」
「おじ、ぉ…そうだよなぁ…」
零は天井を仰いだ。
零の運転で辿り着いたシンジュク中央病院にて神宮寺寂雷による診察が始まった。
「こんにちは」
「こんにちわ!」
「自分のお名前言えるかな?」
「やまだじろー!」
「何才になったのかな?」
「ん…7さい!」
「一緒に来たのは誰かな?」
「にーちゃんと、さぶろーととーちゃんだとおもう」
「だと思うってどういうこと?」
「くるまのなかでいってるのきいてただけだからわかんねー。おれのとーちゃんもっとわかいもん」
二郎が少ししゅんとする。その後ろで地味にダメージを喰らった零をこづいて笑うのは三郎。
「こういうのは入間くんかな…一郎くん、連絡取れるかい?」
「あ、はい」
「しばらく待合室で待っててもらうよ」
「二郎、俺は誰だかわかるか?」
「にいちゃん!めがあかとみどりだもん!」
「二郎!僕は?僕はわかるか?」
「さぶろー!みどりとあお〜!」
「んじゃ二郎、このおじちゃんは?」
おじちゃんって呼ぶなと小突かれても気にしない一郎。
「……んー、とーちゃん?」
「じーろー!さっすが俺の息子だぁ!」
いきなり190cmの男に抱えられて泣かない7歳児がどこにいる、ここにいる。
二郎はきゃーとご機嫌な声を上げて振り回される。
そこへきたのは入間銃兎。普段なら汗ひとつかかず余裕綽綽という態度でいる銃兎が焦っている原因は幼児化した二郎である。
「あ、入間さんお疲れ様でs」
「じ、じろう!大丈夫か?高いところ怖くないか?痛いところは!?」
「おじちゃん、だれ…」
「おじ…っ」
こちらもダメージを多めに喰らう。それを笑う零。
「入間さん、落ち着いてください。今寂雷さんと説明するんで」
銃兎が来たことを伝えて、また診察室へ通される。
「入間くん、最近の違法マイクで流行ってるものがあると思うんだけど、説明してもらえるかな」
寂雷が早々に銃兎に告げた。
「あ、はい。それなら…」
銃兎の話を簡単にまとめると最近流行っている違法マイクの種類は
『幼児化』
『言いたかったのに言えなかった、悲しいことを思い出してしまう』
この2つらしい。
そして二郎はそれのどちらともを喰らったということだが、寂雷が二郎に尋ねても「おなかすいた」と答えるだけ。幼児化しているため言いたかった悲しいことがわからなくなっていると考えられる。
「とりあえず様子見ってとこかな…何か変化があったら私に連絡してください。あと、そろそろ飴村くんが来ると思…」
「じゃっくらーい!来たよー!」
「病院では静かにね、飴村くん」
「ごっめーん☆じゃあはい、一郎これあげる〜」
「え?は?なんだよこれ、って服?」
「そーそー!二郎に新しい服買うのはお金かかるし〜でもサイズ合う服残してないだろーなーって思った寂雷が僕に電話くれたんだ〜」
「そういうことです。じゃあ、お大事に」
ペアフレが診察室で手を振って笑顔で見送る
「服は心配しなくていいし…靴も入ってますよ!」
三郎が荷物をチェックして靴を発見した。
「二郎、これ履いて?」
「かっこいーくつ!じろうの?」
「そうだぞ〜二郎の靴だぞ〜」
ふぁぁぁ!と嬉しそうに履き替える姿を一郎が連写で、銃兎が動画でカメラに収めた。
そこからしばらく、てんやわんやな日々が続いた。
二郎は中王区の計らいで出席停止という扱いになったからよかったが、毎日がエブリデイ、いや毎日が小さくなった二郎との成長の日々。
いくら一時的なものと言えども、文字が読めない書けない計算できない状態では困るので、いつもはキレながら教える三郎が優しく教え込んだり、190cm超えの零の肩車で遊園地へ出かけたり、一郎と一緒にキャベツを千切りにしたりと割と忙しい日々を送った。
その中で二郎が『言いたかったのに言えなかったこと』を語ることはなかった。
だが、3日ほどで1歳分成長し、歳を重ねると記憶がその時のものにリセットされることに気づいた。昨日一緒に出かけても、1つ歳を重ねれば忘れられる。
二郎は13歳になった。
なんとなく、扱いづらい。
本来、この時期零はもちろんいなかったし、一郎は金を稼ぐために少し危ない仕事に手を出していた。
二郎には三郎しかいなかった。守るべき存在である三郎しか。
「二郎、晩飯にするぞ」
一郎が声をかければ少し驚くし、零は最初はジト目で見られ、三郎から離れるのを嫌がる様になった。
「三郎は、俺が守らなきゃだから。俺しかいないから。」
二郎の『言いたかったのに言えなかったこと』が聞けるまであと少し。
二郎が14歳の姿になった。
そして一郎が違法マイクに巻き込まれた。
曰く、「効果出てないから大丈夫だ!」大丈夫ではないと思う。
返り血らしきものに塗れて帰ってきた一郎を見た二郎、慌ててタオルやらぬるま湯やら救急箱を持ってきた。
「なぁ、なんでこんな怪我してんだよ」
「俺はそんなに怪我してねえよ、ごめんな二郎」
頭を撫でようとした手を払われた。
「謝るくらいだったら喧嘩してくんなよ、三郎が心配して寝れなくなる」
「…おぅ」
「終わり、傷口広がらないようにしろよ」
一郎に笑いかけない二郎に少し悲しくなる。
零が晩ご飯を作り終えて山田家全員で飯を食べる。普通に美味しいのなんか悔しいなオイ。
いつもは何杯もお代わりする二郎が一杯食べただけで風呂に入りにいった。