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    化粧品メーカーとコラボした女子〜ずと、周りの男たち

    Moira→女子〜ずのアイドルグループ
    不良チーム→芸能事務所
    ドラケンがエマのファン
    ココが赤音さんのガチ恋(小さい頃告白してる)
    武道がヒナを好き(恋愛感情)
    全部両片想い‼️

    #ドラエマ
    drayma
    #ココ赤
    cocoRed
    #タケヒナ
    mexicanBamboo
    #武ヒナ
    japanesePampasGrass

    芸能パロ3 只今人気絶頂の女性アイドルユニットMoiraに、化粧品メーカーの新商品の広告の依頼が入った。
    答えはもちろんイエス!喜んでお受けします。
     依頼してきたのは、老舗化粧品メーカー。女子高生からおばさま、ひいてはおばあ様まで幅広い年齢層をターゲットにする、最大手と言っても過言では無いメーカーである。
     そのメーカーの広告に抜擢されるということは、それだけの人気がある、またはそれだけの才能があるという意味である。
     Moiraは人気はもちろん、5人の才能も採用の理由らしい。
     今回は幅広い年齢層の中でも10〜20代をターゲットに絞っている部門の担当をすることになった。プチプラとしては少し値段は高めだが確かな品質が保証されていること、パッケージデザインが黒で統一されていることによるブランディング、コンセプトが「鋭い美しさ」ということもあり、特に「カッコいい」と言われる女性に人気である。

    「あたしめっちゃ買ってる」
    「柚葉ちゃん似合うよネ」

     そう、たとえば柚葉のような。

    「自分はマスカラが好きだな!色がいっぱいある!」
    「そっか、千咒ちゃんのまつげの色に合わせられるのってここだけかも」
    「まつげバッシバシになって好き〜」

     それぞれ私生活でもお世話になっているらしい。
     ブランド名bello。広告はパッケージと同じく黒がメインとなる。
     ユニット名Moira。可愛らしいイメージで浸透してきたが、そろそろ柚葉、千咒、エマを筆頭にした王道のカッコよさと赤音、ヒナのギャップのある美しさも推していきたいと考えている。
     タイミングバッチリ、お互いに利がある。
     今日は広告の内容を話し合うために、bello本社へと足を運んだ。

    「え〜!!待って全員肌質やばいんだけど!!」

     会議室で上がった女性にしては野太い悲鳴。その主はbelloに配属されている喋り方が女の人っぽく、可愛いものが好きな男、坂本。今回の企画のリーダーでもある。
     会議室に入った後の第一声がこれだ。それから、止まることのない弾丸トークであらゆるポイントを褒められて嬉しいやら照れくさいやらのMoira。

    「照れてる場合じゃないでしょ、ほら自己紹介」

     マネージャーに言われて、背筋を伸ばして改めて自己紹介。
     さて、坂本が落ち着いたところで今回の企画の話をしよう。
     CMではなくポスターなどの静止画の広告で、今まで通り黒がメインになる。また、広告だけでなくMoiraのロゴをあしらった限定デザインの生産や購入特典の考案など、やることは多い。
     まずは衣装を決めましょうか。
     衣装はもちろん黒一色で決まっている。スパンコールやビーズなども全て黒で統一。そのため、布の素材や裁ち方、縫い方などの基本的な部分のデザインで差をつける必要がある。その辺りを考えるのはデザイナーの役割で、Moiraが考えるのは大まかにどんな衣装が着たいのかである。今までの例としては、男性なら黒スーツにイメージカラーのネクタイを結んだりシャツで差をつけたり、女性であれば露出のすくない裾の長いドレスで僅かにデザインを変えたものが多かった。
     が、坂本が担当になったことで新たに挑戦していくことになったため、今回から衣装はだいぶ変わる。

    「黒で統一するのは今まで通り伝統として残すけど、全員同じ衣装じゃなくて全く違う衣装を用意したわ」

     その言葉の通り、運ばれてきたのは5つのドレス。
     柚葉はスラっとした体躯を活かすように、パンツスタイル。裾に向かって僅かに広がっていきワイドパンツっぽくなっていて、くびれの部分にブランドロゴに近い金色を置き、上半身はスッキリ見せるようにノースリーブで2枚の布が交差することで胸元が広めのV字になっている。
     赤音の上半身はチャイナドレスのようで、鎖骨、肩、二の腕にかかる部分はシアー素材とレース。スカート部分は王道のAラインでフワッと広がるデザイン。
     千咒はその白い肌を隠すようにタートルネックと30デニールのタイツ、ジャケットを着て、透け感のある脚をホットパンツで魅せる。
     ヒナはオフショルダーで胸元を広く見せ、ウェストに太めのリボンが背中で結ばれており、スカートの裾は赤音と同じくAラインで前は膝上、後ろに行くにつれ長くなり膝の少し下くらいの長さに落ち着く。
     最後にエマ、上半身のデザインは柚葉と似たようなものでかなり露出が多いが、スカートの裾は身体のラインに沿っていて、脚の露出はないように見えた。
     が、しかし

    「エマ、これいいな」
    「さすが」

     千咒と柚葉が指すのはエマのスカートに大きく入れられたスリット。太ももの半分まで真っ直ぐ入れられており、スリットの入った方の脚を前に出すだけでかなりの攻撃力がある。

    「ウチ背小さいのに、これでいいんですか?」

     不安になって坂本に尋ねるが、彼は笑ってオーケーサインを出すだけ。メンバーの中でもかなり高めのヒールを履かせるので問題ないらしい。
     問題ないのかなと首を傾げながらも、打合せは無事に終わり、一週間後の撮影に向けてフィッティングが行われた。
     坂本の「理想!私の理想が詰まってるわ!」という嬉しい悲鳴が響き渡る中、Moiraのマネージャーは粛々と仕事を片付けていた。


     無事に撮影を終えて、コラボ発表と共に取材を受けたりなんだかんだと過ごすうちにあっという間に発売日になってしまった。
     ポスターは数種類あり、各店舗一種類ずつランダムで配布されている。渋谷駅前には大きな広告とともに、bello本店には全てのポスターが展示されているということもあり朝から混雑を極めていた。
     ポスターデザインは、Moiraのメンバーひとりずつのもの各一種、全員で集まったものが一種、そしてコンビが十種と合計で十六種。そしてこの写真は購入金額によってランダムで配布されるブロマイドでも使用されている。
     芸能界屈指の大手事務所、黒龍の11期生として現在活躍中の九井一もまた、その広告と特典を目当てに変装をして渋谷に来ていた。その特徴的な髪型を隠せば、案外気づかれないので変装は割と簡単なものだ。
     しかし彼の隣で呆れている人物はしっかりと変装をさせられている。九井より先に8期生として入所していたが、九井と同学年ということもあり11期生と勘違いされがちな乾青宗だ。彼は目立つ顔立ちをしているのでメガネに帽子にマスクと不審者と思われても仕方ない格好をしている。彼自身はめんどくさいとやりたがらないのだが、今回は九井の趣味の付き添いのため無理やり変装させられた。
     九井の趣味というのは、いわゆる推し活である。推しはMoiraのお姉さん乾赤音、青宗の姉だ。
     幼い頃から好きだった人がまさかアイドルになるなんて。九井は常に泣きながら赤音に金を使い、同担を札束で殴ろうとする同担拒否のガチ恋勢だ。
     今日の目的はもちろん赤音が広告で持っているコスメを買い、赤音の限定ブロマイドを手に入れ、広告を写真に残し、あわよくばツーショットを撮ること。
     最後の二つはすでに遂行しており、あとは購入と手に入れるだけだ。女子が大勢いる待機列にいる変装したお兄さんたちはかなり怪しい。が、二人はそんなこと一切気にしていなかった。
     早く帰りてえ、ココが飯奢るっつーからきたのに。と明後日の方向を見つめる青宗。
     どうすれば自分も使うコスメを買いつつ全種類集めることができるか、どうやった交換に出すかを考える九井。
     彼らから少し多めに距離を取る前後の女子。

    「赤音さんめっちゃ可愛い。やばい、マジで」
    「そうかよ。あ?」

     SNSで公開された画像を何度も見て泣き出しそうな九井の隣で、青宗がいきなり声を上げてスマホの画面を九井に突きつけた。

    『青宗、これ多めに貰ったんだけど一くんいるかな?』

     送られてきた画像は赤音が写っている限定ブロマイド全種類だった。九井は号泣した。

    「もらうの」
    「う゛」

     赤音は九井が赤音のガチオタだとは知らないが、なぜか自分のグッズを集めているということだけは青宗から聞いて知っている。昔の告白は今も有効かななんて呑気に考えており、まさか恋愛感情を持ったファンになっているとは思っていないのだ。
     よし、赤音からもらうならもう帰ろうと列から離れようとした青宗が引き止められた。

    「何帰ろうとしてんの」
    「いや、貰うんだからいいだろ」
    「ダメだ。金を積まねえと。1枚持ってたところで他の奴らを殴れねえ。殴るには数が必要なんだよ」

     赤音さんから貰ったやつは額縁に入れて飾る。そう宣う九井を信じられないものでも見るような目で見て、青宗はため息をついた。
     オタクの考えること、意味ワカンネー。
     目論見通り、赤音が宣伝していたファンデーションとハイライト、そして金額調整のためのシェーディングを購入して十六種全てを集めた九井は、ご機嫌で黒龍の事務所に戻った。
     青宗はヤケクソで高い焼肉屋に連れて行ってもらうことに決めた。

    「一、青宗おかえり〜」
    「ただいまです!」
    「うっす」

     いつも挨拶が割と適当な九井がこんなにも元気に挨拶をしてくれるのは、Moiraの赤音ちゃんのおかげだなと黒龍所属1期生、通称初代の佐野真一郎は苦笑いをこぼして、買い物付き合ってえらいなと青宗の頭を撫でる。

    「欲しいもん買えたのか?」
    「買えました。ブロマイドもとりあえず全部揃ったんでどこに交換出そうかなって」

     インターネットのフリーマーケットか、SNSでの交換か。次のライブ現場での交換はリスクが高いので避けたい。

    「エマ、ちゃんどんな感じ?」
    「エマちゃん今回ヤバいって話題になってましたよ」
    「ヤバい?」

     その意味がわからず、九井に見せられた単独ブロマイドを手にした真一郎は今すぐ事務所を飛び出してエマのところに行きたいのをグッと堪えた。スリットから覗く白い脚、素肌、表情。映る全てがヤバかった。兄として心配になる。あとで連絡しよう。

    「お、千咒いる?」
    「俺は一回見た」

     後ろから声をかけてきたのは真一郎と同じく初代の今牛若狭、荒師慶三。そして千咒の兄、明司武臣。
     ワカとベンケイはデビューする前の千咒とトレーニングをしていた関係で千咒から定期的、というか毎日のように活動報告が上がる。おかげで今回のコスメコラボも公になる前から知っていた。いつか千咒がマネージャーに怒られるんじゃないかと心配はしている。
     一方、オミはそんなこと聞いていないと慌てる。千咒が意図して連絡していなかったのではなく、忘れていたのだ。単純に。どうせワカとベンケイから知らせられるだろうと思っているところもある。ワカとベンケイも千咒から連絡きていると思って知らせないのでオミはいつも知らない。後で泣いて千咒に電話して、ごめんごめん……めんどくさ!と笑って電話を切られるに決まっている。
     大の大人、しかも世の女性からきゃーきゃーと黄色い歓声を浴び、男性からは尊敬の視線を浴びる彼らが、10以上も離れた他事務所のアイドルに対して親のような感情を抱いていると誰が思うだろうか。
     今でこそ慣れたが、九井と初代3人互いにアイドルのオタクと保護者役という、世間に知られている姿には相応しくない一面に最初は驚いたものだ。

    「ココ、ココ」

     暇すぎて、とある人物とチャットで連絡をとっていた青宗が九井の肩を叩く。

    「ドラケンがエマのファンなんだと」

     再び見せられた画面には

    『エマちゃんのブロマイドっつーの?あれほしかったけど赤音ちゃん貰った』
    『イヌピーのダチ、赤音ちゃんファンだったよな』

    と表示されていた。
     ドラマで共演しバイクの話題で盛り上がって以来、よく連絡を取り合っている青宗とドラケン。
     まさかあの厳つい龍宮寺堅がアイドルのファンだなんて思っていなかった九井は衝撃を受けたがそれよりも、

    「マジで!?交換してくれんの!?」
    「欲しい人が持ってた方がいいからやるって」
    「交換する。エマちゃんのどれがいいか聞いて」

     ぽちぽちと、いまだに覚束ないフリック入力でゆっくりメッセージを送る青宗にヤキモキしながら九井は落ち着かない。

    『いいのかよ。できればエマちゃん単体、エマちゃん写ってればなんでも嬉しい』
    『赤音ちゃん、これなんだけどいいか?』

     送られてきた画像は、赤音単体と赤音と柚葉のブロマイド。九井は勢いよく頷く。
     青宗は呆れながら、赤音に強制的にプレゼントされた可愛らしい犬のスタンプで了解と送った。

    『次一緒になるのいつだっけ』

    そういえば。

    『3日後だ。その時持ってくよろしくな』

    犬がよろしくと伝えた。


     そして3日後。

    「お、イヌピー」
    「ドラケン。おらココ、交換すんだろ」
    「マジでいいのか。赤音さん」
    「いーよ。てか九井って赤音ちゃんのファンなんだな。意外」

     それはこっちのセリフだ。というか

    「赤音、ちゃん?」

     馴れ馴れしいその言い方が癪に障る。

    「え、あー、つい。九井はなんて呼んでんの」

     そっちに合わせるよ。九井は眉間に皺を寄せながら、さん付けだと吐き捨てた。

    「おっけー。赤音さんな」

     めっちゃ尊敬してんだな。そう言って笑う龍宮寺はアイドルファン、というかオタクには見えなかった。九井も見た目だけはオタクに見えないが。

    「そうだ、交換」

     龍宮寺がポケットから袋に入れたブロマイドを取り出す。九井はブチギレる。

    「テメエ!!ちゃんと保護しろ!!交換すんなら当たり前だろうが!!」
    「あ、そうなん?悪い、こういうの初めてだから。次から気をつけるわ」

     顔の前で両手を合わせる龍宮寺。顔面のいい男はよう……。九井は眉を顰めるが自分も顔面がいいことを忘れているのだろうか。
     文句を言いながらもブロマイドを受け取って傷や汚れ、折れがないか確認した九井はカバンからダンボールに挟まれた何かを取り出す。
     首を傾げた龍宮寺に舌打ちをする。

    「こうやって袋に入れて、折れないように厚紙や段ボールで補強する。んでまた袋に入れる。基本な」
    「へ〜ぜってえ折れねえし汚れねえ。すげーな」

     九井は誇らしげに、袋に入ったエマが映るブロマイドを広げる。この中からひとつ、等価交換な。
     龍宮寺は頭を悩ませる。どれもエマの魅力が最大限に引き出されていて、全部欲しくなる。

    「えっと……うわ、どれにしよ」
    「龍宮寺って意外とガチなんだな」
    「ガチ?」
    「いや、なんでも。ゆっくり選べよ今日撮影一緒なんだし」
    「あ、九井も一緒なのか。そういえば書いてあったな」

     もうちょい考えさせて、とブロマイドと睨み合う龍宮寺。その眼光の鋭さは誰が見てもアイドルのブロマイドで迷っているとは思わないだろう。
     そこに通りかかったのは東京卍會所属、花垣武道と松野千冬、柴八戒、通称H3年組の一部。H3年組には元同中出身の溝中五人衆も含まれるが、今日は不在。

    「何やってんすかドラケンくん」
    「お、タケミっち、千冬、八戒」
    「あ!それ柚葉映ってるやつある?」

     龍宮寺の肩を掴んで覗き込んだ八戒は、姉の柚葉を探す。

    「は?あぁ、姉貴か」
    「そうそう。アイツ俺のグッズは欲しいから寄越せ買うけどくれって言うくせに、俺たちにはくれねえの。今回どんな感じなん?」

     おー、いい感じじゃん。八戒の姉貴相変わらず美人〜と囃し立てる。

    「あ、ココくんもしかしてヒナが映ってるやつ持ってたりします?」

     傍から覗き込むのは武道。九井と青宗とはそれぞれ舞台やバラエティで共演したことがあるので馴れ馴れしい。

    「あるぜ。ほら」
    「おー!ヒナ今回も可愛い!てか黒も似合うしかっけー!」
    「花垣もいるか?これ」
    「いやでも俺交換できるもの持ってなくて」
    「じゃあ今度買いにいけよ。ヒナちゃんなんだっけ、あぁ、チークか。いんじゃね?」
    「適当すぎんでしょ」

     そもそも自分でメイクしない武道にとって、チークなんてさらに使う機会がなくて買うのを少し躊躇う。が、コラボ先の商品買って、次に繋げろ!という九井の熱に押される。

    「ちなみにドラケンは何買ったんだよ?」

     赤音のブロマイド2枚貰ってるということは最低でも2個ほど商品を買っていると考えられる。

    「エマが宣伝してたリップの濃い方と、黒いネイル」
    「ふ〜ん……あれ、エマ?呼び捨て?」

     チャットではチャン付けじゃなかったか?と九井が目敏く指摘する。

    「あ、えっと……」

     どう言い訳したもんか。

    「ドラケン!」

     突然後ろからかかってきた声は、聞き覚えのあるものだった。
     眉間に皺を寄せて悩んでいた龍宮寺がパッと顔を明るくしてそちらを振り返る。そこのいたのは

    「エマ、」
    「赤音さん!?」

     Moiraの面々だった。実は今日、同じテレビ局で同じ時間、違うスタジオで撮影があるのだ。
     龍宮寺に駆け寄るエマと、ブロマイドを放置してエマの方へ行く龍宮寺。現場で会うのは久しぶりだ。

    「ブロマイド、九井くんが交換してくれるっていうから選んでた」
    「ブロマイド?」
    「エマの。単体は決まったんだけどツーショどれにするかって。赤音、さん、が映ってるやつは九井がダメって言うから」

     そうだ。何か思いついた龍宮寺がエマの手を引いて九井の前に連れて行く。

    「エマが選んで。どれ俺に持っててほしいか」
    「え、え、え」

     何が起きているのかわからないのはエマだけではなく、九井も。しかしエマが戸惑いながらも一枚九井の手から引いたのは、千咒とのツーショット。

    「これ、ウチのイチオシ」

     ていうか、買ったの?ウチらコラボしたやつ。
     うん。広告見たから。嘘である、広告を見る前からSNSでの告知を見て買うと決めていた。
     連れ去られたエマを連れ戻すためにMoiraの面々もこちらにやってくる。

    「ヒナ、元気だった?」
    「タケミチ君!うん、元気だよ」

     こちらも以前共演した連続ドラマで恋人役を演じた組。仲がいい。

    「俺もヒナのブロマイド欲しいんだよね。男でも買いやすいおすすめのコスメある?」
    「うーん、メイクさんに今度聞いてみるね。あ、ブロマイドならヒナ持ってるよ!あげよっか?」
    「え!いいの?じゃあ、今度ヒナが気になってたカフェ行こ」
    「やったー!じゃあその時ね」

     なんとなく、どことなく甘い空気にマネージャーは若干の焦りを覚えていた。アイドルが恋愛しないで。できればバレにくい一般人とかにして。そんな願いは儚く燃え尽きてしまうのだが、まだ先の話。
     収録時間が迫っているMoiraは先に離脱。残された男たちはその背中を目で追った。

    「はぁ……赤音さん今日も可愛かった……やばい」
    「わかります。ヒナめっちゃ可愛かった」
    「何の番組って聞いてなかった。後で聞こ」
    「柚葉が音楽番組だって言ってたよ」
    「さんきゅー八戒」

     後々、番組の収録で現場にいないMoiraの話で盛り上がり過ぎてスタッフに怒られる黒龍と東京卍會であった。


    「エマのブロマイド?エマから貰った」
    「積むに決まってんだろ」
    「エマは俺のこと大好きだからランダムでも1発で来る」

     上から佐野兄弟1、2、3。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💗💗💖💖❤❤💞💞💘💘
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    DONE⚠︎最初から最後まで全部『ONE PIECE FILM RED』の結末のネタバレです。自己責任で。
    ⚠︎ONE PIECEを少し齧っている人間が書きました。原作と異なる点があるかと思います、ご容赦ください。

    REDからしばらく経ったある夜の話。

    見終わった後、速攻マブに連絡して生まれたオタクの幻覚です。
    マブに支部の垢バレるの恥ずかしいのでポイピクで。
    赤髪海賊団の音楽家 今晩レッドフォース号の不寝番を担当するのは、副船長のベン・ベックマンと何人かの船員。ベックは今日は甲板の担当だ。他は晩飯を食べ終わって、自由に過ごして勝手に自分の部屋で寝て始まる。
     僅かに残っている夜更かし共が集まる食堂にベックは足を運んだ。

    「まだ起きてんのか。誰か俺と当番代わってくれんのかよ」

     そう言うと全員揃って首を横に振る。自由にする夜更かしが好きなだけで、義務の夜更かしである不寝番は嫌なのだ。それを分かった上で揶揄ったベックはくつくつと笑いながら、小さな宝箱を開ける。あ、と小さく溢したのは誰だっただろうか。
     ベックはその中の電伝虫を手に取って、シーっと人差し指を口元に立てた。
     今日の波は穏やかで、雲ひとつない星空は宝箱と見間違うほど輝いている。そんな中、ベックはハンドレールに置いた電伝虫を起こした。
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