「三度の飯より剣術稽古。剣術使い、雪童子!」
「一切合切凍て尽くす。妖術使いの雪女!」
「幻冬素雪、雨露霜雪。鬼の桜雪姫」
桜雪姫は違和感を感じながら二人に続いて、即興で考えたセリフを言いながら言われた通りに目元を隠していた布を手の甲で上げ、顔全体が見えるようにする。そして布を術で消す。
「雪国代表!」
「凍結専門家!」
「白銀世界」
そして一斉にそ各々のポーズを取る。
「「「雪見連合だ!」」」
その状態をしばらく保って、ある程度経つと桜雪姫はポーズを解いて二人に聞いた。
「満足しましたか?」
「うん!」
「えぇ」
二人は満足そうにポーズを解いてこちらを振り返る。自分の知っている二人と姿が少し違うし、雰囲気も違う。自分の知っている二人はこのようなことをしないだろう。世界が違うだけでこのように変わるのか、と桜雪姫は興味を持った。
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