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    YukinoameKaran

    @YukinoameKaran

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    YukinoameKaran

    DOODLE小説に昇華しきれないメモ。かれこれ2年ほど考えているがなかなか形にならないので上げ。いつか完成するといいな
    雪女と雪童子 雪山に住む雪女。気の向くまま雪山を彷徨っていると、大きめの木の根元に体を預け眠っている雪童子を見つける。近付いて観察する。角が生えており、妖力も感じるので妖怪である事はすぐ分かった。しかしこんな厚着なのか薄着なのか分からない中途半端な格好で大丈夫なのだろうか。ぴくりとも動かないので死んでいるようにも見える。温度を感じないので本当に死んでいるように見える。しかし容態を見ると死んでいるようには見えない。雪女は興味がわいて雪童子をじーっと見続けた。触ってみたいが、もし生きていて自分の体温でさらに凍えさせてしまったら大変だと我慢する。ぴくりとも動かない雪童子を見続け、視線を落とした雪女は腹の上にある細長い穴が空いてある六角形の綺麗な飾りに目が止まった。盾のようなものだろうか。戦うとしたらこの子はどうやって戦うのだろう?武器を持っていないようだが素手で戦うのだろうか?それとも自分のように術を使う?それだったら盾はいるのだろうか、などと考えながら、触ってみたくなり引き寄せられるように飾りに手を伸ばす。すると今まで死んだように動かなかった雪童子の手がゆっくりと動き、雪女の手のひらに己の手の甲を触れさせ、飾りに触ろうとするのを優しく阻止する。雪童子の目がゆっくりと開き、薄い水色の瞳が雪女のほうを向く。
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