Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ikura_trr

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    ikura_trr

    ☆quiet follow

    一生ナオしじょタイムスリップ小説が完成しないので供養。
    途中で終わってます

    またねカエルさん「ねぇ、如城って宇宙人信じる派?」
    「なんなん急に」

    紅葉の並木道、落ちた葉を踏みしめながらクラゲカットの彼女は言う。
    赤い空は黒くなり始め、次第に肌寒さも覚える。
    秋は早く早くと冬へと変わり始めていた。

    「テレビで言ってたじゃん、この国のサークルは宇宙人がやったんだ!この人は宇宙人に襲われたんだー!ってやつ。
    家で見てたら気になっちゃって」

    「そんなこと一日中考えてたの?」

    彼女はコソコソと見つからないようタバコを咥え、ポッと火をつける。
    赤い光に照らされた彼女は流石と言うべきか、とても絵になっていた。

    「愚弟がさ〜、そんなのいないって言うから何となくね〜」

    「あ〜、禊なら言いそうだねぇ。んなもんいるなら目の前につき出せ!って言いそう」

    その言葉にひとしきり笑うと彼女は「確かに」と彼女は煙を吐き出す。
    ゆらゆらと吐いた煙のすぐ近く、木の間から不自然な動きがするのが少し気になった。


    * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

    「…如城?」

    恐らく高校の制服であろうモノに袖を通し、特徴的だったインナーカラーは何処へやら、紺色の髪を高く結んだ幼めな彼女が目の前にいた。

    本来なら今頃ソーサーを置き、如城と一緒にペコポンを観光しているはずだが
    自慢のソーサーはこんな時に限ってエンストを起こしている。
    アンチバリアは正常に起動しているからいいものの、もし効かないペコポン人に見つかると一大事だ。

    …そして、何より目の前の状況だ。
    何故彼女の髪の毛は伸びている?確かペコポン人の制服は18かそこらまでしか着ないはずだ。
    濃い隈も知っている時より若干薄く感じる。
    ワープ空間に何か問題があった?…前例は幾つかある。

    あーでもないこーでもないと時間とともにグルグル思考をめぐらせる。

    …そもそも今、ペコポンの季節は秋では無いはずだ。
    7月上旬、梅雨が明けるか明けないか、そんな時期に紅葉なんてあるわけが無い。
    事前にペコポンの日付や時刻は調べていた。そこに狂いは無い。
    なのに今目の前の風景は葉は紅くはらはらと落ちている。
    吸うと、肺に入る空気が冷たく感じる。
    冬が近い、そんな味だ。

    ワープ中にエンストしたことが主な要因だろう。
    1度冷えるのを待つしか無いが、はてさてどうしたものか…。

    「ねぇ」

    「…」

    「ねぇってば」

    「……は?」

    「でっかいカエルさんだね。紡ちゃんが言ってた宇宙人かな。
    初めて見た」

    考えるのに夢中になり過ぎて、背後に回られたことに尻もちをついてしまった。
    目の前に如城らしき人物がいる。
    不思議そうに拾ったであろう木の棒で腕の辺りをつんつんと突く。

    「宇宙人てなんかもっとグレーって言うかおどろおどろしい感じだと思ってたけど、案外可愛いもんだなぁ」

    「ちょ、如城突くのやめて」

    「いや突かずにはいられないって言うか……なんで私の名前知ってるの?」

    若葉色の大きな瞳がぱちくりと開く。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works