本科さまはお猫様。2度目の聚楽第への遡行経路が閉じた頃、この本丸は開かれた。
だから、監査官と呼ばれた己の本科の姿を知る機会は無く、戦場以外に出る機会もない俺にとって、山姥切長義として顕現した本科の姿も見たことはない。
だから、政府から配属となった刀剣や、時折やってくる他本丸の同位体に聞いたことがある。本科はどんな感じなのかと。それぞれに本科との話をしてくれるが、最後にはこう言うのだ。「猫みたいな刀」だと。
それは、南泉みたいな感じなのか?と本刃に聞いたことがあるが、「俺とは全然ちげーよ」と言われた。それでも、南泉も猫っぽいと言っていたから、南泉とは違う感じの猫なのかもしれない。毛色が違うみたいな感じの。
そんな感じで、聚楽第以外の特命調査は完遂し、後は聚楽第への遡行経路が再び開かれる頃を待ちわびていた頃、シール産という形で、本科はやってきた。
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