エニニへ
手紙なんてガラじゃないのはわかってる。
でも、どうしても言いたいことがまとまらなくて、こうして筆を取った。
...あの日、リムサ・ロミンサで本当のエニニを見た日だ。身体中に血を飛び散らせて、双剣を真っ赤に染めて笑ってるエニニが本当に怖かった。でもその後、ずっとエニニの事ばかり考えてた。
この人についていきたい、この人が冒険する未来をずっと追いかけたい...って。これは恋...っていうより憧れなんだ。
自分の正義を絶対に曲げないその強さに惹かれた。嫌うはずなんか無い、軽蔑なんてできやしない。
もっとエニニ、あんたの事を知りたかった。
でもオレはクリスタルタワーと一緒に眠る。これは封印しなきゃいけないものだからだ。
正直、誰かのためになるならって誇らしい気持ちの片隅に、どうしようもない悔しさがある。...だからこれは、せめてもの抵抗、というかわがままだ。
同封された赤いリボンがあるだろ?犯人探しをしてる時にマーケットで見つけたんだ。絶対エニニに似合うと思って、ウルダハに向かう前に買ったんだけど、渡す機会が中々無くて。
身に付けなくてもいい。捨てても構わない。
それをつけて、双剣を手に戦うあんたを見たかった。...ただそれだけ。
短い間だったけど、友達でいてくれてありがとう。
エニニの冒険に幸多からん事を。
グ・ラハ・ティア