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    ブレワイリンク✕転生リーバル(8歳)

    #リンリバ
    limba

    なし空前の厄災リンクブームなんですが、前々から考えてたこの設定も放出
    厄災ガノンを封印してから10年経ってる設定です。リンク30歳(最近リンクを三十路にしがち)


    もはや戦後という言葉は死語になりつつあった。ガノンが封印されてから10年、新生ハイラル王国はゼルダ女王を筆頭に目覚ましい復活を遂げ、いま王国として若芽の時期を過ぎ、花開く寸前だった。

    王族親衛隊隊長並びに国家元首補佐書記長という肩書を持つリンクはその日、年に一度の英傑祭のため昼間から様々な式典に出席していた。
    諸外国の要人や国内貴族の間にあってほぼ平民上がりのリンクは地位功績共に引けをとることはなかった。
    胸につけた数え切れないほどの勲章が重い。「退魔の騎士は勲章コレクター」と裏で呼ばれていることも知っている。その功績を称えられるため、リンクはありとあらゆる勲章を王国から授与されていた。
    百年前のガノン戦で命を落とした英傑の魂を慰めるため……か。
    誰よりリンクは知っていた。彼らの魂はこの世にもう存在しない。シーカー族の間では死んだ者の魂は輪廻転生を経て新しい命に生まれ変わるという。
    それなら、ウルボザもダルケルもミファーも。
    …………恋人であったリーバルも。
    自分の知らないところで生まれ変わり、そしてこの平和になった世で幸せに暮らしているのだろうか。
    もしそうなら、どれだけ。


    夜、リンクはひとり、屋台や演し物で賑わう城下町を歩いていた。
    英傑の魂をねぎらうため、ランタンを飛ばす事ができるのだ。リンクは毎年必ず参加していた。夜空を数え切れないランタンが飛ぶ様は壮観そのものだ。
    英傑の魂を慰めるため…と言っても飛ばす者のほとんどは美しい光景目当ての観光客であることが多い。一部のゾーラ族を除けば、みなが笑顔で楽しそうにランタンを飛ばすのだ。
    リンクはそれでいいと思ってる。もう、戦後ではない。


    ワァー!という歓声が上がったのはそんな時だった。
    なにか騒ぎか揉め事だろうか、そう思い声の出所に向かうと、楽しそうなリトの子どもが何人もフワフワと浮かんでいるのが見えた。
    その子どもたちの下には大きな見慣れない機械があり、その機械から上昇気流が発生している。子どもたちはその風を受け羽を広げフワフワと楽しそうに浮かんでいるのだ。
    「さあー!英傑リーバル様の上昇気流を味わえる出し物だよ!リト以外の子どももパラセールを使えばリーバル様気分を味わえるよ!」
    店主らしきハイリア人の男が客引きをしている。
    リーバル?いまリーバルだと言ったか?
    「店主」
    「あっお兄さんもしたいのかい?すまないけど大人は体重が重くてね、受付できないんだよ」
    「それはいいから、それより、この機械は、リーバルってのは一体…」
    「ああ」
    店主は得意げに説明始めた。
    「お兄さんも英傑リーバル様の伝説を知ってるかい?なんとリーバル様は前に進むしかできないと言われてたリトの常識を覆し、其の場から垂直に浮くことができたんだと。それでそんなリーバル様に敬意を表し、つくったのがこの機械さ!」
    「リーバルに……」
    「仕組みは簡単さ、風車を横に寝かせただけなんだけど、このハンドルを回せば1分程度は自動で風を垂直に起こせるんだ。子どもなら浮きやすいからお手軽にリーバル様の気分を味わえるってわけ」
    「そうか……」
    「お兄さんも子どもがいたらやらせてみる?」
    「いや……いい」
    他の客が来たのを潮時とばかりに、リンクはその場を離れた。
    またワーッと叫ぶ声がする。振り返ると小さなリトの子どもが何人も楽しげに浮いていた。中には祭りで買ってもらったのか、狐のお面を被った子どももいる。
    …………少し、人のいないところに行きたくなった。ランタンは飛ばせないかもしれないが、催しは今日だけじゃない。明日、またみんなのためにランタンをあげたらいい………

    背を向けた、その時だった。

    「どうだい、今の?君にはとても真似の出来ない芸当だろう?」

    ――声が

    「上昇気流を発生させ空高く舞い上がる僕の技……」

    ――声が、なぜ、いま、言葉が、いま

    「空の支配者リトの中でも芸術品とまで言われるテクニック」

    「この技を以てすれば厄災ガノンに対して有利に戦いを進められること、間違いなしだよ」

    リンクは、ただゆっくりと振り返った。

    「そして、一族でも最高と称えられる弓の使い手」

    雛が
    狐の面を付けた、紺の羽の小さなリトの雛が、リンクと向き合っていた。

    「つまり、この僕」
    「――君なのか」
    リンクは、跪き、リトの雛の面に手をかけた。
    「君なのか……」
    面を外した下から出てきたのは、黄色の眉、頬紅、瞳が……瞳の色だけが違った、青い、リンクと全く同じ色の瞳の色
    「リンク」
    雛が名前を呼んだ時、リンクは雛を強く強く抱きしめた。
    叫び声はあげられなかった。声のない叫びがリンクの口からついで出た
    「リンク、リンク、リンク」
    鈴のように高い声で名前を呼ばれるたび、リンクは思い出すのだ、それは百年ぶりの感覚だった
    己の体に血が通う感覚を


    「はじめて自覚したの、たぶん4歳ぐらいだと思う。あれ?ボクの今の体って英傑リーバルじゃなくて、違う体なんだって」
    「えっ、今何歳なんだい?」
    「この夏で8歳になるよ」
    リンクが膝の上に乗ったリーバルの体を眺めると、リーバルは頬を膨らませてリンクの腹を蹴った。
    「いたいっ」
    「言わなくたってわかってるよ!8歳にしちゃ小さいって言いたいんだろ!百年経っても失礼なヤツ!」
    「俺、まだ何も言ってないけど」
    「顔に書いてある!!」
    「痛い、痛いって」
    「そんな鋼みたいな腹筋してるくせに何が痛いだよ、嘘つき!」
    「ごめん、ごめんって」
    「絶対思ってないくせに!ニヤニヤしてるし!」
    「ごめんったら」

    ちからつきました🫠
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