ミプが水族館に行く話(会話のみ)「なあ、クリプト、ラッコが何で手をつないで寝るか知ってるか」
「いや…知らないな」
「なんでも知ってるクリプちゃんでも、知らないことあるんだな」
「うるさい…分野が違うから知らないだけだ、で、なんで手をつなぐんだ、ミラージュ博士」
「よくぞ聞いてくれたなぁ、コホン、あーそれはな、野生のラッコは潮の流れに流されないように海藻を巻き付けて寝ることが多いんだが、
こういう水族館に居るラッコは潮の流れを気にしなくていいのに、本能的に手をつないで寝るんだとよ」
「…驚いたな…ウィットにしたら、物知りじゃないか」
「何だよ、俺にしたらって…!くそ、ちょっとその言い方気になるが…そうだろこないだ動物のドキュメンタリー番組でやってんだよ」
「ふっ…だろうと思った、単純すぎるな」
「なんだよそれっ」
「クリプちゃん」
「ん…どうした」
「いま、誰もいないから、手、つないでもいい」
「なんだ、いきなり…」
「手、つないでないとさ、クリプちゃんもふらっと、どっか行っちまいそうだ」
「ウィット…」
「あー、いや、嫌ならいいんだ、悪いな、お前こういう所で恋人じみたことするの嫌だったよな、悪い忘れてくれ」
「おい馬鹿ウィット、何も返事していないだろう、俺の意見を聞いてもないのに、勝手になかったことにするな」
「えっ、いや、んなんでそっちに怒ってんだよ、あっ、え、クリプト」
「…少しの間だけだぞ…誰か来たら、離すからな小僧…」
「〜〜ックリプト…お前ってさ、ほんっと可愛いよな〜」
「うるさい、黙れ、あの水槽にお前を落として、サメの餌にでもなるか」
「おー怖い怖い、俺の恋人は暴力的だなあ…まあそんな所も含めて好きなんだけど」
「……なあ、ウィット…」
「うん…どうした、クリプちゃん、やっぱり水槽にドボンしてきた方がいいか」
「馬鹿、本気にするな。さっきの話の続きだ…俺は…、急にお前の前から姿を居なくなったりしない、手なんかつながなくとも、俺はお前の傍を離れるつもりはない」
「クリプト…っ、あ~もうほんとお前ってやつは…俺もだよ、俺もお前の傍から離れないし、離す気もないからな、覚悟しとけよ、おっさん」
「はっ、どうだかな、この間ファンの女の子に詰め寄れて、デレデレとにやけ面を晒してたのはどこの小僧だ」
「えっ…あ…っ、なんでそれ知って…お前あの日オフだったろ」
「お前の事は、何でもお見通しなんだよウィット」