僕が知る前まで愛を伝える僕らが恋人になってから数カ月が過ぎようとする頃、何気ない会話から彼の元恋人の話になった。
⚰️「それで?貴方はここへ来る少し前まで、その方と一緒に居られたのですか?」
🏈「いや、来る前って言ったって、一、二年前の話だぜ?」
⚰️「だからなんだって言うんですか?貴方に触れていいのは今までだって僕だけでありたいのです。
それで、ウィリアムさんは以前の恋人にどこを触られましたか?」
コーヒーを片手に持ちながらソファーに腰をかけているウィリアムさんは少し驚いたような表情を見せた。
そんなウィリアムさんが視線を反らせないよう頬に手を添え、できるだけ優しく問いかけた。
⚰️「貴方はその恋人に何をされていましたか?それは心地よかったですか?嬉しかったですか?僕ならウィリアムさんが満足するようなことを目一杯してあげられるのに、貴方は僕よりもその人が好きなんですか?僕の方が貴方のことを愛せるのに…」
🏈「イソップ…?」
⚰️「答えてください。以前の恋人にされたこと全て」
🏈「えっと、キス?かな…」
目線を反らしながらに言ったキスという単語。
恋人同士なら普通のことだ。
でも僕自身が何をそんなに嫉妬しているのかわからなく、彼が困っていても自分を押さえられなくなってしまった。
⚰️「それはどこにされましたか?」
🏈「えっ?どこって……ん、お、おい!」
返事を待たずに僕はウィリアムさんの唇にそっとキスをした。
⚰️「唇へのキスは相手への深い愛情を表しています。そして、瞼は愛しい以上の強い憧れをもつ意味。鼻は相手を大切に思う強い気持ちの意味。
敬愛を意味する手の甲…全て僕が貴方に与えてあげます。」
言葉を紡ぐ間も彼の身体にキスを落としていく。
⚰️「貴方は僕のものなんです。誰にも触れさせたくない。僕だけのウィリアム。」
🏈「っ、おい!」
彼が話しかけているのに気づけずその行為は続いた。
🏈「おい、イソップ。お、、、い!やめっ、聞けって」
僕が正気を取り戻すまで、上書きは続いた。
彼がいくら泣いてもやめない拷問のような辱しめを与え続けた。
⚰️「すいません、取り乱してしまいました。」
僕は何もウィリアムさんに嫌われたいわけじゃない。
彼が嫌がることは極力したくはないけど抑えが効かなかった。
🏈「あのな、俺は別にイソップよりも前の恋人の方がいいなんて話してないぜ?それに俺にとって、イソップは一番大切だぞ?」
ウィリアムさんは僕がやったのと同じように、頬を両手で包み正面から目を合わせ、逃げられないようにした。
こちらをじっと見つめてくるウィリアムさんはどんどん頬を赤くしていった。
愛おしい、こんなにもウィリアムさんは愛らしいのだと再確認した。
⚰️「すいません」
あぁ、きっと僕の頬も貴方みたいに赤くなっているんでしょうね。