「困ったことがあったら、アカデミーの校長室へおいで」
それは湯の国への任務を終えて、木ノ葉隠れの里へと帰って来た時のことだった。任務の打ち上げと称して食事をしたあと、その別れ際に六代目火影がミライにそう言ったのだ。
しかもウインク付きで言われ、見た目に似合わずお茶目な人だとミライは思った。ミライの父とは歳が近く友人だったらしいが、自分の父もこんな感じだったのだろうかと勝手に想像する。
その時ミライは、六代目火影に授けられた〝将棋で師に勝つための策〟を手にして意気揚々としていた為、火影の発言を何も疑いもせずに「わかりました!」と元気よく答えたのだが、あとになって首を傾げることになった。
なぜ、アカデミーの校長室なのだろうと。
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