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    エル87

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    エル87

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    【初夜企画 in winter】

    お泊まりの夜を過ごす🐿️💚♀
    🕵️と依頼人の世界線で書いてますが、シリーズを読んでなくても読めます

    #pr1ma_n0tteWinter

    リラックス、リラックス…探偵と依頼者という立場からお互い惹かれ恋人になったリアスと光ノ。つい先日初めてキスをした。光ノ自身初めてのキスに恥ずかしさを感じながらも光ノの頬に添えるリアスの手が優しく、自分は愛されているというのを近くで感じ、幸せな気持ちになった。

    その日以降会う日には必ず一回以上キスをするようになり、お互いの愛情も深まっていった。そうなると次のステップに進むのも時間の問題だ。

    前夫とも行為をした事はあるが、あまりにも自分勝手な手つきに怖くなり途中やめてほしいと懇願し、最終的に呪術を使い動きを止めたらしい。
    だからこそリアスは大事な光ノの初めてをどうしようか暫くの間考えていた。

    ◆◇◆◇◆◇

    光ノは次のステップに向け、色々試していた。
    少しでも肌触りが良いように脱毛サロンに足を運んだり、気分が上がるように可愛い下着を見に行ったり買ったり…。

    リアスが安易に光ノに手を出して来ないのは、前の男が体を重ねる行為に嫌な思いを残していったことに気を遣ってるから。
    その優しさに感謝をしながらも、リアスともっと触れ合いたいと光ノは思い始めていた。

    『来月空いてる日あるか?』
    11月に入った頃、光ノの携帯に一通のメッセージが入った。相手はリアス。開いて確かめると、探偵調査が落ち着いてきたので、来月リアスの家でお泊まりをしないかというお誘い。

    来月は特に予定は入ってない
    もし仮に呪術の依頼と重なったら、兄にお願いしてやってもらおう
    と先に兄に謝り、光ノは空いてる日を送った。

    お泊まり自体は初めてではない。回数自体は今回で四回目。一回目は夏に避暑地へ一緒に泊まりに行き、二回目は光ノを実家に送ってすぐ大雨が降りリアスが光ノの実家に泊まった。三回目はリアスの家で楽しくお酒を飲んでいたら、いつの間にか二人共床で寝ていた。そして今回は前回とは違い、リアスの家にちゃんと泊まりに行く。
    という事はきっと…。

    優しく笑いながらリアスは光ノにキスを送る
    溶かされるようなキスに光ノが夢中になっていると、服の中にリアスの大きいゴツゴツした手が入ってきて…

    プシュウーと頭から湯気が出ているような錯覚に陥る。自分が淫らな妄想をしている事に光ノは恥じいた。
    「…沢山準備しないと」
    そう意気込んで、光ノはスマホで検索を始めた。

    ◆◇◆◇◆◇

    お泊まり当日。どんな風に夜を迎えるものなのか悩み、妄想している間に夜が空けていた。
    「寝ないようにしないと...」
    眠たい目を擦って、何度も確認をしたカバンをもう一度開いた。

    何かあった時用の大きめのタオルも入ってるし、可愛い下着も入ってる
    大丈夫

    自分を落ち着かせるように光ノはカバンのチャックをきっちり締めた。そしてプライベートブラウザで何度も開いているやり方についてもう一回見直した。

    ◇◆◇◆◇◆

    『家の前着いた』
    午後4時。軽くメイクを終え、髪を整えているとスマホに通知が来た。
    リアスからの連絡に慌ててカバンを持って家の外に出ると、既にリアスが立って待っていた。

    「お待たせしました...!」
    「そんなに待ってないから、な?」
    とリアスが答え、光ノの荷物をヒョイと持った。
    「あ、ちょっと!」

    光ノがカバンを取り返そうと腕を伸ばすと、その伸ばした手を荷物を持っていないリアスの手に捕まえられた。慣れたように指を絡めてくるリアスに光ノは少し恥ずかしそうな、でも嬉しそうな笑みを浮かべてギュッと軽く握りしめる。そんな姿の光ノに満足しながら、リアスは光ノに合わせて足を進めた。


    リアスの家に着き、ウーバーに配達をしてもらいゆっくりと食べ始める。しかし、二人共夜を意識しているせいか会話はあまり弾まなかった。
    夕飯も食べ終わり、二人でゆったりとしていると時間は既に20時。

    そろそろ用意を始めよう
    とリアスが立ち上がり風呂入ってくると言うと、光ノはリアスの腕を掴んで止めた。

    「あの、リアス...」
    「ん...?」
    「お風呂、先もらっていいですか...?」
    少し顔を赤らめながら聞いてくる光ノにリアスも何故か恥ずかしさが伝染し、上手く返事が出来なかった。

    それを肯定と捉えた光ノは自分のカバンから着替えを取り出し、風呂場へ向かった。
    リアスの家はあんまり広くない。つまり、風呂場の音がリビングに丸聞こえなのである。
    風呂場から微かに聞こえるシャワーの音に込み上がってくる熱に理性で蓋をした。それでも尚出てこようとする熱を抑えようと、リアスは自分のベッドへ向かった。

    光ノが泊まりに来ると聞いて、軽く用意はしている。ベッドをもう一度見ると、敷いたシーツが少しよれていた。恐らく気にしないとは思うが、よれてる所をピンとさせ、ベッドサイドを確認した。

    ゴムもローションも新品
    下に敷く用のふわふわなタオルもあるし、水分補給用のペットボトルも置いてある

    正直な所、リアスとしては今日上手くいくよりも何処かしらで終わるだろうと考えていた。勿論、光ノ自身が初めてで一気に最後まで出来ないからというのもあるが、それ以上に行為自体が怖いものでないと教えたいと思っているからだ。
    それでも何が起こるかは誰にも分からない。念には念を重ねて、リアスは爪にヤスリをかけた。

    「お風呂いただきました」
    丁度10本の指全てにかけ終えた後、光ノの声が聞こえてきた。返事をして戻ると、湯船に浸かって温まったのかほんのり頬をピンク色に紅潮させた光ノが髪をタオルドライしている。その姿が色っぽく、リアスは軽く顔を逸らしてタオル越しに頭を撫でた。髪を絞っていないのか、タオルがかなり水を吸って冷たくなっている。

    「風邪引くからちゃんと髪乾かしておけよ」
    と洗面台からドライヤーを取り出し光ノに渡すと、そのまま風呂場へ向かっていった。

    手渡されたドライヤーを大人しくつけて光ノは大人しく座って髪を乾かしながら考えた。

    可愛い下着もつけたし、身体をスベスベにするクリームも塗った
    あとは、メイクをするかどうか

    流石にお風呂上がりに軽くメイクをするのは抵抗があり、一度持ってきたメイクポーチを取り出すも、そのまま持ってきてしまった。リアスに対してすっぴんは何度も見せてはいるし、光ノ自身も特に見せることに対して抵抗はない。しかし初めてについて調べていく内に、ガッツリでなくていいからナチュラル程度のメイクはして欲しいという男性意見を見つけてしまい、考えていた。

    「リアスは、どっちがいいんでしょう」
    リアスはすっぴんの時もメイクしている時も光ノを可愛いと褒めてくれるので、恐らくどちらにしても特に気にしないだろう。しかし、初めてするとはいえ多少なりともリアスにも良い気持ちになって欲しいという想いは光ノの中に存在している。
    ネットの意見のようにリアスの気分がアガるというならナチュラルメイクをするし、そのままの方が良いならそのままにしたい。

    メイクポーチを膝に載せて髪を乾かしてボーッとしていると、どうした?と声をかけられた。

    「リアス、もうあがったんですか?」
    「いや15分くらい立ってるし、そんなに短くはないと思うけど...」
    とリアスは目線を下げ、光ノの膝の上にあるメイクポーチに気付いた。このまま聞いてしまおうと光ノはドライヤーを一度切って、床に置いた。

    「メイクはした方が良いですか…?」
    「メイク...?」
    と言われて、リアスは考えた。

    きっと体を重ねる時の話をしているのだろう。恐らく男の気分がメイクによって作用されるなんて記事を読んだに違いない。そういう記事は”癖”が集まる場合もあるので、正直見て欲しくないという気持ちも出てきたが、それ以上に光ノの方も少し乗り気に準備してくれているのかもしれないとリアスは考え始めた。

    調べてくれているなら自分もちゃんと答えねば

    「もしかしたら何かの拍子に泣いた時にメイクの粉?が目に入るかもしれないし、俺が久々に光ノのすっぴん見たいからしないで欲しい」
    と正直に伝えると、光ノは分かりましたと少しホッとしたような顔をしてメイクポーチをカバンにしまった。

    「まだ髪完全に乾いてないからここ座って」
    長いせいかまだ濡れてる光ノの髪を見て、リアスは自分の足の間を軽く叩いた。

    風邪を引かせない為が一番の目的だが、それと同時に今の内から少しずつ触れ合って緊張を解させることも一つの目的だ。
    そんなこともつゆ知らず、光ノはおずおずとリアスの間に座った。

    ドライヤーのスイッチを入れ、熱くなりすぎないように髪から少し距離をとって風を当てる。優しく髪をすくって優しくおろす。艶のある髪は滑らかで、乾かすとどんどんサラリと指からすり抜けていく。軽く手ぐしをしながら乾かすのは思っていたよりも楽しい。
    今度美容院に行く時に髪の乾かし方について聞くか
    なんて考えながら、光ノの髪を綺麗にしていった。

    一方で家族以外に髪を触られ少し驚きながらも、リアスの優しい手つきと丁度いい熱風に眠気がやってきた。寝てはいけないと思いながらもお風呂上がりで体はポカポカと火照っていている。そういえば、昨日はあまり寝れていない。一番大事な睡眠をしていないことに光ノは気付き、内心慌てながらも瞼は重くなっていった。あともう少しでくっつく、というところでいきなり温かい風が冷たい風になった。少し眠気が覚めるとドライヤーの電源が切られ、終わりと声をかけられた。

    「先にベットに行っててくれ、髪乾かしたら行くから」
    「は、ぃ...」

    眠気を擦りながら光ノはリアスのベッドの方へ向かい、リアスは手に持っているドライヤーでガシガシと自分の髪を乾かし始めた。水滴が落ちなければいいだろう。ある程度乾いたと思い、リアスはドライヤーのスイッチを押し電源を抜いた。洗面所の棚の中に入れ、ベッドへ向かう。

    ベッドの真ん中に光ノはちょこんと行儀の良い親戚の子供のように座っていた。自分のベッドに光ノがいることがまだ信じられず、幻覚じゃないことを確かめるためにリアスは光ノの隣に座り手を握った。湯船に浸かったはずだが既に冷たい。

    「少し横になろうな」
    とリアスが奥に入り腕を広げる。広げた腕に向かって光ノはポスっと飛び込んだ。湯冷めしたのか手だけでなく、身体も少し冷えているようにリアスは感じた。足元に折りたたんでおいた毛布を広げ、光ノと自分の体の上にかける。
    いつもリアスが使っているベッドと毛布からはタバコのスモーキさが少し混じったリアスの匂いがした。

    大好きな人の匂いに包まれながら大好きな人と一緒にいる
    これが幸せなんだろうなと光ノが噛み締めていると、リアスは光ノの首筋にキスを落とした。光ノもお返しと目の前のリアスの鎖骨にキスをすると、リアスはデコルテから上の部分にキスを何回か落として行った。
    キスされた時のくすぐったさと温かさ、リアスの匂い、どんどん温かくなる体。
    眠気はまた光ノの元へやってきた。
    服越しにリアスが優しく愛撫を始めると余計に体に温かさが広がり、さらに眠気を誘発させる。
    今日は絶対に寝ちゃいけない日、それなのに...
    瞼はどんどん重くなり、頭もボーッとしてくる。
    頑張って起きようとするが、睡眠不足もあってか体は一切言うことを聞かない。
    リアスと、今日する予定、だったのに...

    毛布をかけてキスを落としたあたりから、リアスは光ノの様子がおかしいことに気付いていた。自分の腕の中でうつらうつらする様子にもしかして眠いんじゃと思っていたが、ここで指摘をするときっと頑張って起きようとするだろう。だが、体を重ねる行為は無理をしてまでやる行為ではない、勿論そういう癖の人もいるだろうが。少なくとも初めての光ノには無理して起きてまでさせたい、とはリアスは思えなかった。ならリアスはどうするべきか。

    寝かしつけるか
    そう思い、リアスは愛撫していた手を少しずつやめて背中やお腹らへんを優しくポンポンと叩き始めた。すると光ノは余計にリアスに対して安心感を得たせいか、さらに瞼が重くなりとうとう目を完全に閉じた。

    光ノの顔に手を滑らせると、肌触りの良い肌にうっすらとクマが見える。
    結局触れられたのは顔と首とデコルテの三箇所だけだが、前のお泊まりに比べて肌がスベスベしているようにリアスは感じた。きっと今日に向けて見えないところで綺麗になる努力をしてくれていたのだろう。光ノに対して愛おしさが湧き、さらにリアスは光ノを抱き締め頬にキスを送った。

    「初めてはまた今度、な」
    とリアスも初めてに向けての緊張が解れたせいか、すぐに眠気がやってきた。光ノの甘い匂いを最後にリアスの意識は遠ざかっていった。
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