ニキくんの握手会に参加したファンが謎に無自覚マウントとられる話(燐ニキ)「会いに来てくれてありがとっす〜!」
"ニキの栄養スマイル"を向け大きな手で握手してくれるニキくん。いつもテレビで見るニキくんが目の前にいる。長時間並んだ疲れも吹っ飛ぶくらい目の前のニキくんはかっこよくて可愛くて、「いつも応援してます」「これからも頑張ってください」という応援の言葉もつっかえつっかえになってしまったけど、ニキくんはニコニコしながら頷いてくれた。
それにしてもやけにこっちのことじっと見てきてるなと思ったらニキくんは不意に顔を近づけてきた。
エッ!?って思わず声を出してしまうとニキくんはパッと離れて、「もしかしておねーさん、燐音くんの香水付けてます? ほら、最近発売したやつ!」とニコニコしながら聞いてきた。
そう、私は最近発売した天城燐音イメージのフレグランスを付けていた。Crazy:B箱推しの私は全員分のフレグランスを持っていたけど、一番燐音くんのフレグランスが好みだったので思い切って付けてみたのだ。
「よく気づきましたね」私が色んな意味でドキドキしていたら、ニキくんはふふんと得意げな顔をした。可愛い。
「これでも僕、鼻が利くんで! 分かっちゃったっす♪」
可愛い、ニキくん。可愛い。
「それ、燐音くんもお気に入りなんすよ〜!毎日付けてますもん」
へぇ、そうなんだ〜!自分のイメージフレグランスが発売されて嬉しかったのかな、燐音くん☺️
「お風呂上がりとかもつけてるからベッドとかにも匂い移っちゃって〜」
……ん?風呂上がり?ベッド??なんでニキくん知ってるの……??
「なはは、僕も四六時中その匂い嗅いでるから。思わず反応しちゃったんす」
し、四六時中……嗅いでる……?ン???
「すんません!急に近づいちゃって。よかったら、これからも香水使ってくださいね」
ニキくんは嬉しそうな、はにかんだ笑みを見せてくれた。
なんだ?何を聞かされたんだ??怒涛の情報に私が軽く放心していると、
「お時間でーす」
「あっ、もうっすか? じゃあまた! 会いに来てくれてありがとね〜!」
ニキくんはぎゅ、と手に力をこめて握りこんでから、ふわりと手を離した。そして離れ際に一言。
「おねーさん、この後時間あったら燐音くんのレーンにも行ってあげてほしいっす。燐音くん、自分の香水つけてる子が来てくれたらきっと喜ぶと思うっすから」
またね〜♪とニキくんは手を振ってくれた。私も無心で手を振りながらニキくんのレーンを後にした。
先程の話を統合すると、燐音くんはプライベートで天城燐音イメージのフレグランスを纏わせているらしい。お風呂上がりも、寝る時も。
そして、そのことを何故かニキくんは知っているし、四六時中その匂いを嗅いでいるらしい。ってことはつまり。
(無自覚マウントかよ〜!!!)
恐るべし、椎名ニキ。私は心の中で燐ニキありがとうと天に感謝しながら、長蛇の列ができている燐音くんレーンの最後尾に並んだ。ニキくんと話したことを燐音くんにも伝えようと、固く心に決めながら。