Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    kanaria_niji

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 😍 🙏 🐯 🐼
    POIPOI 18

    kanaria_niji

    ☆quiet follow

    6/25烏輪にキスしてJB2023の無配です。
    新刊の🐯🐼燐ニキの世界線のある日の一コマですが読んでなくても分かると思います〜

    窓から差し込む陽光と、カーテンを揺らす優しいそよ風。麗らかな春を思わせるような、穏やかな午後のひととき。
     自身の膝を枕替わりにしながら呑気に微睡む彼に、ニキは呆れた様子で三度目になる声かけをする。
    「燐音くん、いい加減足痺れてきたんすけどぉ。そろそろどいてほしいっす」
    「ん〜……」
     耳をぴるぴると動かしながら、燐音は甘えるような仕草でニキの太腿に顔を擦り寄せる。お腹を天井に向ける無防備な姿勢で、長いしっぽはゆらゆらと揺れて気まぐれにソファを叩いていた。野生を忘れたケモノのリラックスモードである。
    「もう、起きてってばぁ」
    「……」
     燐音の行動を嗜めても、当人はどこ吹く風だ。ニキは小さくため息をつくと、読んでいた料理本をサイドテーブルへと伏せる。
    「仕方ないっすねぇ……。言うこと聞かない燐音くんにはこうっすよ!」
    「キャハッ、やっと構ってくれる気になったァ?」
     燐音のふわふわな茜色の髪の毛に指を差し込み、くしゃくしゃと撫で回す。すると、燐音は嬉しそうに喉を鳴らしながらもっと、と言うようにニキの手に頭を押し付けてきた。猫がじゃれつく姿を彷彿とさせる燐音の行動に、ニキは思わず苦笑する。
    「なは、ほんとに猫ちゃんみたいっすよ、燐音くん」
    「だから、誰が猫だっつゥの」
     文句を言いつつもニキの手から離れようとしない辺り、満更でもないのだろう。ニキは愛おしそうに微笑みを浮かべると、乱した髪を梳きながら整えてやる。
    「なはは。燐音くんのこんな姿、故郷のひとたちが見たらどう思うんすかねぇ~?」
    「……冷めるようなこと言うなよなァ」
    「だって本当のことじゃないすか」
     燐音は眉間に皺を寄せながら不満げにニキを睨む。
    「俺っちの甘えたな姿を見れンのはニキだけなの。ニキにだから、俺っちはこうして全身で愛を伝えてンの。わかる?」
    「……そーいうの、ちょっとずるいっす」
     じんわりと頬を染めるニキを見て、燐音はようやく満足そうに笑った。ニキの肩を抱き寄せ、その柔らかな頬に淡い口付けを送る。
    「なァ、甘えん坊なニキが見れンのも俺っちだけだろ?」
    「…………」
     頬を赤らめたまま困ったように眉を下げるお嫁さんの表情に、燐音の胸はとくんと高鳴る。上機嫌なまま、燐音はニキのまるいしっぽを揉みながら頬や鼻、目元に口付けを落とす。とうとう我慢できなくなったのかニキは「んぃ~!」と鳴き声をあげながら燐音に勢いよく抱きついた。
    「もうっ、燐音くんがちゅっちゅしてくるから変な気分になってきちゃうじゃないっすかぁ……」
    「きゃはは! そりゃあ悪ィことしたなァ。どれどれ、旦那さんが責任取ってやンよ」
     燐音は悪戯っぽく目を細めると、ニキの肩を優しく押す。弱い力でも簡単に押し倒されてくれるニキに、彼は大きくしっぽを揺らしながら覆い被さった。
    「なァ、俺しか見れないニキの姿、たくさん見せてくンねェ?」
    「……しょうがないっすね。燐音くんにだけ、特別っすよ」
     ニキは恥じらいながらも、どこか期待に満ちた眼差しで燐音の首に腕を回した。燐音は愛おしそうに目を細めると、ゆっくりとニキの唇を塞いだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works