【ニキマヨ】ランタンと星空の話 よく晴れた少し肌寒い夜だった。
「……マヨちゃん、今日この後って空いてるっすか?」
夕飯を食べながら、ニキがマヨイにそう耳打ちをした。
お泊まりレジャー隊全員で談笑している中での耳打ちは、飛沫の共有のようで特別感がある。
特に予定もないため、マヨイは深く考えずにはいと答えたが、いつもより緊張してみえるニキの様子を少しだけ不思議に思った。
「……どうか……されましたか?」
「別に大したことじゃないっす!
この建物、天体観測ができる部屋があるって書いてあったんで、一緒に見に行けたらいいなって思っただけで」
「わかりました。
楽しみですねぇ」
この場にいる全員ではなく、『一緒に』なんだ。
それがまた特別の共有のようで、胸の隅が少しくすぐったくなる。
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