はじまりの話-続き 寝不足。ストレス。心労。
それがここ最近の、土井半助の悩みだった。
ほとんどは仕事の事だ。相変わらずの一年は組についてであり、学園長先生から与えられる無茶振りについてだ。
そこにもう一つ、新しい悩みが加わり、土井の思考を圧迫していた。
新しい悩みを、どう解決したものか。
土井次第でどうにかなる悩みであるが、土井一人では解決しきれない。
そして、誰にも相談できない。
ある程度の結論は出しながらも、土井はその問題と、つまり雑渡昆奈門との対話を先延ばしにし続けていた。
そんな日々が続いていた、ある日の夜更け。
土井は忍たま長屋の廊下を歩いていた。生徒が眠りにつき、灯りが消え始める頃だ。
見回りではあるが、不審者の警戒というよりも、生徒たちを見るのが主な目的だった。
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