培養槽ガンマト 柔らかな青い光に包まれていた。
思考はまだぼんやりと霞がかって上手く働かない。ただ心地の良い浮遊感があり、温かなものに包み込まれているような安堵感があった。こぽこぽと音を立てて、時折足元から透明な泡が立ち上っていく。肌に布をまとう感覚はなく、視界の端に揺蕩う前髪が淡い光を受けて銀色に輝いていた。
どうやらこの身は裸のままで水の中に浮かんでいるらしかった。それなのになぜ息が苦しくないのか、どうしてこんなところにいるのだろうか。奇妙な状況に、疑問符が頭の中に浮かんでは霧散していく。不思議と恐怖も不安もなかった。恐らくこれはそういう夢なのだろう。
マトリフは胎児のように体を丸め、まどろみの中にじっと身を預けていた。
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