愛するきみへ 7:20
朝身体を起こすと、深酒をしたわけでもないのに随分と頭が痛かった。バスルームで用を足し、鏡に映ったふて腐れた顔を横目に洗面台から鎮痛剤の入れ物を掴む。キッチンに行くと、カウンターに折りたたまれた手紙が置いてあった。
二つ折りになった紙の真ん中に良く知った筆跡で自分の名前が、右下には彼のサインがしてある。
ことりと薬の容器をカウンターに置いて、代わりに重ねて折られた紙を開く。
『ふぅふぅちゃんへ
この手紙を読む頃には、俺はもういません』
息を大きく吸って胸に溜めてから、長く吐く。頭痛が酷くなった気がした。
8:00
薄い塩味のビスケットを二枚食べてからオレンジジュースをグラスに半分だけ飲む。グラスを空にしてから水を一杯までいれて、痛み止めを二錠口の中に放り込む。舌に乗った苦みを水で流し込みながら、手紙の続きを読んだ。
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