未定 アーモロートに聳え立つ摩天楼の一棟。アゼムに用意をしてもらった部屋に案内をされたコレーはドキドキと足を進める。古代アラグ帝国よりも発展しているであろう文明に胸が高鳴り、自分では到底理解の及ばない魔法の技術が込められた建築に感嘆のため息が溢れるばかりだった。以前第一世界の海の底、エメトセルクの創り出した虚構のアーモロートを見たことはあったが、それとは違う、今実在する場所として目にできる事がとても嬉しかった。
「広い部屋を取っておいたから自由に使って。私はこの後明日の会議の準備と君を帰すための術式探しに行ってくる。明日の会議は君もカピトル議事堂に来てくれるかな? 場所はわかる?」
部屋の前までコレーを案内したアゼムは仮面の下から微笑むとコレーにも明日の十四人委員会の会議への出席を求めた。緊張はするけれど一応自分も当事者のためコレーは頷いてエメトセルクのアーモロートを思い出す。あれと違わないのであれば場所はわかる。
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