『いつか、再びの逢瀬を』最初は、ただ雪が珍しく身体が冷えるのも構わず空から純白の景色に見惚れ、その冷たさと儚さに驚いた。
いまは、そのあたたかい手に触れたくて雪を受け止める。
「ああ、またこんなに冷えて」
そう言いながら嫌な顔もせず、手をあたためてくれる貴方への気持ちは日々、嵩を増していくのに対し、雪が降る日は減っていく。
近づく雪解けを感じて、そのあたたかい手を握り返して、指を絡めた。
「あ、」
冬に咲く、凛とした花の様な貴方は戸惑ったように小さく声を上げて私を見る。
言葉の代わりに真っ直ぐにその菫色の瞳を捉えて、射ぬく。
やや間があって、小さく頷くと菫色の瞳が濡れて頬を濡らした。
止んでしまった雪を見ないように互いだけを見詰めて、唇に触れて熱を分け合う。
ーーこの手を掴んでどこか遠くへいけたら……
思わず口をついて出た言葉に貴方は、私に身体を預けて言った。
「いつか、会える。きっと。だから……
刻んでほしい、俺に。お前を……」
ああ……手を離さないで、雪の様に白い肌に花を咲かせて、いつかの日の夢をみましょう、一緒に。