少しヤマトの話 団長がお宝を盗んでる間考えていた。
今日は団長が新しい街でお宝を持ち帰る日である。
実際問題そのお宝に価値があるのかは分からないが、価値というのは時間が経つにつれて後からついてやって来るものであるとミツキは考えていた。
ミツキは団長の持ち帰るお宝にはじめから価値を感じることはなかったが、かつては自分もそのお宝だったのだから笑える話しだ。
今回はどんなお宝を盗んでくるのかと自分の長くなった髪を指で遊ぶ。
ここにやってきたときから今まで髪は切っていない。この髪は、身寄りのなかったミツキに居場所ができた年月全てだ。腰あたりまで伸び切った髪は愛着はあるものの、邪魔になるので一つに結んでいる。
髪の先を指でくるくると巻きつけながら、最近は資金集め用のお宝を持って来ることが多かったので、今回もそんなとこだろうと思考を巡らす。
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