母親が娼婦だったこと、そういう行為を物心ついたときから間近で見ていたこと、その母が行為の最中に殺人鬼によって殺されたことが彼のトラウマ。
殺人と性行為が記憶の中で完全に結びついてしまっているため、彼の中では性行為や色欲そのものが嫌悪の対象になってしまっている。気持ち悪くて怖くて恐ろしいもの。
なので年齢的に女の子とかそういうことに興味を持つはずだけれども、そういう本能より嫌悪感の方が勝ってしまっているのでみんな大好きエロ本とかAVとか…そういう類のものに近寄らない。
ただ、周囲と比べて自分の方が異質なことは気づいてる。なので周りがそういう話してても加わりこそしないが別に否定もしない。
そういうスタンスが中華街女子にはむしろ「硬派」だとウケてモテ要因の一つになっていたりする。ただし当然ながらお付き合いとかにも応じない(これはまた別の理由もあったり…)。
母親と同じような職に就く女性について特に偏見はない。生きるためにしていることというのを理解している。
ただし彼女らを買う客については嫌悪を示す。客がいるから商売が成立するというのは分かっているのであからさまに態度には出さないが、内心は穏やかではない。
当然自分がそういう対象として、性行為の代償として金品を提示されたりするのは自分に対する最大の侮辱だと考えているし、そういったことをするくらいなら死んだ方がマシだと思っている。煽り耐性はめちゃくちゃあるがこの辺は逆鱗。マジギレする。
怒るというのは逆にいえばとても恐れているということでもある。深層心理では自分がそういう対象とされることを嫌悪し、とても恐れている(殺意を向けられるのと感覚がリンクしてしまっている)。
媚薬なんて盛られようものなら恐らく発狂もの(自分が忌避するものに強制的に自分が染められてしまうということであるため)。
体調崩したときに人から逃げ回って誰にも頼ろうとしないのは、人に迷惑をかけたくないということ以外に、体調を崩したときには高確率で過去の夢を見ると本人が知っているから。
寝言で叫んだり、殺人鬼の名前を呼んだりしているのを見られたら周囲に心配される、ドン引きされる、そうでなくともろくなものではない自分の過去を好き好んで知られたくはないし、余計なトラブルの火種になりかねない、と本人は考えている。