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    subaru_no_iine

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    subaru_no_iine

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    以ぐだ♀
    ・現パロ・転生なし・坂本探偵事務所
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ぐだ子は立香
    ・元ストーカーぐだと元こじらせ以
    ・完全に甘い

    前回の話のおまけです。本当なら前回分に入れるはずだったはずだったものです。後先考えないから…

    #FGO
    #以ぐだ♀

    しあわせな蛇足 以蔵が立香に恋をしていた――。
     立香にとってはあまりに現実味がなく、過ぎた想いの見せる幻覚かとも思ったのだが。
     七時過ぎに、スマホが通知音を立てた。
    『おはようさん』
     今まで能動的に送られることのなかったLINEのメッセージに、立香はいっぺんに覚醒した。
    『二日酔いしてないか、のうは悪くないか』
     文章特有の、以蔵の標準語寄りの言葉遣い。愛しいものを与えられて、胸の内側が潤う。
    『大丈夫、問題ないです』
    『ならえいけど』
    『心配?』
    『彼女さんを心配するのは当たり前だろう』
    (彼女さん、ってわたしのこと)
     昨夜の告白は嘘でも偽りでも、夢でも幻でもなかった。
    『今日の学校は何時から?』
    『土曜だから休みです』
    『二度寝しなよ』
     今までのうっすらしたものではない、はっきりした気遣いを向けられて、涙がこぼれそうだ。
    『以蔵さん、好き』
    『わしも』
     今までの『知っちゅう』という答えとは明らかに違う。以蔵の気持ちが、立香に向けられている。
     立香と同じ時期から恋心を抱いていた、ということには思うところがないでもないが――今は想いが通じ合ったことを素直に喜びたい。
     黒ポメラニアンが『!』マークを浮かべているスタンプが送られた。
    『今日予定はあるか』
    『いつも通りカフェから以蔵さんちに行く予定です』
    『少し時間くれ』
     今までなかった誘いに動揺する。
    『直接渡したいものがある』
     立香はフォウくんが『OK』と言っているスタンプを返したが――
     改まって、なんだろう。
    (悪いことじゃなければいいけど……)
     そう考えてから、するべきことを思い出す。
     今日は休日。つまり、以蔵のために少し手の込んだ料理が作れる日だ。
     昨日はあんなことがあったから、食材の買い出しはできていない。
     せっかく早起きできたのだから、近所のスーパーの朝市に行ってみよう。お得価格の商品を見て、献立を考えたい。
     そう思いついたら、行動せずにはいられない。
     立香は早速顔を洗おうとユニットバスに向かった。


    「ご苦労さん」
     保温バッグを肩がけして現れた立香に、以蔵は指定席から手を振った。
     行きつけのカフェの内装には何の変わりもないはずなのに、光と色彩が満ちているように感じてしまう。その真ん中にいる以蔵の周りには、きらきらと星が舞っている。
    「まぁ、座りぃ」
     以蔵の言葉に、正面の椅子を引いて腰かける。やって来たウエイトレスにホットのオレンジペコを注文して、メニューをテーブルの端に寄せたら、以蔵が呼びかけてきた。
    「立香」
     その、少しばかりかしこまった口調に、こちらも背筋が伸びる。
    「なんでしょう」
    「これ、やる」
     以蔵が取り出したのは、一封の茶封筒だった。
    「わたしに? 開けていい?」
     以蔵はうなずく。
     テーブルに置かれた封筒を早速手に取ってみた。手触りから、手紙の類ではない。小さくて重いものが入っている。
     封はされていなかったから、逆さにしてみる。口からこぼれたのは、鍵だった。
    「これ、どういう……」
    「いつまでも郵便受けの鍵使われるわけにはいけんきの」
     ぼそり、と言葉をかけられる。
     その言葉に、いっぺんに胸が熱くなった。
     昨日までの立香はストーカーだった。以蔵の家に入るには、マンション一階の郵便受けに置いてある合鍵を使っていた。
    「思ってはおったがじゃ。あこに置いちょったら防犯上問題がある。うちには盗るもんはないけんど、こん先何があるかはわからん」
    「実際、不審者が入り込んでましたしね……」
    「不審者が何か言いゆうな――まぁ、ほがなわけで、さっきこれ作ってきた。好きに使いぃ」
     以蔵は頬を染めて視線を逸らした。
    「いいの?」
    「彼女さんに不法侵入さすわけにゃいけんろう」
     目頭が熱くなるのがわかった。鍵を握りしめる両手が震える。
     昨日まで、まったく脈がないと思っていた。なんとかして以蔵に振り向いてもらえるようにと、必死にすべを模索していた。
     嘘みたいだ――でも、嘘ではない。
    「あぁ、こがなことで泣きな。おまん、涙腺がちゃがまったかえ?」
    「以蔵さんのせいだよ……好き……」
     なんとか落涙はこらえて、目許をハンカチで押さえる。そして、前々からうっすら考えていたことを伝えようと思いつく。
    「以蔵さん、わたしね、ずっと以蔵さんのごはん作ってたでしょ」
    「なんじゃ、毒でも入っちょったか」
     以蔵は愉快そうな笑顔を作った。斜めになる唇の角度がかっこいい。
    「そうじゃなくてね……人間の身体の細胞って、どれくらいの周期で入れ替わるか知ってる?」
    「わしが知るわけないろう」
    「粘膜は三日、皮膚は一ヶ月、血液は半年、骨は三年――らしいの」
    「それがどいた」
    「だから――以蔵さんの身体、わたしのごはんだけでできるようになればいいなって」
     以蔵は数秒口を開けた後、唾を飲み込んだ。
    「つまり……おまんの作る飯でわしん身体ぁ作らせぇ、と」
    「うん」
     以蔵は大きく嘆息する。
    「おまん、おっもい女じゃのう」
    「重い、よね」
     語尾が濁ってしまう。
     確かに重いと思う。こんな執着を向けられて、不愉快になる人もいるだろう。
     言うべきではなかったのかもしれない。
     しかし目の前の愛しい人は白い歯を見せた。
    「重いがは知っちょったき、今更じゃ。ほがなとこも全部含めておまんじゃ。こがなことできろうたりはせんき、安心しぃ」
     好きな人から肯定される。しかも、自分の欠点だと思っていたところを。
     立香が好きになったのは、こういう人だ。
     時に目先の欲に流され、困ったことも引き起こすけれども、心から想ったものごとに対しては真面目な人。自分がするべきだと決めたことをやり遂げる人。
     好き――。
     しかし今ここで以蔵を困らせてはいけないので、なんとか物理的に口を塞ぐ。
     そんな立香を見て、以蔵は優しい顔になった。
     運ばれてきた紅茶に砂糖を一杯半入れて、香りを味わいながら口にする。
    「もうわしん身体は血までは入れ替わっちゅうわけじゃな」
    「うん」
    「骨もあと二年で」
    「そう」
    「……好きにしぃ。わしは出されたもん食うだけやき」
     その言葉に大きくうなずく立香だったが、実は話には続きがある。
     人体において、代謝の激しい部位は頻繁に入れ替わるが、そうでない部位もある。
     脳や心臓の組織は、ほとんど入れ替わらないという。
     しかし、『ほとんど』ということは、少しは立香にも割り入る余地があるということだ。
     できれば、わずかでも脳や心臓に立香の爪痕を残したい。
     もちろん、まだまだそんなことは伝えられないけれど――


    「何作ってきた」
    「角煮。コーラで煮たの」
    「ほにほに、えいのう」
     手を繋いで以蔵の家に着き、三階までの階段を上る。
     ドアの前に着いて、以蔵は立香を見た。
    「鍵、開けとうせ」
     その言わんとすることを一拍遅れて理解して――顔に血が集まった。
     今までのように忍び入るのではなく、手順を踏んで正式にこの家に迎え入れられる。
     この鍵は、その象徴だ。
    「以蔵さん、ありがとう……」
    「頼まれたことして礼らぁて言いなや」
     大きな手がオレンジ色の髪をかき混ぜる。
     鉄製のドアノブの鍵穴に鍵を差し入れ、回す。
     がちゃ、と施錠の外れる音はストーカーだった時と同じ音なのに、今はとても温かい。
     そっとドアを開け、勝手知ったる玄関に入る。
     すかさず腕を引かれ、厚い胸に頬を押しつけられる。
    「もう離いちゃれんぞ」
     ドアの蝶番が鳴り、熱い吐息が耳朶を打った。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・ふたなり
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    両想いになります!話自体は両想いで終わる予定なんです(すれ違いも盛り込まれますが)幸せな空気を目いっぱい吸っている以ぐだちゃんだけを見ていたいですけどこの話オメガバなんですよ(ゲス顔)お互いに相手をわかり合ってるのいいですよね🙆‍♀️
    すてきなわたしの夢 7 金曜の夜、イタリアンバルのドアの前で、会計を済ませる立香を待つ。
     ほどなく、上機嫌の立香が出てきて以蔵の腕にしがみついた。
    「いぞーさん、お待たせ~」
     ハートの絵文字が見えるような口調だ。
    「そしたら、行こっか。いいお茶買ったの、淹れて飲もう」
    「茶か……茶なら、ちっくと飲むがが遅れたちえいろう?」
    「え?」
     以蔵の言葉が思いがけなかったのだろう、立香は目を丸くした。
    「ケーキ買うてあるがじゃ。今夜はうちん家に来んかえ」
    「ケーキ……なんで?」
    「おまんと食いとうて」
    「なんで、うちじゃなくて?」
    「おまんと話いとうて」
    「何の話だろ……」
    「着いたら話す。おまんがえいなら行くぞ」
    「はい」
     以蔵の腕に掴まり、立香はふわふわと歩を進めた。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    ジュンブラで本になります。
    実は漫画家鉄蔵先生という設定はこれありきではなく展開の都合上生まれたのですが、天才が存在する・絵がうまいからやっていけるわけではないというのがキャラクターに合ってるなと思ってます。
    少し風向きが変わってきて、二人はどうなるんでしょうね。
    わたしのすてきな夢 6 何度か『取材』を重ねた。
     少しずつ、立香のクレバスの様子が変わりつつある。
     硬直していた襞に柔軟さが宿り、一本だけなら以蔵の指を受け容れられるようになった。
     しかも、縁の花弁の厚みがわずかだが増した。
    (こがぁにざんじ変わるがかのう……?)
     と、疑問を覚えるが、ネットにはαやβがホルモンバランスを崩してΩへと変化してしまったという話もあるので、そんなものだろうという感覚でいる。ネットの話に信憑性を見出すのも間違っているかもしれないが。
     人一人の身体を作り替えてしまっている、ということの恐ろしさも感じるものの、
    (まぁ、本人がえい言いゆうことじゃき。わしは知らん)
     今夜も立香のしなやかな脚の間に陣取って、長く伸びたものと狭い穴に愛撫を施した。
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    subaru_no_iine

    PROGRESS以ぐだ♀ オメガバース β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ご都合主義
    ・メリバの予定
    割と岡田の行動が酷い男寄りです。純情を踏みにじられたと怒っているので、今は見逃してやってつかあさい。βは『男が会計を持つもの』と思っていますがαは『αが持つもの』と思ってそうです。そういう常識のギャップを描くのも楽しいです。
    前半パートと後半の頭をWebで公開して残りは本に入れようと思っています。
    わたしのすてきな夢 5 最寄り駅のロータリーに、知らされていた通りの黒に近い濃紺の色のセダンが滑り込んだ。
    「以蔵さん!」
     車窓から身を乗り出して手を振る立香を危なっかしいと思いながら、以蔵は助手席に乗り込んだ。
    「お待たせ」
    「言うほど待っちゃぁせんよ」
    「じゃぁ、待ってなかったってことにしようかな」
     くすくすと小さく笑いながら、立香はアクセルを踏んだ。
     先日のオフィスカジュアルもフェミニンだったが、私服だとよりその傾向が増すらしい。
     ショート丈の白いジャケットに、紫色のシアースカートを合わせている。メッシュ素材が運転席のレバーなどに引っかかりはしないかと心配してしまうのだが、本人は気にしていないらしい。
    「車らぁ、持っちょったがか」
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    subaru_no_iine

    DONE以ぐだ♀ オメガバースパロ β×α
    ・ゆるふわ土佐弁
    ・ゆるふわ漫画業界
    ・今後バッド~メリバエンドになります
    ぐだちゃんと岡田が逢いました!次はRがつきます。漫画業界の話をするとここがオメガバースの世界だってことを忘れそうになりますが、オメガバの世界だってみんな普通に生活してるんだよな…と思い出します。βから見たαとΩを考えるのも楽しいですね。
    わたしのすてきな夢 3『やりました!』
     立香は歓声を上げた。
    『五百バズですよ!』
     しかし以蔵は現実を知っているから諌める。
    「漫画で五百らぁ、珍しゅうもないですき」
     イラストで『バズった』と言われるには、最低でも一万はいいねがついていないといけない。
     以蔵はそんなにいいねをもらったことがない。コミックスの表紙イラストを発表した時でさえ、千いいね程度だった。
    (しかもほれも、わしの実力でもろうたわけやないきのう……)
     けれど立香は、興奮を抑えない。
     きっと頬を赤くして、目をきらめかせているだろう――と考えてから、
    (わしはこん人の顔も知らん)
     と、当たり前のことに思い至る。
    『わたしは漫画やイラストのことはわからないですけど、このブランドを担当してから五百いいね行ったのは初めてなんです!』
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