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    ぎぃ。

    @gigigigiiiii
    ぎぃ。だよ!!!
    ポケモン絵と創作絵と過去絵とかもなんかアップ出来たら見やすいんじゃないでしょうか?

    二次創作SSもおいてるよ。ラッシャイ!!

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    ぎぃ。

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    🐍の怪異と門倉さんは今夜もわちゃわちゃ

    しずく、しずか、しずむ【一三】「僕、アルバイトしようと思って」

    そんなこと言われたら鼻からビールも出る。
    「ちょっと、なにしてるんですか!?」
    「ゲホッ……そりゃこっちの台詞だろが」
    盛大に吹き出したビールを拭きながら、とりあえず話だけは聞くことにした。
    「だって、門倉さんっていつも疲れて帰ってくるじゃないですか。僕、何もしていませんから、負担を減らしたくて……だから──」
    「やめろ!馬鹿っ!」
    テーブルを拭いてた俺のふとももに絡みついてくる白い尾、せめてちゃんと脚にしてから言えよ。
    「で、おまえは自分で何ができると思ってんの?」
    「たとえば、コンビニの接客とか」
    「コンビニの接客とか?」

    想像してみる。こいつがレジに立って、接客してる姿。
    手際は良さそうだな。スムーズにこなしていく。あれ、意外といける……?

    「──それで、僕、たくさん観察するんです」
    観察?それって働き蟻を見るようニュアンスで人間を、か?
    「いや、そんな理由で許可できるか!ダメだ!!」
    「ええ?」
    「他にないのか、もっと無難なやつ」
    「じゃあ、動物園の飼育員とか」
    「動物園の飼育員とか??」

    また想像してみる。爬虫類コーナーならワンチャンあるか?蛇と仲良くしてて、子供にやさしくて……いや、まあ、ギリいけるかも?

    「けど、おまえ小動物相手にできるのか?ふれあいコーナーのうさぎとか……」
    「そうなんです。うさぎとかモルモットとか、震えて出てこなくなっちゃって。なぜでしょう?」
    なぜって、いやどう見ても理由は明確だろ。
    「そんなの動物園側がパニックになるだろ」
    「そうかもしれません」
    「うぅん……、他には?」
    「メイド喫茶とか」
    「メイド喫茶とか!?!?」

    想像、したくねぇよ。
    というか、おまえ上半身がさぁ、男じゃん……。

    「はい、僕、できると思います」
    「その自信はどっから来るんだよぉ……」
    「ご主人様と、ご奉仕と、おかえりなさいませと、オムライスと──」
    「断片的なメイドだなぁ」
    「でも、合ってますよね?」
    「いや……まあ、概ねは……って違ぇよ!おまえ写真に写んねぇだろ。メイド喫茶って撮影サービスとかあるんじゃないの?」
    「門倉さん、詳しいんですね。もしかして──」
    「ちがう!!」

    正直、疲れてるのはおまえのせいだって言いたい。

    でも、言えないよな。
    一応、建前だったとしても、俺のためにアルバイトしたい、とか言ってくる一ミリくらいの健気さはあるわけだ。こんな足に絡まってくる怪異でも、な。

    「まあ、でもよ。無理すんなっていうか……おまえにはずっと家にいてほしいっつーか」
    「門倉さん、それって……」
    「ん?」
    「ずぅーっとここで暮らそうってことですか!?」
    「言ってねぇ!!」
    カラコロと、空いたビール缶が床を転がっていく。

    ああ、俺はいつもこうだ。
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