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    ぎぃ。

    @gigigigiiiii
    ぎぃ。だよ!!!
    ポケモン絵と創作絵と過去絵とかもなんかアップ出来たら見やすいんじゃないでしょうか?

    二次創作SSもおいてるよ。ラッシャイ!!

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    ぎぃ。

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    しずく、しずか、しずむ【一八】──たとえば、よ。

    本当に、たとえばの話ね。

    小さい頃から視なくていいものまで見えて、それに反応しちゃったせいで、よく怪我とかして帰ったりしてさ。
    信号待ちしてる横断歩道とか、ちょっとした山の坂道だとか、電車のホームとか、そういう場所で押されたり引っ張られて危ない思いをする。
    何度もそれを繰り返して、そうして全部、「視えません」って態度で、無視するようになったとする。

    それとはまた別の話で、だ。
    自分がね?オジサンだとしてさ。
    それで自分より体格のいい、若い男三人ぐらいに囲まれて、骨も折れたかも~?ってくらい、殴られて……。
    ああ、まずい。もう駄目かも、ここで死ぬかもしれないって思った時。

    それって、そのふたつを比べたとき、どっちのがこわい?
    って話。

    ────まあ、この話はまだ続きがあってね。

    もしその、襲われている時に、その無視しなくちゃいけない方のやつが自分を助けてくれたら、どうする?
    白蛇の下半身に男の体がついてんの。
    そこに綺麗な顔が乗ってるんだ。
    そいつが男の首をしめあげて、暴漢の体が宙ぶらりんになってるのを視たとする。
    そうして、その、無視しなくちゃいけない方の、そいつと、ばっちり目が合ってしまう。

    でも、そいつは俺の命を助けてくれているんだ。

    俺はそのとき、もう、殴られた痛みとかで判断も鈍ってて。
    人間の悪意とか、害意とか、暴力から救ってくれたそいつに、思わず──

    「ありがとう」

    って。
    たったひと言、こぼしてしまって……。

    ああ、いや。そう。これはたとえ話だから。
    俺の知り合いの、元嫁の、友人の、同僚の、後輩の、弟の……そんな遠い、とおい誰かの話ってことで。

    ──それで。
    なあ、おまえさんなら、どうしていた?
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