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    あまや

    ⚠️閲覧ありがとうございます。こちらは店じまいして、ベッターへ移行予定です。ゆるゆる作業進めるのでもうしばらくお付き合いいただけると幸いです

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    あまや

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    SSS/凪砂の朝
    ⚠︎年齢操作(詳細は出ませんが20↑)、寮は出てる、死ネタ
    ※タイトルは最果タヒさんの詩より

    ##凪茨

    きみが、死んでも残る花「茨おはよう」

    私の日課は朝起きてリビングの茨に声をかけるところから始まる。
    コーヒーを淹れてまだぼんやりしている頭をスッキリさせたら朝食の準備だ。
    朝は和食がいいと茨が言っていたからご飯とお味噌汁。いつもなら昨日の夕飯の残りを食べるけれど昨日は外食だったから目玉焼きとウインナーを焼いた。もうちょっと食べたいなと思ってサラダとヨーグルトを追加した。4個パックのいちご味。果肉がごろごろ入っていて美味しい。ジュンのおすすめだ。
    和食には緑茶だからコーヒーを飲み干して緑茶を淹れ直す。見栄えにはそこまで興味がなかったけれど、朝ごはんを食べたよとSNSに上げるようになってからランチョンマットやお皿、箸置きにまでちょっとこだわるようになった。美濃とか有田とか、陶器自体には昔から興味があったので、いざ収集し始めると大変なことになってしまった。棚に入らない分は棚の中を空けてから買い足してくださいね、と茨が怒っていたので知り合いにあげたりよく検討して購入するようになったのは成長だろう。

    「いただきます」

    写真を撮って手を合わせる。
    テーブルの向こうの棚には綺麗に飾られた棚と骨壷。この席に着いた時、ちょうど向かい合えるように私が設置した。仏壇は大仰すぎるし、茨はお墓を持っていなかった。それに、手元にある方が寂しくない。
    茨はきっと嫌がるだろうけれど、殺風景すぎると日和くんが骨壷にレースのハンカチを被せてくれて、ちょっとお淑やかなお嬢さんのようになっている。棚を飾り付けたのも日和くんだ。写真たてに飾られた4人の笑顔が眩しい。まだ10代だった頃の私たち。

    「……おいしい」

    茨が死んで5年目。
    私は今日も元気に生きている。
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    あまや

    TRAINING習作/凪茨(主人公ジュン、下二人メイン)
    ⚠︎パラレル。アイドルしてません
    三人称の練習兼、夏っぽいネタ(ホラー)(詐欺)

    登場人物
    ジュン…幽霊が見える。怖がり
    茨…ジュンの友達。見えない。人外に好かれやすい
    おひいさん…ジュンの知り合い。祓う力がある(※今回は出てきません)
    閣下…茨の保護者
    三連休明けの学校ほど億劫なものはない。期末テストも終わりあとは終業式を残すのみではあるのだが、その数日さえ惜しいほど休暇を待ち遠しく思うのは高校生なら皆そうだろう。ジュンはそんなことを思いながら今日もじりじりと肌を焼く太陽の下、自転車で通学路を進んでいた。休みになれば早起きも、この茹だるような暑さからも解放される。これほど喜ばしいことはない。
    「はよざいまーす」
    所定の駐輪場に止め校舎へ向かっていると、目の前によく知った背中が現れた。ぽん、と肩を叩き彼の顔を覗き込むとそれは三連休の前に見た七種茨の顔とはすっかり変わっていた。
    「ひええ!?」
    「ひとの顔を見てそうそう失礼な人ですね」
    不機嫌そうな声と共にジュンを振り返ったのはおそらく七種茨であろう人物だった。特徴的な髪色と同じくらいの背丈からまず間違いなくそうだろうと思い声をかけたのだから、振り返った顔はジュンのよく知るメガネをかけた、男にしては少し可愛げのある顔のはずだった。が、見えなかったのだ。間違った文字をボールペンでぐるぐると消すように、茨の顔は黒い線でぐるぐる塗りつぶされていた。
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