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    名無し

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    メイン呪術、最近pkmn、他作品の小説をあげます
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    名無し

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    棘乙♀です
    乙骨憂になります

    彼女が世界一可愛いくて仕方のない狗巻君の話任務終わりはいつもくたくただ。特に呪言を酷使すればいわずもがな。スマホで時間を確認すると、深夜の十二時を回っていた。
    だいたい未成年に深夜の任務につかせるとか、どう考えてもおかしい。一度勤務体制を考えるか新しい人材を雇うかして欲しいものだ。
    悪態をつきつつ、ふらふらになりながら寮に戻ると、愛しい人影がこちらに向かって走ってきた。
    「狗巻君お帰りなさい。任務お疲れ様でした。」
    乙骨憂。俺の可愛い可愛い恋人。
    寝る前だったのかTシャツと短パンというラフな格好をしていた。旦那を出迎える妻のような献身的な言葉に、スヌードの下で口角が上がる。高専を卒業したらさっさと結婚しようと改めて誓った。
    「じゃげ…。」
    本当ならカッコよく戻って、スマートに抱き締めて、キスの一つでもしたかったのに。こんな掠れた声だと、優しい彼女は心配そうに眉を潜めてしまう。情けない自分に内心舌打ちをした。
    「…声が…じっとして。」
    「おがが…こほっ。」
    「良いから、あーんして?喉見せて?」
    スヌードを下ろされ言われた通りに口を開ける。中を覗いた彼女は悲しそうな顔をした。そんな顔をさせたくなかったのに。
    「…酷い…治療するよ?良いよね?」
    本当ならさせたくない。こんな怪我ほっといても数日したら治る。でも、断っても引かない事は知っている。俺はしぶしぶ首を縦に振った。憂はそれを確認すると、迷いなく唇を重ね喉に直接呪力を流し込む。
    喉を治すための反転術式は別にキスをしなくても良い。だけど、治りが早いから。と憂はこの方法をとる。他の男に同様の事をしてないか不安で仕方ない。
    痛みが引いたと思ったタイミングで、憂は唇を離した。
    「どう?」
    「明太子。」
    「うん、治った。いつもの狗巻君の素敵な声だ。」
    そう言って無邪気に微笑む。
    可愛い、本当に可愛い。くたくたの身体に染み渡る笑顔。
    「憂。」
    「何?んむっ…!?」
    今度は俺からキスをした。当然治療目的じゃない。愛しい彼女を貪り尽くす為。舌で唇を舐めると、抵抗もせずに口を開く。それを同意とみなして直ぐに舌を捩じ込んだ。
    歯列をなぞり、舌を絡めると、鼻にかかるような息が零れる。何度も唇を重ねたはずなのに、未だ初々しく応えようと舌を動かす姿も愛おしい。このまま体も暴いてしまいたくなる。
    その欲求が頭を掠めると、ここではまずいと踏みとどまった。唇を離すと唾液の糸が紡がれ、あっ。と名残惜しそうな声と共にプツリと切れた。頬を赤く染め、とろんとした瞳で見つめられると、本当にこの場で襲ってしまいそうになる。勿体ないと思いつつも、できるだけ見ないように抱き締めた。
    深呼吸して、脳内で念仏を唱える。ノリノリでスカートを履く五条悟を思い出して、真希と野薔薇にぶん殴られた記憶を思い返す。そうしてやっとし落ち着きを取り戻しそうになった時、憂は頬擦りし恥ずかしそうに呟いた。
    「………すき。」
    あ"ぁ"ぁぁぁぁ!
    今日も俺の彼女は世界一可愛い!



    今日の昼飯は憂特製の手作り弁当。
    中身はおにぎりと、おかずに卵焼きと唐揚げが入ってるらしい。弁当箱から漂う良い臭いに食欲を刺激される。そんな俺に対して、
    「品数が少なくて見栄えも悪いんだけど…。」
    と、彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。
    そんな事はないだろ。忙しい中俺の為に朝から作ってくれた。これだけで充分なのに、唐揚げは前日の夜から鶏肉を仕込み、朝に揚げてくれた物。苦労しながら卵焼きを巻いてくれてるのも知っている。なのに謝る必要が何処にあるんだろうか。
    俺は悲しそうに伏せる愛しい瞼にキスをして、お礼を述べた。
    そして今、待ちに待ったお昼時。
    「狗巻君、あーん。」
    「あー。」
    憂の手からおむすびを差し出され、天辺に食い付いた。ちょっと塩味が強いが、夏だからちょうど良いだろう。具は鮭だ。しかもこれ切り身をほぐしてる。まさか朝から焼いたのか。このクソ暑い夏に揚げ物に焼き物。絶対暑かっただろう。
    忙しいのだから手を抜いても良いし、なんなら作らなくたって買えば良い。そう言ってやりたいが、自分の為に何かをしてくれるのが嬉しくて言えないでいた。
    「どう?美味しい?」
    「しゃけ。」
    「本当!?良かった!」
    素直に感想を述べると、とても嬉しそうに微笑む。その顔もまた可愛い。残りも一気に口に入れて、あっという間に一つ完食した。
    ちなみに、別に俺の両手は塞がってるわけでも不自由になってるわけでもない。今日は気分的に憂の手で食べさせて欲しくなっただけだ。彼女は俺が「お願い」と言うと、大抵の事は拒まずに受け入れてくれる。
    まぁ唯一断られたのは、●●●●中に●●●を●●させてくれって言ったら泣かれたくらいか。あれはあれで可愛かったけど、泣かれたのは流石に堪えたな、可愛かったけど。あーでも涙でぐちゃぐちゃになった所を✕✕✕から✕✕✕✕でピーーーーしたらとろんとした顔で✕✕✕って言ったのも可愛いかったなぁ。
    「棘、変な事考えてるだろ?」
    「おかか。」
    目の前で昼飯を食べてた真希の言葉で現実に戻される。隣でぽかんとしてる憂に、唐揚げをくれと促すと箸で掴んで口元に寄せてくれた。
    「はい、どうぞ。」
    程よい大きさの唐揚げを一口で食べる。下拵えが良かったのか、肉はとても柔らかく、噛めば噛むほど肉汁が溢れる。冷めてる筈なのに変な店より遥かに美味い。ここが二人きりなら、口移しで食べさせ合いをするのに。
    そう考えると早く結婚して二人で暮らしたくなるな。純白のウェディングドレスを身に纏った姿は誰よりも綺麗だろう。お色直しは何色のドレスにしようか。憂の好きな色ならなんでも…あ、できればふわっとしたやつよりぴっちりとしたやつが良い。スタイルが強調されるドレスは、憂の魅力的な尻を存分に見られてエロ…あ、他人に見られるのは嫌だ、止めよう。
    「憂、嫌なら無理しなくても良いんだぞ。」
    「別に嫌じゃないよ。…ちょっと、恥ずかしいけど。」
    妄想中パンダの一言でまた我に返る。余計な事を…と思ったが、頬を赤くして俯く憂の顔を見れたから問題ない、許す。照れてる憂はずっと眺めていたいくらい可愛いが、この顔を他の男に見せたくはない。視線を別に移して次を促した。
    「すじこ。」
    「卵焼きだね。はい、お口開けてー。」
    憂は箸で掴んだ卵焼きを口に入れる。形もきれいだったし、ほんのり出汁の良い味がする。黒こげにしてた時に比べると、かなり腕前を上げたようだ。きっと素敵な嫁になるだろう。俺限定の。これが食べられるなら毎朝和食で良い。おはようからおやすみまで常に一緒とかなんて楽園。お互い任務がない日は朝から●●●●して、●●●してもらって✕✕✕✕からピーーーーーー!なんてしても良いんだよなぁ。家庭に縛らせたくはないけど、いつか子供を作って幸せな家庭を。
    「狗巻君、あーん。」
    あー…俺幸せで召される。
    「お疲れ様です…って、何なんですかこれ。」
    一緒に昼食を取ろうとしたのだろう恵は、俺達を見て唖然として固まる。
    恵は憂を慕っている。それは純粋な特級術師への敬意だろうが、油断ならない。なにしろ憂は魅力的だ。いつどのタイミングで恋に落ちるか分からない、俺みたいに。故に恋人は俺であるという印象を、強くしておかなければならない。
    いつまでも差し出した唐揚げを食べない俺を心配している憂の唇へ、愛情たっぷりのキスをした。恵に見せつけるように。
    「…は?」
    「い、いいいいいにゅまききゅん!?こんな所でなにするのぉ!」
    「こんぶこんぶ。」
    顔を真っ赤にして、「ごめんじゃないよー!」と言いながら、胸をぽかぽか叩いてくる。これくらいで恥ずかしがるとか…夜にはもっと恥ずかしい事してんのに。
    「恵は見るの初めてか?この二人といる時は、たまにこうなるから覚悟しとけ。」
    「はぁ…。」
    「ご、ごめんね伏黒君!お見苦しい所を!ささっ、ご飯食べて!」
    「あ、いえ別に。じゃあ、失礼します。」
    こいつ、動じてない、だと。やはり危険だ。要注意人物リストに追加しておこう。まぁ、今はそれより。
    「高菜。」
    「はいどうぞ。沢山食べてね。」
    「パンダ先輩、俺達何を見せられてるんですか?」
    「知らん。気にするな。」
    「……真希さん、俺やっぱり外で飯食ってきます。」
    「外は暑いだろ?涼しい室内で食っていけ。…一人だけ逃げんなよ恵。」
    「…。」
    といった会話はまるっと無視して、美味しい弁当に舌鼓をうった。
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